始まり
突然ですが締め切りって知ってますか。
この物語は締め切りに間に合う為、異世界に行きネタを探す人の物語です。
空いた時間にでも読んでください。
「ん…ここはどこ」
懐かしい感じがする、 涼しい風が吹いていて、工事現場の音がする。
10年前にいたバイト先の工事現場に似ている。
「前田さーん生きてますか」
一瞬びっくりしたが後ろを見ると、担当に似ている人がいた…違う10年前の金田さんだ。
金田さんとは11年前に会った。
工事現場のバイトで会いその2年後、勉強して漫画家になった時に担当として再開した。
「起きてください前田さん」
あれ何で?寝てないのに…。
「起きてください前 田 さ ん」
いや起きていますよ、と叫ぼうとするが声が出ない。
「ふごあ!!」
何かで殴られた、痛い、もしかして夢!! 。
「むにゃむにゃ、ふごあ!!!!」
担当に発泡スチロールで、囲んだ木の棒でたたかれ起こされた。アラームの音が聞こえる…聞こえる? 。
「前田さん起きてください」
担当の声が聞こえる、眠いと痛いで体を丸めた。今は何時だろうと考える。
「締め切り近いですよ」
バサッ。
漫画家の本能で、一瞬で目が覚めた。
泊まりこみだが布団を蹴り上げパジャマから、
私服に着替え、机の前に座る。
「ネタ帳…あれ?」
「ないないない!! ないない? ないない! ない…」
慌てて机を探し回るがネタ帳が見当たらない、あれがないと書けないのに…。
布団を畳む担当に。
「ネ、ネタ帳を知りませんか」
と気まずく言うと。
「知りませんが何か?」
と冷たく返された。
これほど怒っている担当さんは、見たこともなくて、怖く震え、書く準備をしていた。
「ネタ帳ないんですか?」
怒りは収まったように見える、少し緊張が解かれて言葉を返す、
「ないです」
と小声で言うと、担当さんは考え込んだ。
1年前にも、ネタ帳を無くしてしまい漫画が、1つ打ち切りになったということがある。
そのときのトラウマのせいで、かなり焦っている。
まあ焦っても仕方かないので…
昨日書いた原稿を見ながらネタを考えていると、担当さんは思いついたように言った。
「異世界に行きますか」
「は?」
どうも、つぶあんこです。
これからもよろしくお願いします。