~第一章 邂逅~
俺は日本の東京にある都立絹川高等学高の一年生、霧生咲也。学力は上の下くらいで、根本的な頭の良さはいい方だろう。よく友達の種田からは「頭はいいけど性格がなぁ」と言われる。
種田は中学の時からの付き合いで「高校も一緒のところがいい」と種田にせがまれたが、俺は最初からここの学校と決めていたので変えなかった。
結局、種田は猛勉強の末、ギリギリのラインで入れた。
ちなみにこの学校の偏差値は64だが、種田の偏差値は57だ。今度あいつに勉強方法でも教えてもらおうかな。
キーンコーンカーンコーン>
「はぁ。」数Ⅰの授業を終え、残すところSHRだけとなってホッと一息ついた。
「おーい咲也ー。今日暇かー?」来たよホモヤロー種田が。
「すまん。お前のホモプレイに付き合っている暇はないんだ。他の相手を見つけてくれ」
そして種田は真面目な顔で言ってきた。
「いや、決してホモではない。2次元からそのまま出てきたみたいな女子を探してきても中々みつからないから仕方なく、男なのに超をつけていいほどカワイイお前で我慢しているのだ」はぁー、とことん気持ちが悪い。
「あいにくだが俺にはそんな趣味はないから他をあたってくれ」
「いやいや今の冗談だから。そんな腐女子が好みそうなシュチュは俺も望んでないから。フツーに駅前の本屋いこ?」
種田があまりにも哀れな顔をしていたので、仕方なくいってやることにした。
それにしてもこいつホント俺と話しているとき楽しそうだなーっというかニヤケてるな。
これは自画自賛ではなくホントにニヤケているのだ。
これはもうあれだな。気持ち悪いを通り越してかわいそうになってくるな。
あれ、もしかして涙が出てきたか?
ポツンポツンと水が地面に起きてきた。
「うわっ、雨だから中止にするか!んじゃ解散」と種田が提案したので、反対する理由もないのでそのまま帰った。
家に着いたのはそれから10分後くらいだった。
そして人生を変える事件が起きたのがそれから11分後くらいだった。
「由紀ーただいまー」
俺には中一の妹がいる、しかし両親がいない。
中学校に入って間もなくのことだ。
家に帰ると部屋から部屋からは異臭がした。何事かと思い急いで異臭のある部屋へ走った。
そこには、横倒れで腹から1リットル以上は血が出てる母さんと、包丁を片手に持って、狂気のある笑みをこぼしていた父さんがいた。
俺は頭で考える前に体が動いていた。
机の上にあったハサミで父さんの腹めがけて一刺しした。
命中したことを確認したとたん我に返った。
「俺はなんてことを」怖さと悔しさで涙が出てきた。
父さんは腹を俺に刺されても笑みを絶やさなかった。
だけどさっきの笑みとは意味の違う優しい笑みだった。
それから30分位ぼーっとしていた。
妹の由紀は幸いなことに家にはいなく、帰ってきたのも7:00くらいだった。
警察には本当のことを話し、妹には本当のことをいまだに話していない。
父さんと母さんは夫婦旅行にいったことにした。
現実をつきつけるのにはまだ由紀は幼すぎた。
俺の取り調べの時は、妹に「友達の家に止まるからお前はばあちゃんちに行け」という嘘をついてしまった。
警察の判断は正当防衛ということで、俺は少年院にも入れられずこの事件も公にならないまま自然消滅した。
いっそのこと少年院に入れてもらったほうが気が楽だ。
結局父さんがなぜ母さんを殺したのかわからず、由紀もまだ真相を知らない。
「おーい、由紀ー。いないのかー?」俺はこの時なぜか嫌な予感がした。なぜだかわからないがな。
俺は自分の部屋がある2Fまで急いだ。まるであの日のように。
自分の部屋では、目の疑うような光景が広がっていた。
すっかりおびえ返って尻もちをつき、後ろに下がろうとしている由紀とあの日の父さんのように包丁を片手に持ち狂気のある笑みをこぼしていた
「種田!!これはなんの冗談だ!」
「はは、これは冗談じゃないんだ。そうかそうか、お前も邪魔だな。面倒だがお前を消すことにした。」
「どうしたんだよ種田。お前モテないからってとうとう俺の妹にまで手をだそうっていうのか。まったく呆れる奴っっっ!!!???」
「うぐ、助けてお兄ちゃん・・・」
「由紀!!テメェ由紀に!?」
「バイバイ。さっさと消えてね。」
「ぐは」正直痛みは感じなかったと思う。頭の中では延々と「何故」しか浮かんでこない。そして俺は深い眠りについた。