そのnana
初日の訓練を終えて希暗と別れた俺は瑠奈を探しに行くことにする
ちなみに瑠奈は俺の数少ない友達のうちのもう1人でありオタク仲間でもある
そして高校入学してすぐに出来た初めての友達だ
出会い方は希暗と似ているが何やかんや1番仲良し
そんな俺は訓練場を出てこれからの予定をぼんやりと考えているうちに気がついたら迷ってしまっていることに気づく
(あーれーおっかしいなぁー、普通に広間に向かってるとおもったのになぁ。まぁこのお城広いから迷うこともあるか。でここどこだろな、全くわからん。まぁ最悪スキルに頼ればなんとかなるっしょ)
なんて思いながら適当にふらふら歩いていると少しひらけた中庭のような場所に出る
そこには如何にも貴族のような雰囲気を醸し出しながら侍女っぽい人を連れて1人お茶ようなものを飲んでるどっかで見たことあるような女の子がいたのでとりあえず俺は話しかけてみることにした
「すいませ〜ん、ちょっと道に迷ってしまったんだけど広間か食堂ってどうやっていけばいいか教えてくれない?」
と敬語とタメ口が混ざった感じで言う
するとその侍女っぽい人が
「王女であるフロリア様に向かってなんて無礼な言葉使いを!」
と突然怒り出した
それを聞いた俺が
(あれ?なんか見たことあるとおもったら王様の横にいた王女様だったのか。えっ?もしかしなくてもちょっとピンチ?)
とか呑気に考えてたら侍女が
「黙ったまま謝罪もないなんて!フロリア様、私は少し兵士を呼んできますので。あの不届き者を即刻処分します」
とかいい出したので
「マジでさーせん!」
といつかやろうと思っていた空中3回転半捻りを加えたジャンピング土下座を披露してみたところ身体能力が上がっていることもあって容易く出来てしまう
すると
「……っあはははは。わたしっはじめてみました、そのような謝罪の仕方っ」
と俺の華麗なる土下座を見た王女が急に笑い出したので侍女は二重の意味で戸惑いを露わにしている
そんな王女と侍女を俺が生暖い眼差しでみていると
「ごめんなさい、久方ぶりに面白いものを拝見させていただいのでつい声に出して笑ってしまいました。わたしの名前はフロリア、こちらの侍女であるリアの言ったとおりこの国の王女をしています」
とまだ少し笑いながら話しかけてきたのでこちらも挨拶を返しておく
「こんにちは。俺の名前は呂阿で、異世界人…です。これは俺がいた世界での伝統的な謝罪の方法だ。多分他の奴らも同じ事をすると思う」
と大嘘をついておいた
この時の俺はこの言葉のせいで誰かに迷惑が被ることなんて想像もしていなかった
するとフロリアが話しかけてきてくれたので俺はそれに答えていく
「訓練の方は終わられたのですか?恐らく経験がない方には結構きついかもしれませんでしたが体調のほうは大丈夫ででしょうか?」
「はい、さっき終わり…ましたよ。元の世界でも俺はある程度鍛えていたからあれくらいなら大丈夫大丈夫、モーマンタイ。まだ戦闘実践のほうはしてないからこれからはどうなるかわからないけどね」
「そうなのですね、無理をなさらずに頑張ってください。それに魔力の方もそちらの世界ではないとのことなので大分苦労するはずですのにあなたは凄いのですね」
「まぁこれでも能力の方は他の奴らから比べたら低いんだけどね。多分相性が良かったんだと思…います。きっとこれからどんどん抜かれていくよ」
「私達からみたら異世界人の方はどなたも高い能力を持ってるのできっとあなたもこれからどんどん成長していくはずですよ。伝承でも例外なく異世界人の方々は成果を発揮なされたそうですので」
「そうだといいな。えーと、少し話が変わるけど王女様はここでなにをしてたん…ですか?」
「わたしは晴れの時はいつもこの時間ぐらいになるとここでリアとお茶をしてますね。あとは読書を嗜む程度です」
「王女様って他にはどんなことしてるんだ?」
「基本的に王城から出ることも出来ないので部屋で国政の勉強や魔法の訓練、後はたまに来る貴族のお友達とお茶会をするくらいですね」
(ふーん、魔法を使えるのか・・・ちょっとステータスを見させてもらうとするかね)
と考え俺はささっとステータスを見る
名前 フロリア・スイリア
種類 人間
役職 スイリア国王女
体力 D
筋肉 D(-)
魔力 A
物防 D
魔防 D(+)
俊敏 E
知力 B
運 A
技能・・・水魔法Lv3、風魔法Lv2、光魔法Lv3、回復魔法Lv3、錬金術Lv2、政術Lv2
固有技能・・・女神の祝福
女神の祝福…………光魔法と回復魔法が上級まで使用可能、魔力の上昇
と普通にこの世界だと強い部類だと思われる
特に魔法が4種類使えるのは稀だろう
(王族だけあってかなり良さげな能力だな。てかこの世界の神なんかも調べとかないとな。あとあと重要になるかもだし)
「やっぱり王女様となるといろいろ大変だな。てことはいつも1人ぼっちで過ごしているってことか?」
「大抵リアと2人ですね。貴族のお友達も少ないですし…。貴方達はみんな仲良さそうですね、少し羨ましいです」
「そんなことないな。実際俺なんて友達まったくいないようなもんだし。所謂ぼっちってやつだ」
「ぼっち…?貴方も友達が欲しいんですか?」
「いないよりはいた方がいいね。やっぱり話し相手くらいは欲しいよ誰でも、多分Maybe」
「そうですか…。ではわたしの話し相手…というよりお友達になってくれませんか?」
と言われたので
「俺で良ければいいよ」
と特に何も考えずサムズアップして即答した
相変わらずノリで生きている気がする
すると王女は笑顔になり
「ありがとうございます!それで…友達になったのですからあなたのこと名前で呼んでもいいですか?」
「いいよ、なら俺も王女様のこと名前で呼んでもいいか?」
「はい。では呂阿様!これからよろしくお願いしますね」
と満面の笑みで言われたので
「こちらこそよろしくなフロリア」
と返しておいた
何故か様付けされたけど悪い気もしないので何も言わないでおこうと思う
そしてその後俺は当初の目的もすっかり忘れ、自己紹介や身の回りの話などをフロリアと話し込んでしまい気がつくとすっかり夜になってしまっていた
ちなみにその間俺とフロリアに放置されていたリアはなんでこんな感じになっているのかわけもわからず唖然としていた様子
そんなこんなで話も終わりを迎える
「それじゃあそろそろ飯くいにいってくるわ。また明日なフロリア」
「はい、また話しましょう呂阿。リア、悪いけど呂阿様を食堂まで案内してあげて」
そう言うとフロリアはどこにいってしまい、その場には俺とリアだけが残された
……To be continued →