委員長
俺は家のドアを開け「ただいまー」と言いながら玄関に入っていく。
玄関には雨沙が立っていた。
「霧雲くんおかえり」
雨沙は俺に優しくなげかけてきた。
俺は心の中で思わず霧雲くん!? と驚いてしまった。
「霧雲くん先にお風呂入っちゃってね」
そう言い終わると雨沙は、リビングに向かって歩いていった。
言われたとおりに俺はお風呂に向かう。
いつもならこの辺で今週のあれが何かは、大体想像がつくのだが今回は全く想像がつかない。
そんなことを考えながら俺はお風呂に入っていく。
数十分お風呂の中で考えたが、全く答えがわからなかったので、仕方なくお風呂から上がりリビングに向かう。
リビングに着くと今日も今日とて美味しそうな料理が、机の上に並んでいた。
足早に机の前に座り今週のあれを考えていると、雨沙が台所から少し姿を変えて歩いてくる。
机の前に座った雨沙の姿を見て俺は声を出してしまった。
「眼鏡!?」
それを聞いた雨沙はきょとんとした表情で、「眼鏡だよ」と呟いた。
すると雨沙は何かに勘づいたようで、喋りだした。
「ああーまだ気づいてないんだね、霧雲くん、今週はね委員長なんだよ」
「委員長!?」
と俺はまたもや声出して驚いてしまった。
委員長、眼鏡かけていて苗字呼びだと委員長になるのか? まぁなるか、と俺は自分の中で納得してみる。
そんなことを考えながら手を合わせて「いただきます」と言いながらご飯を食べ始める。
ご飯を食べ始めて少し経った頃、雨沙が問いかけてきた。
「霧雲くん、その、私が作った料理どうかな?」
少し照れも入っているのだろう雨沙の表情に、少し眼を奪われてしまったが、俺は前回の反省をいかして言葉にした。
「うんめちゃくちゃ美味しいよ、このカレーどれだけ高い値段のカレー食べようと、一番は雨沙のカレーだって自信満々に言えるよ」
すると雨沙は先ほどよりも照れた表情になっていた。
「そんなことないと思うけど、ありがと霧雲くん」
雨沙は耳に髪をかけ眼鏡の奥から覗く眼が上目遣いになっている。
これで可愛いと思わない男性がいないんじゃないか? そんなことを考えながらご飯を食べ進める。
ご飯を食べ終わりいつもどおりソファーに座って、洗い物をしている雨沙が来るのを待っていると、洗い物が終わった雨沙がこちらに歩いてくる。
雨沙はソファーに座ると突然唇を重ねてきた、驚いた俺は体をのけぞらせた。
すると雨沙は少し申し訳なさそうに下を俯きながら。
「まだ早かったよね、ごめんね霧雲くん」
その言葉を聞いて俺は首を横に振りながら「ちょっと驚いただけだから」と雨沙に言った。
すると雨沙の表情は笑顔に変わっていき、顔が俺の顔に近づいてくる。
そのまま近づいていき唇が重なったところで、俺と雨沙は少しの間そのままの体制でいた。
少し経った頃、雨沙が俺の耳元「寝室つれてって」と囁きかけてきた、いつもならここで雨沙を抱いて寝室に向かうところだが、今日は一個イジワルな質問をしてみる。
「今日委員長でしょ? 委員長が風紀を乱すようなことしていいの?」
すると雨沙は「それは」と呟き、戸惑いながら考え始めた。
考えがまとまったのか、雨沙が喋りだした。
「私委員長だけど、この家っていう学校には、その、そういうこと、しちゃいけないっていうルールはないから大丈夫」
そう言い終わると雨沙はまたもや耳元で吐息混じりに「早く」と囁いた。
俺は結局雨沙の魅力に負け、それもそうだなと納得して、雨沙を抱き抱え寝室に向かっていく。