異世界転生バスターズ。
吾輩は神である。名前は神である。どこで生まれたか、とんと検討が付かぬ。なんでも光り輝く世界で、パーパーラッパを吹き鳴らされていたらしい。
吾輩、此処で初めて異世界転生なるものを見た。
「時に主神様。」
「何かね、気分良く冒頭をねつ造している最中に」
副神が現れると、雲に穴をあけた。
「これをご覧ください」
因みに吾輩たちは、地球の日本上空、雲の上に居る。
「何だね、ああ、また異世界スカウトかね?」
「はい、左様で」
「最近多すぎないか?というか、轢かれすぎじゃないか」
「あれなるサラリーマンも今、まさにトラックに轢かれる瞬間かと」
「ふむ、では、サラリーマンのスーツを、アーティファクトS級にチェンジ」
「畏まりました。神様ぱわぁぁ!!」
稲妻が迸ったような、衝撃、まさにこれこそ、神の御業という感じであろう。
「主神様」
「何かね、副神君」
「成功しましたが、トラブル発生でございます」
「何か?」
「はい、スーツが強すぎてトラックを破壊。結果トラックの運転手がブラック企業で働かされて、睡眠不足の事故という事で、異世界に運ばれました」
「ふぁぁぁ!? そう来たか、やりおる」
「ご覧ください。あの娘、間もなく過労死します」
「いやいや、現代社会の過労死は社会問題なのだが、なぜこんなに」
「とにかく、如何いたしましょう?」
「よし、あの娘の体力を無限回復せよ」
「はは、畏まり!!神ぱわぁぁぁセカンっ!!」
うむ、まさに神の光。これは素晴らしい奇跡だ。
「主神様」
「何か? 副神君」
「デスマーチ進行の業務を、難なくプログラミングしてしまった娘の次の部署の娘が過労死いたしました。しかも、二人」
「ふぁぁぁ!? そうきたか」
「主神さま、あの者、間もなく電車にひかれます」
「電車を止めよ」
「神ぱわぁぁぁ!!」
うむ、良い光だ。まさに神、これぞ神。
「主神様」
「で、今度はどう言うどんでんかね?」
「電車を止めた結果、慣性の法則で、中が凄い事になり、一杯転生しました」
「もうええわ」
完