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闘病シリーズ

精神病院の保護室に入れられて何を考え、どう過ごしたのか。

作者: ムー

6畳くらいの部屋だっただろうか。

部屋の右側が畳、中央に小さな机が一つあった。


畳の上に布団を敷き、休むのだろう。


部屋の一番手前にはトイレがあった。

トイレはむき出しの状態の和式便所だった。



ほぼ独房だ。

というか独房以外の何者でもないな。



私はそう感じた。

23だったか24だったか。

とにかく20代の頃、私は精神病院の保護室と呼ばれるところに居た。





もともとプライドが高く、そこそこ勉強もできた私は、東京のいわゆる良い大学に入学した。

ところが、当たり前の話だが大学に入学してきたやつらはみんな勉強が出来た。


私は勉強についていくのに必死だった。

しかしどんどん勉強がわからなくなり、落ちこぼれていった。



だが、落ちこぼれることはプライドが許さない。



大学2年の春休み、一日中勉強した。

一日12時間、毎日勉強した。

しかし理解できない。



あるときあまりにきつく、酒を飲んで勉強した。


すごい!理解できる!はかどる!


次の日、勉強したことをほとんど忘れていた。


酒を飲んでは勉強をし、次の日には忘れ、でもきつくて酒を使って勉強する。

そうするうちに体調を崩し、大学病院の精神科を訪れた。

転落の始まりだった。



転落を続け、入退院を繰り返したが一向に良くなる気配はない。

何度目かの入院のあと、この病院に入院し、興奮状態だったので保護室に入れられた。


とりあえず、横になろう。

布団を敷いて横になることにした。


次の日。

漫画を3冊ほど持ち込んだので、それを読んだ。

テーブルがあったので、ノートに何か書いた。

トイレも普通にした。


プライドはほとんど壊れていた。

自分自身のよりどころがなかった。

今までがんばってきたことは全て無駄だったのか。

世の中はこんなにもろいものなのか。

絶望していた。



のどが渇いたときは、大きな声で「のどが渇きました」というとやかんに水を持ってきてくれる。

ご飯は、ドアの横の穴から差し出される。



看護士さんは顔にやけどのあとのある方だったのは覚えている。

大変優しい方であった。



両親は、毎日見舞いにきてくれた。と思うがはっきりとは覚えていない。



頭の中をつねに針でツンツンされるに不快だった。

とにかく死にたくてたまらなかった。



保護室にいたのは、5日間だったらしい。

やっていたことは、寝ること。漫画を3冊読むこと。テーブルに向かってノートに何か書くこと。それくらいだった。



それから長い長い闘病生活が始まるわけだが、それはまた今度の機会に。

初めての投稿になります。

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