~第三章 一日の終わり~
「はぁ~はっとついたよ。ただいまー」
学園の後者は、なんというかもう、すごくでかくて、どっかのお城かと思った。
普通の家の3倍以上の下駄箱を通り、エレベーターで学園長室のあるという12Fまで行った。
エレベーターも1部屋あるかないかくらいの大きさでびっくりした。
と同時にこのエレベーターはどういう原理で動いているのかという疑問が浮上した。
エレベーターを降り、50mはある一本廊下を歩き、やっとついた。
ミルクさんがノックをし、学園長が「入れ」という言葉を発したときは、学園長はきっと怖い人なんだろうなと思った。
「失礼しまーす」とクリス。
「「失礼します」」と続く二人。
「おう、要件はなんだ。あと今日の下着は何色だミルク」
「真顔で変なこと言わないでください。殺しますよ?」
ミルクさんの顔には怒りマークがついていた。
ミルクさんも人間なんだなぁ、でもこの場合人なのか天使なのかわからないなぁ。
そういえばミルクさんは輪っかがついていないから天使見習いか。
「冗談だ。で要件は?」
「はい、実はこの咲也君という男の子なのですが」
「なにぃ?そいつは女ではなく男なのか?では何故天使の輪っかが。」
「わかりません。学園長に聞けば何かわかるかと思い来たのですが、その様子だと学園長もわからないようですね。」
「すまんな、力になれなくて」
「いえ、では要件は済んだのこれで」
「ちょいと待て。おぬし、咲也とやらはここに来たばかりのようだな」
「はい、そうですけど」
「では、ここの生徒になるがいい。そのほうが主にとってもいいのではないか?」
確かにそうだな。金もないし、ここでの生き方もしらないのに一人旅をしろといったら確実に生きていけない。
「はい。ですがいいのですか。ここまで来るときにみた生徒は全員女子。天使になれるのが女性だけだからここが女子校なのはわかります。そこに男子がいてもいいものなのでしょうか。」
「心配するな。私が何とかする。よいな?」
「はい!ありがとうございます!」
この人もなんだかんだでいい人みたいで良かった。
「では、とりあえず制服だ」
ホイと渡されたのはクリスやミルクさんが着ているような制服だった。
「あのこれは女子用なんじゃ・・・」
「あぁ、すまん。冗談じゃ。だが男子生徒が初めてだからな。少々時間をくれ。おぬし専用の制服を作ってやる」
と言い終えた後、ミルクさんとは全く違うタイプの小ぶりの杖を出し、チョイっと杖を振ったら見事に俺の服が制服に変わった。
「このようにわが校に通えば、天魔法が使えるようになる。おぬしの他に男はワシだけじゃ。よかったの。ハーレムなんて現世ではできなかっただろ。あと、この学園は3年制の学園じゃ。そしてここでは、色々な授業をやる。主に格闘を中心にな。成績は天魔法のランクによって決まる。ランクはS+からD-までだ。そこのクリスはA+、ミルクはS-と二人とも強力な天魔法を使用することができる。ちなみに、この学園の生徒会長はミルクだ。色々と学べ。私からは以上だ。クリス、一年生の寮に案内してやれ。咲也の部屋のカギだ。受け取れ。」
パシっとカギを受け取り学園長に一礼して、学園長室を出た。
「ふぅ~あのおっさんの話なげぇよ」と愚痴るクリス。
何気なく窓の外を見てみた。空があかね色に染まり生徒たちは昇降口から出ている。
「今日は色々とありがとうございました。ミルクさん、クリス」
「いえいえ、明日からは学校があるから学校であったら挨拶ぐらいはしてくださいね」
「はい、もちろんです」
「では、おやすみなさい。」
「あれ、ミルクさんは寮にいかないんですか」
「はい、生徒会の仕事がたまっていて」
「頑張ってください。おやすみなさい」
「おやすみー。んじゃ寮に行くよー咲也ー」
「うん、早く行こう。今日はもう立っているのが辛いくらい疲れた」
それから俺たちは昇降口を出ていった。
校舎から歩くこと1分。一年の寮についた。
「ここまででいいよ。ありがとうクリス」
「うん、じゃあおやすみ咲也」
「うん。おやすみ」
エントラスのところでクリスと別れ、俺は自分の部屋を目指した。
「えーと416、416、あった。ここか」
ガチャとカギを開けるとそこは高級ホテルの一室を感じさせる部屋だった。
そしてそのままベッドにダイブした。
「今日は色々あったから疲れたな。もう寝るか」
そして眠りに落ちた。