紫陽花
優奈と過ごす日々が増えてから、俺の生活リズムも大きく変わった。
友達とPVPをした時の勝率も良くなったし、1日1日が楽しくなった。
優奈はというと、ため息も減り、笑顔は増え、性格も元の様に戻ってきた。
いじめはまだ続いているようなのだが、いじめッ子と会う時間は格段に減った。
俺は以前と変わらず、優奈のことを、「ゆうな」と呼んでいるが、優奈は俺のことを、「ゆきくん」と呼ぶようになった。
俺は自然と優奈と触れ合うようになったし、優奈は自然と俺に近づくようになった。
VRでは、優奈と俺の二人っきりでフィールドに出たり、一緒にアイテムの買い出しに行ったり、休日でもゲームにログインし、二人でフィールドへ出た。
俺達のギルドハウス周辺では、少しばかり有名ペアになりつつある。
何より一番変化があったのは、喋り方だ。
俺の喋り方は、「~じゃね?」や、「マジ~」の様な喋り方だったのだが、優奈といる時は「~だよね」
など、少しオブラートに包むようになった。
優奈も、少しチャラかった喋り方から、おしとやかな喋り方になった。
「ゆき君。今日も一緒にフィールド行こうよ」
少し伸びた前髪を掻き分けながら優奈は言う。
「今日はちょっと別の子と約束してて……ごめん。明日行こう」
優奈と話すと赤くなってしまう俺の癖は、どうしても直らない。
「そう……。じゃあまた明日、夜の7時からね」
少し照れながら優奈は言うと、静に去って行った。
沙鶴から聞いた話なのだが、優奈は明日の夕方、いじめッ子と会う約束をしているみたいで、俺は心の中で密かに計画を立てていた。
その計画は、「優奈のいじめッ子と真っ向から勝負しよう」という単純かつ簡単なものだった。
「優奈の人間関係を壊す」という考えはなく、「優奈を守る」という考えの塊だった。
後書き
1,5章 2話をお読みくださりありがとうございます。
いや~展開の仕方が解らなくて、心情を描く形になってしまい、申し訳ございません。
<雑談コーナー>
今日は、僕が通っている学校の離任式があったのですが、僕の小説にアドバイスをくれた教師の方が、離任になられまして、それはもう悲しかったですね。
お休み期間は後3日程あるのですが、モチベーションが下がらないうちに、投稿を再開します
ご愛読ありがとうございました。