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爆弾と呼ばれた男  作者: 岡上 山羊
極道の世界へ
13/50

挽回

「これを、お前ら二人でやったんと?」玉野は光一郎に渡されたインスタントカメラで撮った写真を見ながら聞いた。

「せやから、言うてますやろ?コイツとコイツとコイツらは彰がやりよって、この坊主頭をワシが助太刀でやったったんですわ」

光一郎は写真を一枚づつ指差ゆびさしながら、得意気に答えた。

「彰の割に無茶苦茶やっとんな?コイツらしばらくは動けんぞ」やや不審そうに玉野が言った。

「そらぁ、もう、近くに椅子があったから、それでボコボコにシバいたりましたわ」彰も打ち合わせ通りに答えたが、どこか後ろめたさがあった。

とは言え今回の働きで玉野も一応は彰を認めた様だった。

「彰!どないにしろ、これからやぞ!光一郎と一緒に備後組のヤツらにエエ顔させん為にも気ぃ張って岡山組クミを盛り上げて行ってくれや」玉野の鋭い眼光が光った。

「も…もちろんですわ!これからも気張ります」言いながらも彰は相変わらず冴えない顔をしていた。

「彰!気張ろうぜ!何、お前とワシとやったら絶対にやっていけるって」光一郎は自分の言葉もどこか虚しく響いた気がした。


後日、また別の店から連絡があり「備後組の奴等が暴れとるんですわ!また、頼んますわ」と言って来た。

「アイツらほんまにりひんみたいやのぉ!舐め腐っとるで!彰!光一郎!早よ行って暴れて来たれ」

玉野は若い二人に期待を込めて発破をかけた。

店に向かう途中、光一郎は「彰!エエか?先ずは鼻に頭突パチキや!そんで相手がひるんだトコ、メチャクチャにシバいたったらエエ!そこらに落ちてるモンでも何でも使つこうたったらエエ!絶対に負けんな!ボコられても向かって行くとかそんな考え方止めぃ!先手必勝やぞ」とアドバイスを送った。


店に着いた彰は少し驚いた。相手が八人いたからだった。しかし光一郎に少し引いている彰に指図する暇は無い。

「彰!先っき言うた通りや!先手必勝!無茶苦茶にやったれ」

先ず、光一郎がリーダー格と思われる男にテーブルを利用しての飛び蹴りを顔面に入れた。

いきなりリーダー格をやられた他の連中がたじろいだ時

「今や!彰、行け!」光一郎の怒声に彰は「ウォリャ!」と近くにいた金髪リーゼントの鼻に目掛けて頭突きを入れた。

金髪リーゼントは鼻血を噴き出しもんどり打った。

これで残りの連中の戦意も喪失させ、後は二人の独壇場だ。

彰が坊主頭の男にヘッドロックをかけるのを見た光一郎は、自身も近くの茶髪の男にヘッドロックをかけ、「彰!行くぞ!」と合図して二人の頭をかち合わせた。二人は脳震盪のうしんとうを起し、倒れた。

これにより彰は自信をつけ、好き放題に暴れ回った。

気付けば光一郎と彰が立っていて、相手の八人が倒れていた。

「ウォッシャー!」光一郎は彰とハイタッチをしていた。

その後、光一郎と彰は備後組の八人を一人一人、二階にある店の階段から突き落として行った。

店に戻った光一郎は「スンマセン、ちょっと店、無茶苦茶にしてまいましたね」と店長にびた。

「何言うてんの!アンタら強いなぁ!関心したわ!これ…少ないけど、取っといて」と光一郎の右手に握手しながら三万円を握らせた。

店を出た二人は、肩を組みながら、どちらから言うでもなく「ヨッシャ!これで一杯引っ掛けてこうか」と言いながら、繁華街に消えて行った。

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