黒と赤の二重奏(くろとあかのにじゅうそう) 第五部

2序章(赤間信也のはじまり)

　オレこと　赤間信也(あかましんや)は

この北高校に通っている　高校１年生なんだ。

　小さい頃から　普通に生きてきて

今まで　ごく普通に　学校生活を送ってきた。

　そう思ってはいたんだが　中学校２年生のときに

同級生の女子を　好きになってしまったんだ。

　その子は　何かはかなげで　すぐに心が

壊れてしまいそうな　繊細(せんさい)な女子だと

オレは　感じたんだ。

　そう思っているうちに　これはこの気持ちは

好きって感情じゃないのだろうかと思った。

　だからこの人を守りたい　ずっと好きでいたいと

心に決めたんだ。

　その女子のことは　高校１年の今でも

ずっと好きだし　同じ高校に通うことができて

本当に良かったと　思っている。

　その女子とは　黒井さんこと　黒井美理という人で

オレの安全な　タイプの女子で　美人だし性格も

清楚(せいそ)で　オレが守らなければ

誰が彼女を　守るんだと思っている。

　でもこの気持ちは　まだ彼女は気付いていない。

　オレは　今年の11月２日で　１６才になる

ごく普通の　高校１年生だと、自分では

思っているんだ。