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第二章 (6)

 商品の在庫が二割を切った場合、その店舗は自由市場の期間中であっても店を閉めることができる、というルールがある。

 運営側としても商品の乏しい店を出すことは望ましくないし、他の店が希望すれば、売り場を拡張することもできるからだ。

 とはいえ、これだけ客が集まる期間限定の市場なのだから、できる限り長く店を開いて、より多くの商品を売り捌きたいと考えるのが、商売人の気質というものだろう。

 毎回のように大行列ができる一部の人気店舗以外では、このルールを利用するものはまずいない。

 しかし“森緑屋”は、最終日の一日前に閉店することにした。

 当初の売上げ目標を達成したということもあるが、それだけが理由ではなかった。


「明日は、ハルムーニの街を観光するよ」

「……え?」


 “閉門の鐘”が鳴り、すっかり暗くなった路地裏の先。倉庫内の荷車に売れ残った商品を積み込んで、帰宅の準備は完了である。


「市庁舎でリーザの住民登録をしないといけないし、公共施設と交通機関の利用方法も知っておいたほうがいいと思う。郵便配達のやり方とか、“黒馬車”の止め方とかね」


 まだ都会に慣れない妹に、街の全体像を把握させたいというシャーロの配慮だった。

 降って沸いたような話にリーザが戸惑っていると、暗がりからどすのきいた声がかけられた。


「……なんや。商売が順調やからって、明日は観光かい」


 壁に身体を預けるようにして、ひとりの少年がたたずんでいる。


「パキか?」

「おうよ、わいや。余裕そうでなによりやな、“森緑”さんは」

「酔ってるのか?」

「あほぬかせ」


 しっかりとした足取りで近寄ってくると、パキは肩に担いでいた大きな袋から、薄手の紙袋に包まれたものを取り出した。


「これはな、“ドロソコ”っちゅうけったいな深海魚の、きもや。香草に包んで軽くいぶしてな。燻製にしてある」


 無理やり紙袋を渡されたシャーロだったが、興味を引かれたのか、軽く弾力を確かめて、匂いをかいだ。


「生臭くはないな。それに、やわらかい。保存食としてどれくらい持つ?」

「ええとこひと月半やな。夏場はひと月や」


 パキは投げやりな口調で説明した。


「わいの地元じゃ、この肝は“海の赤石ルビー”と呼ばれとる。焼いてよし、煮てもよし。おまけに子宝に恵まれるっちゅう縁起もんや。ほれ、食うてみい」


 紙袋の中身は、丸みを帯びた棒状の鮮やかな赤い物体だった。

 少しつまんで口に含むと、シャーロは素直な感想を漏らした。


「うまいな」

「そうやろ、なっ!」


 鬱屈とした様子から、一瞬元気になったパキだったが、すぐに大きなため息をつく。


「その“赤石”はな、今回の自由市場の、わいの秘策やった。おとんに内緒でぎょうさん仕入れてな。この街の客を、あっと言わそうと思うとった。……でもな、そいつは売れんかったよ。聞いて驚け、ひとつもや! かっかっかっ!」

「リーザも食べてみるといいよ」

「あ、はい」

「――聞かんかいっ!」


 リーザも試食して、「おいしいです」と、目を丸くする。


「どう調理する?」

「そうですね。シチューの具材がいいと思います。いいお出汁だしが出そうですし、煮込めば膨らんで、もっとやわらかくなるんじゃないかしら?」

「せや、さすがはリーザちゃんや! よう分かっとる」


 すっかり馴れ馴れしくなったパキに冷たい視線を送りつつ、シャーロは聞いた。


「で、いくらで売ろうとしたんだ?」

「うっ」


 急に言葉につまり、やがてパキが白状した値段は、シャーロとリーザを沈黙させるに十分なものだった。


「話にならんな」

「せ、せやかて。こいつは縁起もんなんやで。わいの地元じゃ――」

「地元で付加価値のあるものを持ってきて、どうするつもりだ? この街じゃ“海の赤石”のいわれなんて、誰も知らないんだろう?」


 シャーロのの指摘は容赦がない。

 “森緑屋”で販売した“カラシバ薬茶”も、ハルムーニでは知られていない薬草だった。それを前回の自由市場で捨て値で売り切り、宣伝に努めたからこそ、今回の成功があったのである。


「自分が価値を知っているだけじゃ、意味がない。試食をさせるには、単価が高すぎる。つまり、自由市場で売る商品ではないということだ」

「――ぐっ」


 反論することもできず打ち震えているパキを無視して、シャーロは荷車の鍵をかけた。


「話はそれだけか? 俺たちは明日も忙しいんだ。用がないなら……」

「頼む、シャーロ!」


 パキは直立すると、勢いよく腰を折って頭を下げた。


「――教えてくれっ!」


 プライドの高い男だと思っていただけに、シャーロは意外そうに自分と同年代の少年を見つめる。


「お前やったらこいつをどう売った? 縁起もんちゅうことを差し引いても、こいつはうまいと思う。他にはない極上の食材やと、わいは思うとる。“ドロソコ”は、なかなか網にかからんから、仕入れ値が高い。売値はもっとばか高い。でもそれは、希少価値があるってことやろ? ましてやこんな都会じゃ誰も口にすることはできん。商売のチャンスやないんか?」


 少年の独白に、シャーロは微動だにしなかった。


「お前が勝手に仕入れた“海の赤石”、どうするつもりだ?」

「明日が自由市場の最終日やからな。赤字覚悟で売値を切り下げるしかないやろ。お決まりの“半額祭り”やな。それでも売れへんかったら、持って帰る」

「賞味期限はひと月半だったな? 地元に戻ったら、商品にはならないだろう」

「その通りや」


 パキは自嘲気味に呟く。


「縁起物の食材やから、捨て値で売り捌くわけにはいかん。家で……家族で食べるしかない。笑いたければ笑わんかい」

「――くっ」


 シャーロは肩を震わせて笑い出した。

 驚いたのはリーザである。兄のこのような姿を見るのは初めてだった。

 商人が自分で仕入れたものを自分で消費することは、一番の恥だと言われている。それは商人としての才覚の無さを証明してしまうことでもあるからだ。


「シャーロ兄さん……」

 珍しく咎めようとするリーザを、パキは「ええんや」と遮った。


「わいが逆の立場やったら、遠慮のう笑ろうとるわ。まったく、ぶざまなこっちゃ」


 逆にすっきりとした様子で、パキは倉庫の天井を見上げた。


「おとんにもな、ええ勉強になったやろって言われたわ。独断専行、しかも結果は失敗。いいわけもできん。今回は完全にわいのミスや。それは認めとる。でもな、わいが本当に嫌なんは、失敗することやない。失敗を恐れて、新しいことができんようなることや。手足が竦んで、動けんようなることや。今回は勉強になった? じゃあ、次は? もう同じことはできへんちゅうことか? そんなこと繰り返しとったら、当たり前のことしかできへんようになる。そんなつまらん商売人に、わいはなりとうない」


 笑いをおさめたシャーロに、パキはもう一度懇願した。


「だから、他のやつの考えを聞いて、少しでも次にいかしたいと思うたんや。悔しいけど、“森緑屋”の商品は、すべてがまんべんなく、しかもよう売れとった。それは商品のひとつひとつに戦略があって、それが客の需要と一致したってことやろ? なあ頼む、シャーロ。お前の考えを聞かせてくれ」


 仮にも商売敵に対して、ここまであけすけにものを頼める男も珍しいだろう。

 向上心があり、野心もある。自分の失敗を認める器量もある。お調子者だが、それはひとを惹きつける魅力があると言い換えることができるかもしれない。

 そこまで考えたシャーロだったが、無条件でパキに協力するつもりはなかった。少し考えてから、リーザに先に宿に戻って欲しいと伝える。


「ちょっと遅くなるかもしれない。明日の朝、“開門の鐘”でここに集合しよう」

「はい、分かりました」


 それから、パキに向かってついてくるように促す。


「なんや。飲みに行くんか?」

「ハルムーニでは、十八歳未満は飲酒禁止だ。罰金で儲けが吹き飛ぶぞ」


 シャーロは通りで“黒馬車”を拾うと、街の中心部へと向かった。夜になってもランプ灯の明かりが煌々と輝き、人通りの絶えない中央区の環状道路。その一角で馬車を降りると、今度は路地に入っていく。


「お前の“海の赤石”だが、今の売値の七割で、俺が買い取ろう」

「なんやと?」

「まあ、うまくいったら、だけどな」


 たどりついたのは、格式の高そうなレストランだった。

 歴史の重みを感じさせる一枚板の看板には“黄昏の宴”とある。なんとも仰々しい名前だが、店構えからしてものが違った。

 入り口前には正装したドアマンがいる。階段は大理石で、分厚い絨毯が敷かれている。幻想的なシャンデリアの輝きとともに、優美な弦楽器の音楽が溢れていた。店内はまるで別空間が広がっているのだろう。

 今の二人の格好では、店内に入ることすら許されない。やや気後れしているパキをよそに、シャーロは店の裏口へと回ると、ノックもせずに扉を開き、勝手に中に入っていく。


「お、おい、シャーロ。不法侵入とちゃうんか。捕まるで」

「出入りの業者というのは、こういうものだ」


 薄暗い廊下の先に、半開きになった扉があり、シャーロはその扉を軽く叩いた。中の部屋は事務室らしく、四角い眼鏡をかけた黒髪の女性がひとり、黙々と帳簿をつけていた。


「こんばんわ」

「……うん? ああ、えっと。ワインの少年!」

「“森緑屋”のシャーロです」

「ああ、そうそう。あとはビストと水芋だ。久しぶりだねぇ。そちらの狼少年は?」

「うちの従業員です」

「……」


 狼の毛皮の上着を羽織ったパキは、ぐっと言葉に詰ったが、愛想笑いしかできない。


「そういえば、春の自由市場が開かれてるんだっけ。で、なに? また森の食材を持ってきたの? 座って座って」


 事務室内のソファーを案内されると、シャーロは店主よろしくパキに命令して、“海の赤石”をテーブルの上に出させた。


「――むっ、鮮やかな赤」


 初めて見る食材だったのか、黒髪の女性は眼鏡を光らせる。くんくんと匂いを嗅いでから、豪快にかぶりついた。


「……魚? しかも海? ひっかけ問題?」


 もごもごと頬を動かしながら、再び唸る。


「魚の肝の燻製だと思うけれど、種類までは分かんないな。ああっ、ちくしょうめ!」


 突然女性は叫び声を上げると、テーブルの上に両手をつき、シャーロを睨みつけた。


「少年、答え!」

「さすがルイさんですね。これは“ドロソコ”という深海魚の肝です。貴重品ですよ」


 女性はうつむき加減で「ドロソコ、深海魚、ドロソコ」と何度も呟いてから、おもむろに立ち上がった。


「――覚えた。ちょっと待ってて。料理長呼んでくるから」


 女性が部屋から立ち去ると、呆気にとられていたパキが、はっと我に返る。


「……なんや、あの女は?」

「彼女はルイさんだ。この店で調理する食材の仕入れを任されている」

「料理長呼んでくるいうとったぞ。この店で一番偉いひとやろ? しかも、まだ営業中やないんか?」

「下手をすると、料理長よりも決定権があるかもしれない。ちょっと変わった女性でね。ひとの名前はぜんぜん覚えてくれないが、一度口に入れたものの記憶は、絶対に忘れないそうだ。食材に関しては、おそろしく目と鼻が効く」


 しばらくすると、廊下の奥のほうから言い争うような声が近づいてきた。


「お、おい、ルイ。今、デザートの仕上げを――」

「そんなの弟子に任せておけばいいでしょ。料理長は、味見とメニューを考えるのが仕事。ほら、早くくる」

「袖を引っ張るな! わ、分かったから――」

「お待たせ。連れてきたよ」


 おしゃれなひげを生やし、縦長の料理帽とコックコートを身に着けた中年の調理長は、自身の威厳を取り繕うように咳払いをして、苦々しい口調で聞いた。


「それで、珍しい食材というのはなにかね?」

「深海魚の肝。その燻製」


 ルイに紙袋を渡され、しぶしぶながら料理長は匂いを嗅いで、味見した。


「ほう、濃厚だな。臭みもなく、まろやかだ」

「食材として、使えそう?」


 片手を顎に当て、斜め上を見るような芝居じみた仕草で、料理長はしばし考えを巡らせた。


「……ふむ。チーズのように削って、サラダにかけても合うだろうな。スープの具材や出汁にも使えるだろう。この手の食材は、長時間煮込んでも存在感が劣化しないから、強いソースにも負けない。下ごしらえのやり方によっては、メインにも使えると思う」


 ここで初めて、シャーロが口を開いた。


「この食材は、地元の港町では“海の赤石”と呼ばれています。ですが、我々ではその味をいかすことができません。せいぜいが火であぶって、酒のつまみにするくらいです。しかし、料理長の手にかかれば、“黄昏の宴”にふさわしい、極上の一品に生まれ変わるのではないでしょうか」

「海の赤石ルビー、ねぇ」


 言葉の響きが気に入ったのか、料理長は何度も頷きながら考え込む。シャーロの隣でルイが「少年、あざとい」と、ぼそりと呟いた。


「いいだろう。仕入れておいてくれ。あとはルイに任せる。わたしは今、仕事中でね。手が離せないんだ」


 料理長が去ると、賞味期限や食材の量、傷みがないかなどの確認を行い、そして金額の話になった。


「少年、ちょっと高いよ。まとめて買うんだからさ、もう少しまけなさい」

「去年は、葡萄の出来がよかったんです」

「む、そうなの?」

「はい。ルイさんがよかったら、一番に試飲してください」

「素人のくせに、いいワイン作るよね、君は。それに――あざとい!」

「おそれいります」


 結局、交渉はすんなりまとまり、倉庫に“海の赤石”を保管して、その後、即金で受領することができた。

 シャーロの提示した金額。それは、“魚味屋”の店頭価格よりも四割増しだった。

 帰りの“黒馬車”の中で、たまらずパキが爆発する。


「おんどれ、あほか! 客の弱みにつけこんで、ふっかけよってからに。あんなんで息の長い商売できると思うなや」

「なにも分かっていないのは、お前のほうだ」

「なんやて?」

「あの店のコース料理の値段、知ってるか?」

「……いや、知らん」

「興味があるなら調べてみろ。開いた口がふさがらなくなるぞ。それに、“黄昏の宴”は伝統料理も人気が高いが、それだけじゃない。創作料理を提供するフェアを定期的に開催している」

「……」

「予約は常に数ヶ月先までいっぱいだ。客の期待が大きい分、店側も必死さ。自分たちが料理の歴史を作っているという自負があるからな。目新しい食材や調理法を、血眼になって探している」


 シャーロの情報量に、パキは圧倒されていた。

 この少年と出会ったのは、今から三年前。みすぼらしい荷馬車でやってきたみすぼらしい格好の兄弟が二人、倉庫で積荷を降ろしているところだった。

 父親に連れられて、意気揚々と初めての自由市場に参加したパキは、同年代の少年たちに興味を持ち、気軽に声をかけた。


「今、忙しい。邪魔をするな」


 間違いなく記憶している。

 確かにこの男はそう言って、自分を追い払った。

 すっかりへそを曲げたパキだったが、自由市場の端のほうで細々と商売をしている兄弟の姿を目にして、「へへん」と、溜飲を下げた。

 自由市場の店舗には序列がある。

 南門前大通りの中心部は円形交差点になっており、交差点に近いほうが人通りが多く、したがって商品もよく売れる傾向にある。

 くじ引きで当選したばかりの新規店は、通りの端にしか店を出せない。しかし、自由市場での売上げが大きければ大きいほど、つまり市場税を多く払ったものほど、次回はより中心部に近い位置で店を開くことができるのだ。

 いずれは消えてなくなるだろうと思っていたシャーロたちの店“森緑屋”だったが、パキの予想を完全に裏切り、謎の快進撃を続けた。回を重ねるごとに、“魚味屋”との距離も縮まり、ついには前回の序列で逆転されてしまったのである。

 商品に統一感がない。見たことのない怪しげなものもある。

 それなのに、売れる。

 どうにかして“森緑屋”の秘密を探ろうと、パキは毎回のようにシャーロにからんできたが、今回でようやく分かったような気がした。

 この男は、わいとは見ている世界が違うんや。

 地元では敵なしだった。同年代は話にならず、自分より年上の跡継ぎたちも、経験はともかく、商売のセンスや人心掌握術では、負けるはずがないと思っていた。

 商売仲間から「パキ君がおるから、“魚味屋”さんは安泰ですな」などというお世辞を聞くたびに、父親もまんざらではない顔をしていたものである。

 地元で親の商売を継ぐだけならば、今のままでも十分かもしれない。

 しかし、それではこの男には勝てない。

 “魚味屋”は、これ以上大きくはなれない。


「それから、一応言っておくが」


 パキの葛藤に気づかず、シャーロは淡々と言葉を紡ぐ。


「実際に“海の赤石”が客の口に入るかどうかは、五分五分だぞ」

「どういうことや?」

「創作料理なんてものは、料理長の気まぐれだからな。他にいいアイディアが浮かんだら、見向きもされないかもしれない。そうなったら、あの縁起物の魚の肝は、まかない料理になるか、賞味期限切れで捨てられるかのどちらかだ」

「……」


 商人が自分の商品に入れ込みすぎるなと、暗に言われたような気がした。


「そんな高級食材は山ほどある。使われなかった分も、すべてコース料理の値段に上乗せされているのさ。それでも喜んで金を出す客がいるからこそ、俺たちの商売も成り立っている」


 そう締めくくると、シャーロは“黄昏の宴”で受け取った金の半分をパキに渡した。


「さっきも言ったが、“魚味屋”の店頭価格の七割で“海の赤石”を買い取らせてもらった。それを四割増しの金額で売ったわけだから、ちょうど半分がお前の取り分だ。赤字を免れたな」

「ぐ、ううっ」


 確かにパキは赤字を免れた。“魚味屋”にも損害を与えずに済んだし、父親にも顔が立ったというものだろう。

 しかしシャーロは、まったくのリスクなしで、しかもわずかな時間で、大きな利益を得たことになる。

 パキを踏み台にして。


「な、なんちゅうがめつい男や」

「互いに利益があったんだ。感謝されたとしても、文句を言われる筋合いはないぞ」

「うがぁぁぁあっ!」


 正論である。

 まったくもって正論だが、それはパキにとって、ひと欠片も納得のいかない結果であった。

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