星は優しく哭く
空から降り注ぐ無数の雨は
強く叩きつけるような音を
辺り一面に覆い被せて
ただ一点に立ち尽くしている
私の小さな小さな声など
無かったようにかき消していく
私が悲しみ流す涙は
星の抱える慟哭よりも
ずっとずっと小さくて
どれ程声を上げたところで
星に届くことはない
それでも小さな私には
引き裂かれるような痛みを伴い
消えることない傷痕は
暖かい水を流し続ける
私の抱えた悲しみは
私だけのものだけど
私の上げたこの声は
私だけのものだけど
誰に届くこともなく
星の嘆きに呑み込まれていき
消えてしまうことだけが
言葉にできない悲しみを呼ぶ
ねぇ、哭いている星の子よ
あなたの嘆きは私が聞くから
私の嘆きを受け入れてほしい
あなたの嘆きのその内に
ほんの少し響かせるだけ
ただそれだけで構わないから
そうして私の知る悲しみが
世界に少し交わるならば
私はそれで十分だから
星は答えを返す代わりに
ほんの僅かなときの間
嘆く声を弱めてくれて
代わりに私の嘆きの声が
空を衝くように響き渡る
それはほんの数瞬のこと
それでも確かに声は響いて
声は空へと溶けて交わって
失って得た悲しみを
星は確かに受け入れてくれた
空から降り注ぐ無数の雨は
強く叩きつけるような音を
辺り一面に覆い被せて
ただ一点に立ち尽くしている
小さな小さな私のことなど
いないように塗り潰してく
それでもあなたの持つ優しさは
これだけ深い慟哭の中でも
私のために示してくれて
私はその優しさだけで
きっともう一度笑えるだろう
あなたの慟哭が終わる頃には
この厚い雲が晴れるときには
あなたにもらった優しさ分まで
笑顔で空を見上げていたい
星の嘆きは
私の中に積もった悲しみを
洗い流すためのものなのかもしれない
私がどれほど声を上げても
誰にも届くことのないように
流れ続けるこの涙を
覆い隠してくれるように