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『上東門院のお産に、誦経速記不要と有国頓智のこと』速記談1037

作者: 成城速記部

 一条天皇の中宮であった上東門院が、後一条天皇を出産なさるとき、大層難産でいらっしゃったので、上東門院の父でいらっしゃる藤原道長公がひどくあわてなさって、障子を開け放して、産所から飛び出るように出ていらっしゃって、藤原有国に、お産が長引いている、どうすればいいだろう。もっと誦経をさせるべきだろうか、その経を速記させるべきだろうか、と仰せになる途中、まだ道長公が言い終わらないうちに、有国は、もうお産は終わりましたので、誦経の必要はないでしょう、もちろん速記も、と申し上げた。そこへ、女房が走ってきて、お生まれになりました、と申し上げた。

 落ち着いてから、道長公は、有国を召して、なぜお産が終わったのがわかったのかと尋ねると、有国は、左大臣様が障子を開けて出ていらっしゃいましたので、障子とは、子の障りという字を書きますので、それが開け放たれれば、お産がすぐ終わると思ったのです、と答えたということである。



教訓:平安の昔は、お産が命がけであったし、文字のなぞ解きが単なるだじゃれではなかった。


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