入館
クエスト<腐館に潜む幻影の魂>に挑む為、僕達4年生の9人は、ギルドハウスを後にした。
VRでは、昼より夜の方が、プレイヤーが多く、安全だ。
クエストエリアまで、オープンフィールドを少し歩き、森の中へ入っていくと、腐館がある。
僕達は、東の国<カナン>の、クエスト会館に向かった。
あらかじめ、クエストを予約していたので、予約者専用カウンターに向かい、クエストを受注する。
その後、オープンフィールドにいくと、腐館を目指した。
「なぁ~夜に腐館とか絶対お化けでる奴じゃん」
幽霊や宇宙人などの話が苦手な笑眞がいう。
「男なんだからしっかりしろよ~。お化けでもフレンドリーに行けばなんとかなるよ。渋谷見たいなのテンションで行けばよくね?」
陽気な伊吹はあくびをしながら言う。
「いやどんなテンションだよ」
僕はしっかりとツッコミを入れる。
「ちょ~マジ幽霊さんの髪型アリ寄りのアリじゃない?マジ卍~ 見たいなテンションでさ」
「伊吹、それ渋谷テンションじゃなくて、最近のJKテンションじゃんか」
僕はまたしてもしっかりとツッコミを入れる。
「よくそんなに元気に居られるよね。私達はもう怖くて怖くて喋れないよ」
固まって歩いている女子を代表して真白がいう。
名前の通り、白い肌に白い髪の毛、白い瞳の真白は雪のようだ。
「大丈夫だよ~。VRなんだから幽霊なんて出るわけないじゃんか~」
そんなおっとりとした喋り方をするのは、僕と双子で妹の<みんく>。
僕達と一緒に居る時は、能天気というか、マイペースといか……そんな性格だけど、本当は寂しがりで、幼い時は僕にしがみついていた。
こんなまったりした会話をしながら進んでいくと、月の光がようやく差し込み、回りは薄暗く沈みかえった森に着いた。
そこから数分歩くと、柱は腐り、今でも崩れそうな館が現れた。
「うわぁ、こんなおんぼろだったら俺達が戦ってる間に崩れちゃいそうだよ」
笑眞は拳銃を腰のホルスターから取り出しながら言った。
僕達は、装備を手にして、心臓の鼓動が早まるのを感じながら、緊張した面持ちで館の門を押した。
後書き
2章ファントム・ハウル編をお読みくださりありがとう。
最近、テレビで「る○うに剣心」が放送されたんですが、実写なのにあの戦闘シーンはさすが佐藤 健さんだと思いましたね。
瀬田 宗次郎役の 神木隆之介さんもかっこよかったですね~。
すみません。今回はきりが良いので、ここまでです
ご愛読ありがとうございました。