買い物
「すごい、本物の武器がたくさん」
「当たり前でしょ。武器やなんだから。さっ、
ここで貴方の装備一式揃えるわよ」
シンシアに引きずられて来たところは武器屋さん。にしてもリアルで剣とか魔法の杖、防具を見ることが出来るとは。
「ほら、眺めてないで自分のあった武器を探すわよ」
「あの、探すと言われてもどのような基準で選べば良いのか解らないです」
「あら、簡単よ。試しに武器を使える部屋があるからそこで少し使って見て自分が使いやすいと思った物を買えば良いのよ」
なるほど。服でいう試着室みたいなものかな。それじゃ、一通り武器を試してみよう。
まずは、剣。
「お、重い。想像をはるかに越えて重い。」
「何言ってるの。剣何てそんなものよ。」
いや、だって、異世界転移とかのラノベとか急に転移したにも関わらず、すぐ冒険者とかになって剣振り回したりしてるじゃん。だから、そんな重く無いのかなとか思ってたけど普通にそれなりの重量ありますよ。まぁ、想像してたより重いけど振り回せない程では無いと思う。たぶん。
次は、杖。杖を持ったのは良いけど
「どうやって魔法は使うのでしょうか?ていうか僕は魔法がまず使えるのでしょうか?」
「そういえば、まだ魔法の属性検査をしてなかっわね。ちょっと待ってね」
シンシアは自分のバックから何か石のような物を出し僕に渡してきた。
「これは?」
「それは、魔法石といって魔法の属性検査する物でそれに触れると自分の持っている属性の色に変化するのよ」
しばらく待ったが、何の変化も見られない。
「あの~何も変化が起こらないんですけど、どういうことでしょうか?」
「そんなの決まってるじゃない。何の属性も持って無いということ。つまり、魔法は何も使えないってことね。」
マジですか。魔法か何か使えれば生存率は少しでも上がると思ったのに。ていうかさ異世界って言ったら魔法でしょ。普通に使ってみたいじゃん。けどまさかの魔法が使えない。でも仕方ないのかなぁ。もともとここの世界の人じゃないし。ッてか本当に僕は直ぐに死んでしまうのではないだろうか。異世界に来て魔法も使えない、武術をやっていたわけでもないし、ましてや戦闘経験なんて無いのに冒険者なんて絶対に直ぐに死んじゃうよ。確実に。
「ほら、次の武器使って」
ある意味絶望していたらシンシアに杖を取られハンマーらしき武器を渡される。
「えっ、ちょっ重っ、うわぁぁぁ」
ドスン!!
「何、やってるのよ。だらしないわね」
余りの重さにバランスを崩して倒れてしまった。重っ、滅茶苦茶重たいんですけど、絶対普通の一般人男性が持てる重量じゃないって。何故シンシアは持てるんだ?
「はい、倒れてないで次はこれ」
一人疑問を抱いていると次の武器を渡された。弓矢だった。今まで使ったこともないのでシンシアに一通り使い方を教わってから弓矢で矢を放ってみる。
「あんた一体何処狙ったらあんな所に矢が刺さるのよ?」
物凄い呆れた顔でシンシアが僕を見る。シンシアさんそんな目で見ないでくれ。うん、矢は普通に放てたんだけも放った矢は的に当たることなく何故か天井に刺さっている。いや~矢を引くのにかなりに力が必要で矢を引くことだけに意識していたら狙いが明後日の方向になってしまったらしい。ていうか弓矢は僕には向いていないと思う。だって矢を放てたとしても後2,3回が限界なんだもん。もしかしなくても僕、体力無さすぎ?。まぁ、今までの体育の成績は下の中、位だったからな。
「はぁ、唯一使えそうな武器は剣ね」
「そうだね。魔法は使えないから杖は無理だし、ハンマーは持つことすら出来ないから論外、弓矢は練習すれば的に当てることは出来るかもしれないけどモンスター相手に考えると一回矢を放ってから次の矢を放つ間に確実に殺されると思う。」
「それじゃ、貴方の武器は剣で決まりね。次は防具を買うわよ」
シンシアに適当に防具を見繕ってくれたが、
「あの、シンシア、これを着けたまま剣を扱う何て出来なさそうなんですが」
「あんた、どんだけ体力ないのよ。」
「すみません」
とても、シンシアから冷たい目線で見られる。だって仕方ないじゃないか!今で何かスポーツしてた訳じゃないし、今まで受けた体力テストも平均かそれ以下の数値しかだしことないんだから。
「まぁ、しょうがないわね。耐久性は落ちるけど一番軽い防具を買いましょう」
「それでお願いします」
何とか僕が冒険者になるための買い物は終わったけど、本当に不安しか残っていない。この世界を楽しむ何て始めは思ったけど生き残れるのだろうか。