第四話 冒険より、エドワード殿下…
リナ嬢。
エドワード殿下がそう私の名前を呼んだ気がした。
きっと気のせいだ。
エドワード殿下はラナのことを呼ぼうとして呼び間違えたにちがいない。
「リナ嬢…?」
んんん…?
エドワード殿下が明らかに私の方を見ている。
「もしかして私のこと…ですか?」
「あぁ、リナ嬢。私の婚約者になってくれないか?」
どうやら言い間違いでも聞き間違いでもなかったらしい。
エドワード殿下はラナを婚約者にしようとしていたんじゃないの?
どうして私と婚約なんて…。
「私がリナ嬢、貴女と婚約したいのは、貴女でもよかったのではなく貴女がいいと思ったからなんですよ?」
エドワード殿下が私に語り掛けてくる。
「エドワードと呼んでほしいと考えるのは貴女だけだ。事実、貴女以外には呼ばせていない。」
それは知らなかった。
確かに思い返せばラナも王太子殿下と呼んでいた。
彼の名前を呼んでいたのが私だけだったなんてなんだか嬉しい気分だ。
そんな気持ちになるだなんて、やっぱり私はエドワード殿下が好きなのだろうか。
「一目見た時から愛おしく思っていました。私と婚約してはくれませんか?」
エドワード殿下は恥ずかしげもなく言い放った。
恥ずかしさと喜びが込みあがってきて声が出ない。
私は顔が熱くなるのを感じながらゆっくりと首を縦に振った。
冒険者になることよりもエドワード殿下の婚約者になることを選んで、私は後悔していない。
投稿遅れてすいませんでした。
これにて完結です。