夢見たことが現実になった…
私は東京に引っ越した。
生まれてからずっと暮らしてた田舎を離れ…
都内のマンションの7階……
広いなぁ。いつもこんなに広い部屋に一人でいたのだろうか?
だから犬飼い始めたのかな??
隣の部屋にいるチワワを見に行くと、ウルウルとした目でこちらを見ている。
誰?と言わんばかりの目…
「私も今日からここに住むの。ヨロシクね!確か、名前なんだったっけ?」
『チーズ。』
後ろから突然声がかかる。
「そうだ!チーズ、ヨロシクね!」
後ろにいた彼はゲージを開けチーズを私へ差し出す。
「ちょっと震えてる(笑)」
『大丈夫だよ。すぐ慣れる。俺より一緒にいる時間長くなるから。』
「そうだね!」
『疲れたでしょ?食事して少し休みなよ?』
「そうだね。」
『来たばっかなのにケータリングでごめんな。』
「全然いいよ!それにこれ、すごいおいしい!」
彼は申し訳なさそうだが、私はおいしくてそんなの気にしてなかった。
これからいろんな事知ってくんだよなぁ。
不安もあるけど楽しみだな。それにしてもいつもこんなおいしいの食べてるのかなぁ。
「ケータリングはいつもここの?」
ケータリングの箱を指差して言った。
『だいたいここかなぁ。あんまり外出れないし。』
そう、彼はあんまり多く外に出歩かない。
出たくないわけではない。
「おいしいからいいけど、毎日だと飽きちゃわない?」
『正直、もう飽きたよ。』
「そっかぁ。」
『でもこれからはお前がいるからな。俺、料理苦手だし作ってくれたらうれしい。』
「・・・・」
『まぁ、お前も実家だったもんな。興味なかったらいいんだよ。』
「私、あんまりやったことないけど、作るよ!おいしいの作る!」
『おぅ!』
そんな会話をしながらごはんを食べ、少し休むことにした。