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就職先は王宮魔導士団

 結局、卒業パーティーは華やかに終了し、断罪もへったくれもない。

 お貴族様の子息令嬢、皆が皆、将来の王子妃を称え、幸せオーラ全開の締めくくり。

 私の存在は学園きっての誇るべき大変優秀な生徒として終了、チーン!


「……攻略するつもりはなかったのに回避できなくてごめんなさい」


 パーティー最後で突如アナベルに握手を求められ、そっと優しく耳打ちされた。

 攻略という言葉で心臓が跳ねる。やっぱりおかしいと思ったんだよね。

 これってアレかぁ~? うん、アレだよね?

 悪役令嬢は転生者! ってヤツだ。

 ゲーム知識のある人が悪役令嬢に転生しちゃって奮闘し、悪役から脱却するっていう。

 かなり前からの根回しで立派な貴族令嬢へと成長し、善人へと生まれ変わってしまった。

 しかも先に起こるであろうイベントを回収されたことによって私は何もできなかったってオチ?

 こんなところで知らぬ間に流行りもの設定に乗っかっていた私の存在って!


「あ、あのちょっと、待って……!」


 そのことに気付いて後を追おうとしたものの、アナベルは攻略対象者たちに囲まれ、遠ざかって行く。


「私にも握手をお願いいたします!」


「これからの活躍も期待してますわ!」


 あっという間に卒業生たちに囲まれ、称賛を浴びつつ、別れを惜しまれた。

 こうして私の「魔法と恋のスクランブルライフ♡」はエンディングを迎えた……。


 ってか、これからどーすりゃいいのよ!

 この3年間、攻略といえる攻略もできずにただただ自力で魔法に関してスキルが爆上がり。

 平民のくせに魔法ではトップの成績を修めてやったし、能力はチート級だから当たり前。

 そのせいで総代を務めるまで上り詰めてしまった……。

 だけどまほスクは必ず誰かと結ばれるENDなのにどうなってんの?

 6人の誰かと幸せになるのが肝なはずの恋愛ゲームだったのに。

 最後は攻略対象者全てをアナベルがゲットしたハーレムエンド。私は一人。

 せめて今世では恋人を掴み楽して幸せになりたかったよ、ぴえん。


 けど、訳が分からずとも周りが放って置かないのが現実。

 高度な白魔法を習得しちまったという優秀な私はなんとスカウトされるんだな、これが。

 卒業後の就職先はなんと王宮魔導士団。

 魔法学校でもAクラス出身の上位者で推薦でしか入団を許されないという最高峰。

 お貴族様といえどなかなか就けないという憧れの職業。

 ある程度の魔力や才能がないとやっていけない難関な職場らしい。

 つまりは前世でいう国家公務員みたいなところで安定で高給。しかもエリート扱いされる。

 ほぼ平民なんか踏み入ることがない場所ということで異例の待遇だったし。

 まあ、それもこれもヒロインという立場でこのチート級な能力を高めたおかげ。

 恋愛する間もなく各パロメータだけを上げたんだから当たり前か。

 ちなみにアナベルは高度な光魔法習得に限界があったらしい。

 これは正ヒロインでない弊害なのかもだけど光適性を強められただけでもすごいよね。

 もう学園から離れたけれど将来の王子妃だし、会う機会があればちゃんと話してみたいな。

 とりあえずは王宮勤めが始まることだし、これからが何かのスタートだと期待するよ。

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