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爆弾と呼ばれた男  作者: 岡上 山羊
極道の世界へ
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新天地へ

玉野も落ち着きを取り戻し、光一郎を含め、彰をのぞいた六人で話し合いが持たれる事となった。若頭の玉野の下には、下っ端連中からすると所謂いわゆる"アニキ"と呼ばれるリーダー達が四人いた。その筆頭となるのが先程まで光一郎と話していた市橋 博己で、他に浦川 茂樹、河野 修一、鬼塚 真也と言った面々が名をつらね、それぞれに"舎弟"と呼ばれる部下を四〜五人持つ。

「東京行き何やが、市橋!お前は大阪コッチに残ってくれ」玉野が口火を切った。

「えっ?何でです!ワシかって若頭アニキに付いて行きたいですわ」

市橋はリーダーの中でも一番の古株で玉野の側近中の側近だった。その分、今回の東京進出には、並々ならない思いがあった。

「お前の言いたい事も気持ちもう分かる。しかしな、大阪コッチカラにする以上、安心して任せられんのはお前しか居らん!分かるやろ?」玉野は諭す様に市橋の目を見た。市橋は自分が玉野の立場に立った事を想像しながら「分かりました。大阪コッチはワシに任せてもうて、東京ムコウで思いっ切り暴れて来て下さい」と腹を決めた様に返した。

「後は鬼塚のトコにも残ってもうて、浦川トコの六人と河野のトコの五人にプラスして…光一郎、お前もや」玉野は後ろで立っていた光一郎の方を振り向いて言った。

「ワシですか?…彰は!彰はどないしますん?」光一郎は玉野に食い下がった。

「あの怪我で連れて行けって言うんか?そもそもは、ワシのミスでお前らに反対テレコに命令してしもたけど、捕まったんはアイツ自身のミスや。お前やったら備後組ヤツラに簡単に捕まったか?」玉野の言い分は至極、最もだった。光一郎なら、簡単にどころか返り討ちにしていただろう。最早もはや、光一郎に反論の余地はなかった。

「それからな、市橋!三田村等の五人も岡山組ウチに入れる。五人の配分は彰と合わせてお前と鬼塚の下に付けて、アイツ等はあくまで彰の後に入った弟分やって事だけ、しっかり分からしといてくれ」

三田村とは、光一郎が玉野に出会った時、光一郎が一人でった連中だ。通常、新入りは、四人のリーダーの下に配分されるのだが、光一郎と彰は特別に玉野預かりの身で今まで来ていた。そして幾ら5対1とは言え、彰をしてしまった三田村達が彰に対し大きな顔をさせない為の玉野の親心だった。

「ヘイ!分かりました。そのへんは任しとくんなはれ」市橋は座ったまま両手をひざに当て、大股になった状態で頭を下げた。

「ヨシ!出発は三日後や。それぞれ準備におこたりが無い様にしといてくれ」

三日後、光一郎達十三人は、新天地、東京へ向けて伊丹空港から飛び立った。

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