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其の十四



身体を貫かれ死んだふりをした俺は全員が転移を終えて誰もいなくなったのを確認してから立ち上がる

勿論剣に貫かれるのもわざとやったので少しばかり痛かったがこればかりは仕方ない

それより身体の硬さも自由調整できるとは驚きだった

力を抜けば容易く剣なんかがささり、逆にを込めると剣を砕くといった具合でだ

ちなみに暗黒騎士程度の攻撃では普通の状態でも傷一つつかないのが一撃受けてみた時点でわかったのでさっきは全力で脱力しておいた

その結果無事上手くいったというわけだ

そんな俺はゆっくりと起き上がると


「さてと一芝居打つことになったけどこれからどうするかなぁ。まっとりあえずこいつらを掃除するか」

と独り言をいいつつユニークスキルで両手に剣を作り出す

このスキルも1ヶ月の間に試しまくったのでもう生成するのも慣れたものだ

そしてこの部屋の掃除&一方的な蹂躙をはじめるべく行動を開始する

まず最初に暗黒騎士へと狙いを定めた俺は一瞬のうちに暗黒騎士の眼前へと移動し剣を構える

暗黒騎士も応戦するために剣を振り上げるがもう遅い

一思いに縦と横に切り4等分してやった

その後スケルトンたちを呑気に歩きながら薙ぎ払いつつ基本的には消せないはずのダンジョン内の魔法陣を特殊魔法・消失ディレイによって消していく

この魔法はさっき感覚で作り出してたり

そうして1分も経たないうちにこの部屋の動くものは俺だけとなった

そんな俺は静かになった広場で剣を消してから座り込み一人これからのことを考える


(さて次はどうするかね…。予定というか必要なことしてたら多分全部の国を巡って情報が集まるまではこの国に戻ってこれないしな。とりあえずこのダンジョンでも踏破して見るか……。でも100層近くも降りるのめんどくさいなぁ)

とかなんとか思ったので適当に床をぶち抜くと最下層いけるんじゃね?と考えた俺は床をぶち抜いてみるために床に向かって全力で拳を突き出す

すると大きな破壊音のあとに部屋の下に大穴が見えたのでどうせ大丈夫だろうと思いながら上級風魔法・飛行フライを使い穴の中へダイブした





暫く降りていくとやっと床らしきものが見えたので着地して辺りを見回してみると怪しげな光が見えていたのでそちらへ行ってみることにする

この時俺は慢心しまくっていて頭の中に警戒という文字は無くなっていた

その光の方へと5分ほどふらふらと歩いていくと頑強そうな大きな扉が俺の目の前に現れる


(何層か分からないが扉ってことは多分ボス戦だよな。まぁ一応警戒して入ってみるか)

と思って扉を押してみたがかなり力が必要そうでめんどくさかったので全力で蹴破って中に入り


「お邪魔しま〜す」

と一応声をかける


(まぁ返事なんて帰ってくるわけ……)

と思ってたら


「やっとここまでたどり着く者が現れたようじゃのぉ」

と聞こえて来たのであわてて身構える

声の主の気配は今の俺ですら感じられたなかった

つまり今の俺よりも強い可用性があるということだ

するとそれを見た声の主に


「これこれ、そんなに警戒するでない。私は特殊魔法・現像投影メモライズによって作られとる映像じゃよ」

と言われたのでよく見てみると確かに身体が透けているように見える

多分ホログラム的な何かだろう

だから気配も感じなかったのかと1人納得する

なら問題ないかと考え俺は謎の老人(?)に話しかけてみる


「あんたは誰なんだ?あとこのダンジョンは80層まで到達されてたみたいだがここは何層なんだ?」


「わしの名前はヨデル・ハイセン。一応公式では最高到達層は80層となっているかもしれんがここは第100層、つまりこのダンジョンの最下層じゃよ」


「100層?どうして記録に残ってないんだ?それにここに到達できた爺さんは何者なんだ?」


「それはわしがここで力尽きたからじゃよ。歳も考えずにひたすらにこのダンジョンに潜って辿り着いたのはいいが帰りのことを考えてなくてのぅ。ここで呆気なくぽっくり逝ってもうたわ。それに聞いたことないかの、わしは三種族間大戦での人間国で英雄と言われてる者じゃよ」


「それはアホだろ爺さん。てかその英雄ってこの本にのっているやつのことか?」

そういいながら俺は魔法の袋からフロリアから借りた1冊の本を取り出す


「どれどれ、ちょっと貸してみぃ。・・・ふむふむ、かなり脚色されとるがわしのことで間違いないだろうな」


「人間の英雄の死因が凡ミスなんて誰も知りたく無かったな…。それで爺さん、なんでこんな魔法つかったんだ?」


「それはわしの知識がこの後の厄災に備えるために必要になることがあると思ってのう」


「100層なんてこれる奴なんて俺みたいなイレギュラー的な存在じゃないと無理じゃないのか?いくら此処で待ったって」


「じゃが100層まで来れるような者じゃないと厄災の阻止に動くことなんてできんからのぅ。だから丁度いいんじゃよ」


「そんなに難しいのかそれは…。で俺に全てを託して話すと?」


「残念ながら説明してる時間はないわい。全てお主に知識として渡すからこの世界を救ってやってくれんかの?」


「ああ任せろ、俺達は無事に元の世界に帰らないといけないからな。そのためにはこの世界くらいかるく救ってやるよ」


「なんじゃお主も異世界人じゃったのか」


「っ!?てことはじいさんも?」


「そうじゃ、日本という国から召喚されたわい」


「俺も日本からだ。爺さんは1人でこの世界にきたのか?」


「そうじゃの。お主の他にも何人かいるのか?」


「ああ30人ほどな。だから余計にこの世界を助けなくちゃならないな、友達のためにも(少ないけど)」


「そうか、ならお主に任せるわい。ではいまからお主にわしの全ての知識を授ける。それではわしの手を握ってくれ」

そう言われ手を握ると爺さんが


「特殊魔法・知識譲渡リベリオン

と言うと頭の中に大量の情報が流れ込んできた

それをユニークスキルを使い忘れないように整理していく

そして全ての知識を俺に与え終えたのを確認すると


「それでは時間のようじゃの……。どうか宜しく頼んだぞ未来の英雄よ!」

そう言い残すと過去の英雄ヨデルは消えていった







……To be continued →

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