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ワゴン喫茶ノエリエ出張サービス

掲載日:2020/09/13

令嬢、企む?甘ーーーい!!

@短編その82

キリク殿下はお疲れです。

父上である国王殿下が病で伏せって早二年。


私との婚礼も、このために延びています。

20に嫁ぐはずだったのに・・・

ああ、こんなことなら18の時に嫁げばよかった。


と言っても仕方がありません。

殿下は公務やその他雑務でお忙しい。

昨日久々にお顔を拝見してびっくり。

顔悪っ。

あ、違います。

顔色が悪いです。

殿下はとても美男子ですよ。


私は薬師としてちょっとだけ高名です。

だから、18の時はまだ研究のために外国に行っていたので、結婚を伸ばしてもらっていたのです。


「キリク殿下、失礼します」

「ノエリエ、どうした?」

「うふふ。ワゴン喫茶『ノエリエ』、出張サービスで伺いましたわ」

「ワゴン?ああ」


彼女は大きめのワゴンを押して執務室に入る。


「そろそろ集中力も落ちる頃と思いまして。ティーブレイクですわ」


令嬢はメニューと書かれた厚紙を殿下に手渡した。


「このお茶のどれになさいます?」


殿下は婚約者の格好をじっとを見る・・・


「君、お仕着せまで着て・・本格的だね?」

「うふふっ、メイドさんですの」


スカートを両指で摘み、ゆっくりと1回転。


「えーと・・・ノエリエ20%・・?なんだい、これは」

「私のオリジナルブレンドです。すっきりとして喉越しもいいですよ。効能はリフレッシュです」

「ふむふむ。くすっ。ノエリエ50%はどんなものなんだい?」


ああ、殿下が笑っていらっしゃる。

最近眉も寄っていて、しかめっ面でした。殿下が微笑んでいる、それが一番です。


「これは少し体が気怠いな、って時に飲んでいただくといいと思います。頭もシャキッとしますわよ」

「いいね、それ。ではノエリエ70%は?」

「眠気を飛ばしてくれます。なにか集中したい時とかに良いのですが、ノエリエ成分が」

「ノエリエ成分」

「はい。ノエリエ成分が多めですので、あまり連続で飲むのはよろしくありません」

「そのノエリエ成分とはなんなのかな?」

「有害ではありませんよ?」

「だからなんなのかな?」

「・・・・私の」

「うん?」

「気合です」

「気合とか。・・・ぷっ」


・・・もう。食い下がって来ますね、今日の殿下は。

ニヤニヤ笑って、意地悪な顔になってきました。


「愛情とも言います・・」

「おやまあ。嬉しいね。でも、ノエリエ成分が多いと連続で飲んではいけないのは、何故?」

「・・・が付きます」

「ん?」

「キスが付きます」

「ほほう。でも連続は何故ダメかがわからないなぁ」

「・・・・・主に私が・・照れます」

「それが見たいなぁ。じゃあ、最後のノエリエ100%は、70よりも凄いのかい?」

「私がキリク殿下のお膝に乗って」

「んへ?」


殿下、意表な内容に、間抜けな声を漏らしました。


「キリク殿下のお口に・・・口移しで飲んでいただきます・・・きゃぁ」


令嬢、両手で顔を隠しましたが、手で隠れていない部分は真っ赤に染まっています。首も真っ赤です。

殿下、しばし黙っていましたが・・・


「じゃあ、ノエリエ100%を頂こうかな」

「・・・・はい」


令嬢はお茶の用意を始めます。

良い香りのフレッシュハーブをポットに入れ、お湯を注いで。

そして1分ほど成分が湯に行き渉るのを待ち、カップに注いて。


「お待たせしました」


殿下の執務デスクにティーカップを置き、


「失礼します。よいしょ」


彼の膝に乗って、横抱きな格好に収まって、カップを手にして一口含むと殿下の両頬に両手を添え、引き寄せて・・

こくん。彼の喉を、爽やかな風味が通ります。


「・・どうでしょう?」


もう顔は真っ赤っか、令嬢は殿下の顔を見られない。下に視線が向いています。


「こっちを向いて?ノエリエ」

「やです・・」

「こら、こっちを見て?」


無言の令嬢は、彼の胸に顔を埋めてぎゅうとしがみ付きます。

殿下は苦笑して・・そっと抱きしめます。


「御免ね、ノエリエ。結婚が延び延びになってしまって。君と会うのも週に1、2度だ。君に寂しい思いをさせてしまっている。これからもこうしてお茶を飲みたいな」

「はい・・・でももうノエリエ100%は終了です」

「え?どうして?俺はこれ単品で構わないけれどな?それに」


殿下は強引に、彼女の顔を上に向かせました。


「こんなこと企てるくらい、俺とキスしたかったんだろう?ノエリエ」

「〜〜〜〜・・好きぃ」

「俺も大好きだよ、ノエリエ」



こうして、3時のティータイムは日課となりました。

これで公然とイチャイチャ、おっと。


ちなみにノエリエ100%の効能ですが、疲労回復、体力強化、そして僅かな媚薬効果です。




思いつくまま、ほぼ1日1話ペースで書いてたけど、そろそろペース落ちるかな。

9月は『令嬢』がお題。

タイトル右のワシの名をクリックすると、どばーと話が出る。

マジ6時間潰せる。根性と暇があるときに、是非

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― 新着の感想 ―
[一言]  あまーい、お話ご馳走です。  イチャイチャぶりに、思わず赤面です。  はんばーぐっ!(?)  読ませていただきました。  ありがとうございます。
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