作戦会議
キャンプエリアで、戦略会議が行われた。
「ボスの名前は<ウルツァイト・コボルト>ウルツァイトってのは世界一硬いとされている鉱物の名前らしくて、その名の通り剣や銃弾での攻撃がしにくい。唯一鉱石で覆われていないのは、頭全体と関節部位、そこだけ剣さ銃弾の攻撃が通ります」
作戦担当で四年生の中条 春和<なかじょう はるわ>
春和は、
種族 倭人
所属ギルド ノアの方舟
職業 付与術士<エンチャンター>
で、コンバートした。
春和は名前が反映されたの如く和やかで、人に対しては春の日差しのように温かく接する。
容姿はというと、艶のある黒い髪の毛に、緑色の大きな瞳。特徴的なのは緑が主軸の着物。
そしてその冷静かつ従順な性格は、上級生からの信頼は厚い。
「そして、ウルツァイト・コボルトの取り巻きが、
ベノムスライム6体。そしてフィールドギミックで、天井から岩が落ちて来るらしいです。以上が先生が教えてくれた情報です」
言い終わると春和はウィンドウを閉じた。
「耐久戦に持ち込めば勝ち目はありそうだな」
雪美が腕を組ながら言う。
「はい。ですが問題は落石ですね。防ぐ方法は無くは無いのですが……」
春和は再びウィンドウを確認した。
「この文を見てください」
俺達に送られて来たのは、拳闘士の職業説明欄だった。そこには、
『フィールドの一部のオブジェクトを破壊可能』
と書いてある。
「この文を元に考えると、落石は拳闘士のメンバーが抑えることができます」
「でも俺達の中に拳闘士なんて居たっけ?」
下級生に対して気を使っている俺でも、そんな生徒は見た事が無い。
「はい。一人だけいますよ。1番隊の風花 翔琉<かざばな かける>って子が」
俺は記憶を最大限に引き絞り、思い出す。
「あぁ居たな。確かあの……紫の装備してた子」
俺はやっと思い出した。確か、
種族 闇妖精<バンシー>
所属ギルド ノアの方舟
職業 拳闘士<グラップラー>
で、コンバートした子だった。
凛とした顔立ちに、無駄の無い綺麗な紫。鋭く目付きだが、初めて喋った時の印象は、笑顔を絶やさない子で、とても好印象だ。
「落石壊せる子がいたところで、何処に落ちてくるか分かんないしな……」
俺は腕を組み、ため息を着く。
「ヒーラー、スナイパーの配置は明日の下見で考えましょう。落石対処のコツも何度もすれば慣れるはずですし」
春和は少し微笑んで言った。
レイドのボスモンスター攻略は、何回もボスに挑んで、タイミングや攻撃パターンに対して身体を馴らしてから本番を行う。
その後、数十分会議をして、全員ログアウトした。
後書き
ロール・プレイング・スクールをお読みくださりありがとうございます。
ロール・プレイング・スクールは長いので、後書きでは『ロルプレ』と略させて貰います。
次回こそは戦闘シーンに入ります。というか入れたらなという願望ですが……。