第五章まとめ
【主要登場人物】
・シックザール=ミリオン
数々の世界を旅する白本の少年。人間のことはなんとも思っておらず、面白い物語を手に入れることを最優先している。
再上映の能力を持つ。過去に体験した物語を再現することができる。ただし、再現した物語は無くなってしまう。そのため、極力使用することを避けている。
何らかの条件で体が黒いページに覆われ、自分の意思とは関係なく暴れまわる。
・アルメリア
シックザールを守る“装者”の少女。赤い髪を持ち、シックザールより見た目の年齢は高い。彼の従者ゆえ基本的には彼の意見を尊重するが、時には自分の意見も主張する。表情に乏しいが、シックザールを見失った時には酷く動揺する。
左腕には宝石がちりばめられた短剣“エーデルシュタイン”の刺青が彫ってあり、刃はいつも大切に研いである。
・シャイニー
白本の一人。ポニーテールの小さな女の子で、背が低いことを気にしている。
ビブリアにおいて初めての電子タイプの白本。そのことを誇りに思っており、シックザールに対抗心を燃やしている。
体から電気を流すことができ、触れた相手を痺れさせることができる。また、電子機器を故障させることもできる。ただし、この能力を使うと酷く消耗する。
・ネグロ
シャイニーに仕える装者。褐色の肌を持つ大男。装者としての経験も豊富で、アルメリアも尊敬している。シャイニーに女の子の服装をさせられたりと苦労人の一面もある。
生きる伝説とも言われるほどの凄腕の装者で、同じ装者のアルメリアすら一周する実力を持つ。
・リュナ
装者の一人。主人である白本を失ったために、とある世界から出られないでいる。しかし装者としての実力を活かし、“三日月の剣士リュナ”としてコロシアムの王者に君臨している。
本体はシックザールとアルメリアに敗北し、重傷を負った。しかし彼の物語がシックザールに刻まれたことで彼の能力の一部になり、分身は別の世界で活動できるようになった。
・ネイサ
ビブリアの姫であり、生みの親。しかし堅苦しいことは苦手で、いつもはラフな姿で本を読んでいる。普段は宙に浮かぶ居城にて、数人ばかりの使用人たちと暮らしている。
シックザールの出生に何らかの秘密を持っている。
・マリキタ
本の虫こと、ヴルムの一人。ヴルムの村にて鍛冶屋を営んでいる。独特の口調でゆっくりと話す。
ずんぐりと太った体で、背中にはナナホシテントウを思わせる羽が生えている。
【“剣も魔法も無い世界”登場人物】
・サニ
ジャングルで出会った少女。リュナに命を救われたことで恩を感じている。
・クラ
ジャングルで出会った男性。リュナに命を救われたことで恩を感じている。
・原人たち
移動先の世界で出会った原人たち。言葉が未成熟のため、シックザールたちですら自由に会話ができない。リュナは「原人らしくない」と訝しんだ。
【用語】
・白本
立派な本になることを目指す、本の卵たち。水や火、刃物等に弱く、身体能力も低い。乱暴にすると腕がすっぽ抜けたりするが、血などは流れず、痛みも小さい。
基本的に、装者とは主人と従者の関係にある。
・栞
白本が装着している、髪の毛のような物。常に毛先が白く燃え続けており、それが燃え尽きるまでは旅が可能。基本的に、世界の移動後の七日間で燃え尽きる。
切断されても、その面から新たに燃え始める。しかし短くなった分は滞在時間が短くなる。
・装者
白本を守る存在。白本と異なり、卓越した身体能力と刺青の能力を持つ。また、白本を修復する力も持ち、手の中から生み出した光る糸で傷を縫い合わせる。
・本の虫
本に成ることを止め、そのままの姿でいることを望んだ白本の成れの果て。ビブリアの西側にて、寂れた村に暮らしている。
白本としての目標を放棄しているため迫害されることもあるが、蓄えた知識や経験は豊富で頼りにされることもある。
・ビブリア
白本や装者たちの暮らす小さな国。この国一つでその世界が完結しており、他の国は一切存在しない。
東西南北の四つの区画に分かれている。
・函
白本たちの家。まず函が生まれ、その函の中で白本は生まれる。ただしシックザールのみは例外で、ビブリアの姫の腕の中で生まれた。
・混沌の炎
ビブリアの北側に存在する、巨大な白い炎。栞を燃やしているのは、この炎の一部。
白本や装者の死体を薪に燃えており、彼らの知識や経験が混ざり合うことで別の世界への扉を開いている。
白本にとっての最初の試練が、この炎に身を投じることができるかである。通常の炎と違って熱くはないが、本能的に炎を恐れる白本には簡単には受け入れられない。




