表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/22

終戦

俺と望雨はボスエリアへの扉を押し開けた。


それと同時に俺の耳にはBGMが流れてきた。


「後衛は岩場に配置!前衛は壁役建てたら攻撃初めて!最初から最大限にDPS上げて!」


「了解!」

女子の高くてよく響く声と、男子の低くて勇ましい声が俺の呼び掛けにぶつかる。


「スキル!守護神の盾<ガーディアン・キャッスル>!」


壁役がボスのヘイトを集めたのを確認した。


「スキル!フレアプロテクト!」

俺の剣はたちまち真紅の炎を纏った。


「護術!禊の護法陣!」

春和は4番隊を中心に障壁を付与する。


「大地の聖剣<グランド・デュランダル>!」

愛斗はウルツァイト・コボルトの右腕に向けて攻撃する。


「スキル!バインド・ エッジ!」

琢馬もスキルを発動し、右腕を狙う。


<バインド・エッジ>は複数回使用すると、麻痺値が

貯まっていき、後に対象が麻痺する。


「プロテクトダウン!」

後方からデバフをかけるボイスコマンドを確認すると、一気に攻めかかった。


「抜刀術……。風爽<ふうそう>……」

静かな掛け声とともに雪美は刀を抜刀した。


「スキル!オーブンクロウ!」

翔琉も右腕に対して、炎属性がある重いパンチを数発お見舞いする。


「東口から蝙蝠岳追加6!」


「4番隊!蝙蝠岳処理開始!」

4番隊隊長の愛斗が叫ぶ。


そして蝙蝠岳には、命を狙う弾丸が迫っていた。


「ナイスヘッショ!今の頭は意識高いでしょ!」

そう自画自賛したのは直斗だった。


____________________________________________________

その後もウルツァイト・コボルトとの戦闘を続けた俺達は、残りボスゲージ1本の、残り6割まで削った。



「ボスHPゲージ残り5割!前衛は壁役以外後退!南口に移動!障壁と起動回復さっさと着けて!」


俺はMP回復ポーションを飲んだ。半分程削られていたMPゲージがみるみる回復していく。


刹那、後ろから大きな叫び声が聞こえた。


その声は直斗の弱点狙撃により、大ダメージを食らったウルツァイト・コボルトの悲鳴だった。


「南口、スライムライダーとエンカウント!処理します!」


雪美は剣を納刀しながら言った。


そしてそのまま腰を少し落とし、鍔の根元に手を置いた。


一度深く息を吸うと、勢いよく吐き出し、それと同時に地を蹴った。


目にも止まらぬ速さで雪美はスライムライダーの腹部を確実に切った。


「不自然死を遂げる大地<グランド・アンナチュラル>!」

望雨は大剣を地面に突き刺した。


すると大地は大きく揺れ、ひびの中から炎が吹き出した。


その炎は瞬く間にスライムライダーを襲い、焼き付くした。


「ボス残りHPゲージ4割切りました!鉱石の吹き飛ばしに気を付けて下さい!」


春和が身を伏せながら言う。


そして、後ろからは激しい爆発音とともに岩と鉱石が飛び交った。


俺は俺より体格が良い前衛職の望雨にしがみついた。


何個かこちらに飛んできた様なのだが、障壁がしっかりとその分をカバーした。


周りの様子を確認すると、どうやら被害0、ダメージ0で押さえられたみたいだ。



「壁役建てたら攻撃続行!バフでもデバフでも何でもかけろ!」


俺はスキル<フレアプロテクト>を発動させながら言った。


「スキル、守護神の城<ガーディアン・キャッス……>」


「うぁぁぁぁぁぁ!」

壁役がスキルを使おうとすると、それを防ぐように尋常ではない速さでウルツァイト・コボルトが攻めてきた。


壁役の生徒はかなりのダメージを食らった模様だ。


「あっ!そうだ、」

何かを閃いたような口調で雪美しい は言うと、刀を納刀し、ウルツァイト・コボルトに向かって正面から走り出した。


「おい!バカ!雪美!」

俺は思わず叫ぶ。


「そーいうことね」

何かを察したように琢馬までもが走り出す。


「おい!琢馬まで!待てって!」

俺は状況が理解できずにまた叫ぶ。


「先陣の洗礼!」

春和は雪美と琢馬に対して攻撃力増加のバフをかけた。


「抜刀術……煙嵐!」

ボイスコマンドに反応した雪美の剣は、たちまち煙を纏う。


この抜刀術は次に対象が受ける状態異常効果のある攻撃の追加効果を2倍にする能力がある。


そして雪美はウルツァイト・コボルトの右腕に対して大きく振りかぶった。


その瞬間、ウルツァイト・コボルトの右腕は切断され、ウルツァイト・コボルトにはかなりの怯みが生じた。


「スキル!バインドエッジ!」

琢馬は先程から適度の感覚を開けて使用していたスキルを発動させた。


このスキルは回数をこなすと、対象に麻痺値が貯まっていき、麻痺の状態異常を与える。


本来ならばもう一発ぶちこまなければいけないのだが、雪美の抜刀術の効果で、麻痺状態になってしまった。


「今だ!全員かかれ!」

スキル使用後の硬直により、動くことが出来ない琢馬が叫ぶ。



「行くぞ!大地の聖剣<グランド・デュランダル>」

愛斗はウルツァイト・コボルトの足元に戦斧を突き刺した。


直後、地面からは地盤が変化して創られた剣がウルツァイト・の左腕を襲った。


「不自然死を遂げる大地<グランド・アンナチュラル>!」


望雨はウルツァイト・コボルト足元に大剣を突き刺した。


すると、地面は大きく揺れ、その揺れで出来たひびの中から炎が吹き出した。


「スキル!デッドリー・ナックル!」

翔琉もスキルを発動し、左腕を狙う。


俺達の戦闘に感化され、後衛の生徒も攻撃を続行する。


鉱石が無くなったウルツァイト・コボルトの防御力はかなり低く、残り2割となった。


「スキル!白銀の協奏曲<プラチナ・コンチェルト>!」


俺は今使えるスキルの中で一番ダメージが出せるものを発動させた。


「ラストォォ!」

長剣専用5連擊。右上、右下、左下、左上、の順で剣を振るう。


「おぉぉぉぉぉ!」

俺は最後の攻撃となるとどめの一発を活気に道溢れた声とともにウルツァイト・コボルトの心臓に放った。



「 グォォォ!」という叫び声と共にウルツァイト・コボルトは様々な色のポリゴンの塊となり、やがてそのポリゴンの塊も散っていった。


俺達の目の前には、「Quest clear!!」の文字が浮かんでいた。

後書き


第7話をお読みくださりありがとうございます。


ようやくボス攻略を終えることが出来て僕自身ホッとしています。


次回はやっとですが、ヒロインが登場します。


学園物語となると、登場人物が増えますが、編によって、主人公を分けることで、なんとか調整しようと思っています。


次回のヒロイン登場、ご期待下さい!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ