ひそかな思い

　スーツを着た人に負けたくない。

　作業服の周りの人たちを出し抜きたい。

　頭も体も心も不良品なので、本を読むことで劣等感を覆い隠す。

　毎日聖書を読んでいる。一日一回は開くと決めて、十二月頃から読み続けていたので、千ページを超えた。三月までには旧約聖書が終わると思う。

　ほかの本も、ぼちぼち読んでいこうと思う。文学だけが自分のなかに立っている柱だ。地道にいくしかない。

　言葉の年金を積み立てて、将来の糧にする。

　いつか誰かを驚かせたい。