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よくある展開、なんだけど?

 貴族という特別な階級が魔力を持つ西洋風の世界観。

 ごくごく普通の平民として、それも身寄りのない孤児として育った女の子。

 ある日突然、魔力の持ち主だということが判明した。

 そして貴族主体が通う魔法学校への入学がとんとん拍子に決まっていく。

 ここから繰り広げられる恋愛模様。

 そう、ここは乙女ゲーム、「魔法と恋のスクランブルライフ♡」の世界。略してまほスク。

 私はユナ。名前が斉藤夕奈だからそう入力したはず。デフォルト名だったらアイラだったかな。

 その実態は人材不足による過酷な労働で若くして生涯を終えたらしく、どうやらこのまほスクの世界に転生しちゃった様子。

 でもこの手によくある話の、何故ヒロインに転生じゃないの? 的な要素は皆無に等しかった。

 何のひねりもなく、可愛らしく前向きで努力家なヒロインであるゲームの主人公だったというオチ。

 まほスクはアイラが魔法学校に入学して生活していく中で、様々な嫌がらせに合いながらも魅力的な男性にアプローチを受けたり、優秀な成績を収めつつ成長することで平民が成り上がっていくようなシンデレラ・ストーリー。

 要は健気な姿に手を貸してくれる攻略対象者と妨害する悪役令嬢がいる学園恋愛シミュレーション。

 魔法を覚えたり、魔力量を増やしたり、テストや実技、行事ごとやお小遣い稼ぎのアルバイトなどをこなして各種パラメータを上げていくことがキーポイントとなっている。

 ただ会話の選択肢だけで成り立つわけではない作業が盛りだくさんの内容となっていた。

 攻略対象者は定番といえる王子エリン、宰相の息子カミル、騎士団長の息子レオナルド、公爵令息ノア、教師ジョージの5人とその5人攻略後のエクストラキャラ(おまけ)で平民の同級生カイルの合計6人いる。

 当時は同じようにプレイする友人もいてハマったキャラとの思いを語ったっけ。

 私はありきたりで正義感溢れるカッコいい王子にハマってたな。

 一定の需要はあったけど、残念ながらごくごく内輪で盛り上がってた程度の知名度。

 それでも攻略対象を全クリし、余すことなく楽しんでいたつもり。

 もちろん内容はばっちり憶えていてイベントや分岐なども見飽きたぐらいやり込んでたし。

 兎にも角にも私にとってはよく知っているゲームだったのは間違いない。

 だけどこの世界で産まれてから暮らしていく中で時折違和感を覚えつつも完全に溶け込んでいたみたい。

 魔力判明の際、突如として見たことのあった雰囲気にすぐに気づいて把握した感じ。

 あれ? これってまほスクでヒロインの魔力が判明したシーンじゃないの? と。

 それから一気に記憶が蘇り、現状ではあっという間に平民の期待の星として担ぎ上げられて今に至る。

 ついには学園入学によってスタートとなる乙女ゲームの世界。

 それが今、繰り広げられようとしていたわけで……。

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