この世界
あれから僕とシンシアは(シンシアさん呼ぶと注意されるのでシンシアと呼んでいる)森から町に移動して、まず服などを買い、シンシアが今お世話になっているという宿にやって来てこの世界の説明を受けていた。
何でもこの世界には6つの国で成り立っているらしい。
1つは一番国土が大きくとても貿易が盛んなアルテリナ。
2つは通称海の国と呼ばれているサンフォルス。何でも海上都市なんだとか。
3つは職人の国と呼ばれているウォルデアラ。
4つは戦士の国バーデルホークス
5つはエルフやシンシアのような人狼など色んな種族がいるアウドラ。
そして最後の6つは芸術の国バステル
以上がこの世界に成り立っている国である。ちなみに今僕たちがいる所はアルテリナの外れにある小さな町らしい。
さらにはこの世界ではやはりというか魔法が使えるらしい。
魔法には属性があり火、水、土、風、光、闇
と6種類ありそれぞれに生まれながら自分の属性に合った魔法だけが使えるらしい。
ちなみにシンシアは闇以外の魔法は、全て使えるらしい。
一通りこの世界の説明を受けた僕は、シンシアに連れられて買い物に来ている。
「シンシア、買い物来たのは良いですけど何を買うんですか?」
「何惚けたこと言ってるの。これからあんたは冒険者になるんだから武器とか装備とか冒険に必要なもの買いに来たに決まってるでしょ」
シンシアの言葉に僕は固まってしまった。固まってしまった僕に合わせてシンシアも歩くのを止める。えっ?冒険者になる?僕が?
「何驚いた顔してるのよ。これから生活していくためにはお金を稼がないといけないでしょ。」
「む、無理っ無理っ無理っ。冒険者なんて無理。いや、だって、武器とか一回も握ったこと無いしっ、運動神経もそこまで良くないんだよっ。絶対すぐ死んじゃうよ!?」
「あら、大丈夫よ。私がみっちり鍛えてあげるから」
シンシアがそう言った顔は、それは、それはとても良い笑顔だったが何故だろう。彼女の後ろに般若のような物が見えるのは僕の錯覚なのだろうか。
「さっ、冒険者に必要なものを買いに行くわよ」
僕はシンシアに引きずられる様に買い物先に向かった。