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克服と別れ


「藍奈、大丈夫。私から先生に話するから。」

私をそっと支えながら智ちゃんはそういってくれた。

智ちゃんは自分のことのように私の心配をしてくれて。

そんな彼女を今、私は心強く感じた。


「先生。実は・・・。」智ちゃんは職員室から出てきた先生にてきぱきと話しをしてくれた。

先生は、一応は話を聞いてくれた。

でも。

「そんなことが、あったとしても・・・。クラスの中で犯人捜しなんて。雰囲気悪くなるんじゃないか。どうせ、ちょっとした悪戯だろう。気にすることは無い。」先生はそういって職員室に入ろうとする。


またか・・・。

また、教師は私の話も聞かず何もしてくれないのか。

どうして、先生は教育者なのに、生徒間のトラブルにも気づいてくれないのだろうか。

最低な人間だ。

先生なんて・・・・・大嫌いだ。


その時だった。

「ふざけるな。この!!」智ちゃんはそういって、先生の服をつかみ老化に引っ張り出した。

「お前の大切な生徒が困ってるっていってんだろう。どうして助けてやらない?お前はそれで、教師を名乗れるのか?恥ずかしくないのか?大人として、教師として、人として。お前のような教師がいるから・・・・。いじめで苦しむ人は減らないんだ。ふざけんなよ!」

智ちゃんはそう言った。


「智ちゃん・・・・・。もういいよ。ありがとう。」

先生は、黙ってうつむくだけだった。

「私。お前みたいなのは教師にいらない。反省したなら、何かの形で行動を起こせ。いいな。」

そういって智ちゃんは先生に背を向けた。

かっこいいな、智ちゃんは。

それから、私に手を差し出して「帰ろうか。」と言ってくれた。

先ほどまでとは別人のように、優しい。


智ちゃんは私のために先生を怒ってくれた。

彼女があのように人に起こったところを見たことがなかった私は驚いた。

けれど、驚いた以上に嬉しかった。



あの日から、先生はできる限り私に何もないように、気を配ってくれるようになった。

やはり、あの智ちゃんが怒ってくれたからだろう。

あれから、私にとくに嫌がらせは起きなかった。

犯人は見つらないままだったけど。

そのまま、私は無事に卒業することができた。

でも・・・・・・。


私をかばってくれた、智ちゃんはもう居ない。

あの日から十年。

智ちゃんはあの日から一年後、交通事故で死んでしまった。

私を大切に思ってくれてた唯一の友人。

智ちゃん。

あれから、もう十年だね。

私は、あれから少しずつ人とかかわれるようになったんだよ。


私は、会いたい大切な友人に伝える。


「智ちゃん。会いに来たよ。」

私は彼女のお墓にそった花をおいた。



急展開ですみません・・・・。

一応。これで完結です。

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