その3
(ウーン、基本的に王道な異世界ものだったら多分いじめられっ子の希暗がハズレ枠引く可能性あるんだよなぁ、多分後から覚醒するかもだから当たりといえば当たりなのかもだけど。いや純粋なハズレ枠の可能性もあるからえげつないのか)
なーんて俺が呑気に考えている希暗だが、彼は俗に言うボッチでいじめられっ子である
希暗は背が平均より少し小さいくらいで容姿は至って普通
だがオタクでありもやしっ子のようなので近藤達不良グループの的にされているのだ
しかしもっと別の理由が会ったりもする
希暗は学校のマドンナ的な桜前と幼馴染みであり仲が良い(というより誰から見ても桜前は確実に希暗に対して好意を持っている)ので桜前の事が好きである近藤から目の敵にされている
ちなみに遠山も桜前のことが好きである
なので希暗と桜前が話をしているのを近藤と遠山の2人が見ている様子を俺は笑いを堪えながら見てたり
だがそんな希暗は俺の数少ない友達でもある
出会いのきっかけはオタク趣味関係のことだったが、噂にも関わらず俺と接してくれる心優しいやつであり昼飯とかも一緒に食べていた
だから希暗がハズレ兼当たりを引いたら序盤は色々と手助けをしよう
2人共ハズレなら仲良くgameoverだな
その時は人生のゴールテープを切れる気がする
とかなんとかそんなことを考えた俺が
(とりあえず自分のを見てみるか)
と思った矢先、近藤達が騒ぎ始めた
「おい、みんな!こいつのステータスみてみろよ、雑魚すぎて話にならないぜ!」
「異世界人なのにこの世界の一般人以下とか無いわ〜。まじで役立ずって感じ」
「こんなの戦場でたらすぐ死ぬだろ。まぁ黒晴だから仕方ないよな」
と近藤らトリオがはやし立てる
気になった俺が希暗のステータスを見てみると
名前 黒晴 希暗
種族 人間
役職 農民
体力 F
筋力 F
魔力 F(-)
物防 F(-)
魔防 F(-)
俊敏 F
知力 F(+)
運 F(-)
技能・・・農耕Lv1、採取Lv1
固有技能・・・言語翻訳、????
とステータスが最低レベルな上に技能もたいしたことなく固有技能持ちではあるが不明である
だが何故か近藤達、どころか他の誰もが正体不明の固有技能のことには全く触れてない
(あの不明なやつが後々の覚醒するために使うやつなんだな、どうやって使えるようになるのだろうか。いろいろと条件試してみたいといけなさそうだな)
そう考えてるとまだ近藤達は黒晴を罵っていたよう
それでそれに対しいつものパターンが発動されたみたいで
「やめなさいよあんたち!これから急成長していくかもしれないじゃないの」
と桜前が近藤達にキレかかっており、そんな桜前を
「ちょっと、落ち着いてよ玲奈」
と必死に希暗が宥めているがあまり効果がない
こうやって桜前が希暗を庇う度に余計に黒晴にHATEが集まっているのだが桜前は気づいてないようだ
俺はそんな希暗達の様子をみて
(まぁ明確なハズレ枠じゃないっぽいし、多分何とかなるんじゃね。それじゃあとりま適当に俺の能力でも見ておきますかね)
と俺は呑気に構えて自分のを見てみると
名前 神楽 呂阿
種族 人間(仮)
役職 脇役(笑)
体力 SSover
筋力 SSover
魔力 SSover
物防 SSover
魔防 SSover
俊敏 SSover
知力 SSover
運 Error
技能・・・鑑定Lv5、看破Lv5、隠蔽Lv5、偽造Lv5、調合Lv5、錬金Lv5、隠密Lv5、感知Lv5、探索Lv5、調理Lv5、商術Lv5、採取Lv5
固有技能・・・言語翻訳、加速思考、並列思考、万物創造、武王、魔術王、超再生、超回復、状態異常全無効
加速思考………思考速度が常人の約1万倍まで引き上げられる
並列思考………2つ以上の物事を同時に考えることが可能(現在は2つまで)
万物創造………頭で想像することで無機物かつ自身の身体の体積より小さいものを魔力を消費することで作成可能、なお意識をすると作りだしたものを消すこともできる
武王………戦闘系の技能全て使用可能
魔術王………存在する全ての魔法を詠唱無しで使用可能、また新規の魔法作成も可能。また威力は使用魔力量、練度に関係する
超再生………身体の全てが1度に消滅しない限り回復する。但し回復速度は残存魔力量に依存する
超回復………一定時間事に体力と魔力が大幅に回復する。意識が覚醒していない時は発動しない
状態異常全無効………ありとあらゆる状態異常を無効化する。風邪等の病気にすらもかからない
(えっ……………????????)
これを見た俺はきっかり五秒思考が止まった
(なんだこのステwwwwwチート過ぎるだろwwwwwwしかも人間辞めかけてるじゃんよー……何このパターン。しかも俺だけ役職ひどくね?、、、でも俺だけでこの国簡単に救えるよなこれ……てかやろうとは思わないけどこの世界支配できそうな…。ま、まぁとりあえず隠蔽して別のステが出るようにしとかないとやばい気がするな・・・にしてもこれは強すぎね?)
混乱しつつも能力のおかげが一瞬のうちにそう考えた俺はとっさに隠蔽スキルと偽造スキルを使い無難な感じのステータスを作り上げる
名前 神楽 呂阿
種族 人間
役職 剣士
体力 C
筋力 C
魔力 D
物防 C
魔防 D
俊敏 C(+)
知力 C(-)
運 E
技能・・・剣術Lv2、回復魔法Lv2、鑑定Lv2
固有技能・・・言語翻訳
(とりあえずこのステでボロがでないようにやっていこう、しばらくしたらこの国から離れて色んなとこを旅してみるか。でもそうしたら希暗のことが心配だな、多分覚醒するまでは結構ギリギリな感じだろう。よし、後でそれも含めじっくり考えるか……普段の俺らしくもないけどな)
などと色々考え込んでいると
「異世界人の皆様、能力確認も終わったと思いますので次に我が国の王に謁見して頂きます。そこで今後どうするかなども話していく予定ですので我々に付いてきてくだされ」
と言われ遠山を筆頭にしてクラス一同がこの国の人々についていったので、さりげなく俺は1番後ろを付いていくことにしたのであった
……To be continued →