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interlude 運命の人に出会うこと。
一目惚れ。
一目惚れってやつは。
まったくもって、本当に厄介だ。
ボクは思い知る。
ボクのことも思い出も何もかも忘れてしまった月ヶ丘祈子の顔を見たら、きっと泣いてしまうと思っていた。でも、涙が出なかったのだ。
だって。
並木道に佇んでいた祈子は、本当に綺麗で。
馬鹿みたいに見とれてしまうくらいに、天使みたいに美しくて。
ボクは何度も。
何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。
──何度でも。
ボクは月ヶ丘祈子に恋をすると、思い知らされてしまったのだから。