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003 イラっとしたので

 一通り能力やアイテムを確認した俺の前に羊の化け物が現れる。


 まじまじとその羊を見ていると分析魔法が発動した。


◇ ◇ ◇


 羊戦士(シープファイター:魔物)

 ヨウ(Lv23)


◇ ◇ ◇


 と、HPバーが見える。


 二足歩行する羊は二頭身で体長八十センチ、大きくかわいらしい目でまつげが長く、口はツンとすましていて、少し人間らしくほっぺたがふっくらとしてる。


 体を覆うもこもことした薄い水色の毛皮、頭の上には垂れた耳とクリッと巻いた角がちょこんと生えている。蝶ネクタイをして、魔物のくせにおめかししたつもりだろうか。

 その短い腕には不釣り合いなくらい身長の二倍はある長い槍を持っている。


 羊戦士は目尻を吊り上げキッとこちらを睨んで、槍を構えた。


 その羊の少し後ろには、さっき俺のあられもない姿をみた少女が立っていた。おそらく不審者扱いをされているのだろう。


 番犬ならぬ番羊だ。


 不可抗力だったのだが、どういう言い訳をしても、取り繕えない。分かり合えないのなら、戦争になってしまう。


「ヨウちゃん、あいつよ!やっつけちゃって」


 少女が後ろから叫んでいる。「やっつけて」って、普通の人間に対してそんなこと言うもんじゃないよ。この少女ろくな大人にならないぞ。


 羊だからヨウなのか。安直な名前だ。


 少女の声を合図に羊戦士は叫び声を上げて二足歩行でトストストスと突っ込んでくる。

「メェェェ!」


 見かけによらず速い動きだ。とりあえず実験台になってもらおう。対モンスター魔法は……。


・(緑)テイミング…対モンスター用魔法 隷属化させる


・(黄)能力永久無効化…対人用魔法、対モンスター用魔法 相手の能力を全て無効化する


・(赤)強制レベルダウン…対人用魔法、対モンスター用魔法 相手を強制的にレベルを一にしてしまう


 の三つだな。


 スローモー発動。羊戦士の動きがゆっくりに感じられる。俺は槍の攻撃を難なくかわし、頭めがけて万能バットを振り下ろす。所詮は手足の短い二足歩行の化け物だ。ちょろい、ちょろい。


 しかしスローモーの感覚になれていない俺は、万能バットを振り下ろす位置が脳天ではなく、少しずれてしまい、左の角にヒットしバキッという音がした。


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