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八話:死の具現

 その日、彼女は大勢の人間の臭いを捕らえ、俯いていた顔を上げた。

 あれから彼女は積極的に縄張りの外に足を伸ばし、人間を狩っていた。彼らの多くは小さい頃の記憶に残っていた人間たちよりも弱く、しばらくすると姿を見かけなくなったので安心していたのだが、どうやら人間たちは彼女を脅威と見なし、力を蓄えていただけのようだ。

 今の季節が子育てをする時期であることが、人間たちに知られていることは彼女も知識として知っている。故に人間たちの狙いが彼女だけでなく、彼女が愛する我が子も含んでいると彼女は推察した。

 幼子の肉は柔らかく、美味い。自分が食料とする獲物ですらそうなのだ。彼女の子だけが例外だということはあり得ない。それに、成獣の彼女ならともかく、彼女の子は人間の調教師にとっても垂涎の的だ。もしテイムされてしまえば、一生我が子と出会うことは叶うまい。

 愛しい我が子と引き離されるなど、彼女にとっては冗談ではなかった。

 距離はまだまだ遠く、向こうの方も近付きつつあるとはいえ、彼女の巣に辿りつくまではかなりの時間がかかる。

 放っておく選択肢もあるにはるが、我が子の安全を考えるとそうもいかない。

 彼女の足元では、愛しい彼女の子が小さい身体を精一杯動かして、彼女の関心を引こうとしている。

 乳を与える時期は過ぎたとはいえ、まだまだ身体的にも精神的にも幼く、とてもではないが成獣とは呼べない子だ。彼女なら楽に屠れるような木っ端同然の人間たちでも、我が子にとっては天敵だろう。

 人間たちにとって、自分の子が垂涎の的であることを彼女は自らの経験から知っていた。

 彼女が迷宮の中で生を受けてから、もう長い時間が経過している。彼女を生んだ母は、当時はまだ幼かった彼女を守るために人間に戦いを挑みに行ったきり姿を消し、後日人間の武装となって変わり果てた姿で彼女の前に現れた。

 大人になり、自らが母の立場になっても、あの時感じた怒りは薄れていない。彼女はそれがトリガーとなって変異個体として覚醒し、母の仇を討つことができたが、結果は独りになったことを突きつけられただけの、非常にむなしいものであった。

 ただの幼獣だと思い込んでいた人間たちを殺すまで彼女の中で燃え上がり続けていた感情は、これから一人で生きていかなければならないことに気付いてしまった時点で呆気なく霧散してしまった。

 もう母の庇護を受けることはできない。甘えることもできない。あの寂しさを、我が子に味わわせてなるものか。

 幸い彼女は早期に変異個体として覚醒したお陰で、当時の母を歯牙にもかけぬほど強く成長することができた。今の自分なら人間になど遅れは取らない。奴らが諦めないのなら、諦めたくなるまで何度でも殺すだけだ。

 彼女は愛しさをこめてじゃれ付いてくる我が子に頬擦りすると、僅かに漂ってくる匂いを頼りに巣を出て歩き出した。



■ □ ■



 あれから何度かモンスターを釣ったマーティは、ふと聞き耳の範囲内に聞き慣れない音の持ち主が入り込んだことに気がついた。

 物音は足音だから、スライムも吸血蝙蝠もあり得ない。足音ならゴブリンのはずだが、聞こえる足音は一匹だけだ。ゴブリンはいつも群れているから、単独行動をしているのがゴブリンだとは考えにくい。

 しかも、聞こえる足音は遠くからでも分かるほど、妙に重く響いてくる。学園の迷宮は大型モンスターが活動できるような場所はいくつか存在するが、足音が聞こえる場所は大型モンスターが入り込むには小さすぎる。


「もしかして、この足音って……」


 考え込んだマーティは、足音の持ち主であるモンスターが、件のモンスターなのではないかという可能性に思い当たった。

 聞き耳を続行し、疑惑を確信に変えようとする。


「あれ?」


 足音の持ち主は、奇妙な行動に出ていた。

 マーティの聞き耳による索敵範囲ぎりぎりを、何度も出たり入ったりしている。まるで何かを確認しているかのような反応に、マーティは嫌な予感がした。自分たちが何か大きな見落としをしているかのような、そんな感覚に襲われたのだ。

 モンスターの奇妙な行動は、聞き耳を立てていれば今まで例が無かったわけではない。マーティに気付いていないモンスターの行動は予測し辛く、今回の足音の持ち主も、マーティに気付いていないのであれば、偶然そうなっただけの可能性は十分にある。

 念のため、マーティは聞き耳を立てながら、新たに気配遮断と忍び足も追加して少し距離を詰める。すると、索敵範囲ぎりぎりにいた何かは戸惑ったように動くと、マーティの動きに合わせて後退した。

 明らかに自分を意識していることを足音から察知し、マーティは背筋がぞっとするのを感じた。


「まさか、こんな遠い距離なのにもう気付かれてる? そんな馬鹿な」


 聞き耳はあくまで耳をそばだてることの延長線上でしかないからそう簡単に感付かれることはないはずだ。釣り狩りをするつもりだったから、初めのうちこそ気配遮断も忍び足も使っていなかったが、今は使っている。距離があるのだから、仮に気付かれていたとしても、それで見失ってもいいはずなのに。

 モンスターは相変わらず聞き耳の範囲内外を出たり入ったりしながら一定の距離を保っている。何か機会を窺っているかのような様子に、マーティの背筋がじっとりと汗で濡れる。

 索敵を中断して報告に行くべきか。姿だけでも確認するべきか。マーティは悩んだ。

 誤報告を避けるなら確認して確信を得る必要があるが、マーティ一人で迷宮の奥に入り込むのは危険が伴う。敵はあのモンスター一匹だけではないのだ。迷宮を徘徊している他のモンスターを忘れてはならない。今は姿が見えなくとも、何かが起これば彼らは確実に集まってくる。囲まれれば終わりだ。

 かといって誰かを連れて行けば見つかるリスクは大幅に高まるだろう。マーティの身に何かあれば、あのモンスターは野放しになる。何の情報もなしに討伐隊に接触されたら、どれほどの被害が出るかマーティには想像もつかない。学園最高の戦力である輝石騎士団が控えている以上負けはしないだろうが、外部のダンジョンから迷い込んだモンスターである以上、生徒証の転移石による緊急脱出は機能しない。死者が出る可能性は低くない。


「ひとまず、二人と相談してみるかな……」


 結局マーティは、問題を先送りしてミューリとベアトリスの意見を求めることにした。モンスターは相変わらず聞き耳の索敵範囲ぎりぎりの位置を保っているので、相談する余裕くらいはありそうだった。



■ □ ■



 空気の流れに乗って漂ってくる僅かな人間の臭いを辿って迷宮を歩く彼女は、自分の第六感とでも呼ぶべき感覚に何かが引っかかったのを感じた。

 流れてくる人間の臭いは時間が経つにつれ、彼女に多くのことを教えてくれた。

 大勢の人間が遠方に固まっている。周りの人間の意識は外へ向けられているようで、接触したモンスターの臭いは悉く消失している。

 人間たちの活躍はある意味彼女の予想通りだった。何せ、この辺りで目にするモンスターは、彼女の目から見ると露骨に弱っちいのだ。ゴブリンもスライムも吸血蝙蝠も彼女の縄張りに生息しているが、彼らはとても獰猛で知恵も回る。数の利を上手く使い、闇雲に襲い掛かったりしない。

 ふと、怪訝な顔をしていた彼女はほんの僅かな違和感を捉えた。些細な違和感だったが、彼女はそれが妙に気になった。

 前進すると僅かではあるが違和感が大きくなった。逆に、後退すると違和感は徐々に小さくなり、一定の距離を越えた境で消えた。そこから一歩踏み出せば、ほんの僅かだが再び感じる。

 ……何かがおかしい。

 よくよく気配を探ってみれば、人間たちの塊と彼女の中間地点ほどの距離に、ぽつんと一つだけ人間の気配がある。耳を澄ませば、僅かな物音も捉えることができたが、すぐに気配は消えうせ、物音も聞こえなくなった。

 彼女は思わず笑ってしまった。見事な隠形だが、これではかえって不自然極まりない。かえってそこに誰かがいると教えているようなものだ。

 違和感が薄れていく。どうやら移動しているらしい。違和感を調節するかのように彼女も前に出ると、案の定違和感も大きくなった。何度か試してみて、先ほどと同じ違和感になる距離を保てるようになった。

 臭いは流れてくる他の人間に混ざってしまって分からないが、どこかに違和感の元となる人間がいるのは確かなようだ。

 たかが人間の一人や二人後回しにしても良かったが、彼女は自分が逆にその人間に気付かれた可能性を捨ててはいなかった。それに、放っておいた人間に巣に入られたら元も子もない。巣には彼女の子がいるのだ。

 やはり殺しておくべきだろう。

 彼女は距離を詰めるタイミングを窺い始めた。



■ □ ■



 戻る間も、そのモンスターは相変わらずぴったりと聞き耳の索敵範囲ぎりぎりを着いてきていた。

 あまりにも不気味で、マーティは聞き耳も気配遮断も忍び足も解除することができない。

 ミューリとベアトリスが待っている場所に戻って彼女たちの姿を見たマーティは、安堵のあまり倒れ込みそうになるのを辛うじて堪える。相変わらず、モンスターの追跡は止んでいないからだ。様子を窺われている。マーティはもはや確信していた。


「あれ? マーティ、モンスターは?」


 いくら待ってもマーティを追いかけるモンスターが現れないことに、ミューリが訝しげな声を上げる。


「ごめん、別のモンスターの足音がしたから中断した」


 申し訳なさを感じながらマーティは説明する。


「一緒に連れてくればいいでしょうに……」


 待機させていた魔法が無駄になったベアトリスの表情は不満そうだ。


「連れてこようにも、ずっと遠くからこっちの様子を窺っているみたいなんだ。妙な反応だったから、皆の判断も聞きたいと思って。件の外部モンスターかもしれないし」


 それでも、訳を話せばミューリもベアトリスも事の異常性を理解してくれる。


「可能性はあるわね」


「確かに、普段私たちが戦うモンスターにしては変ですね。もしかしたら、有り得るかもしれません」


 考え込む二人にマーティは相談する。


「だから、どうするべきか二人の意見を聞きたいんだ。確認したいけど、本当に外部モンスターだったら、ぼくたちだけじゃ危険だし」


 お互いを窺うかのように目を合わせたミューリとベアトリスは、全く正反対の意見の述べた。


「確認するくらいなら大丈夫じゃないの? 仮に見つかっても、刺激玉を投げれば逃げる時間くらい稼げると思うけど」


「私は反対です。そのモンスターが本当にストームベアなら、この時点で私たちの目的は果たされたことになります。後は輝石騎士団に任せるべきでしょう」


 意見が一致していれば迷うことはなかったのだが、相談相手の意見も割れてしまったので、マーティはまたしても迷うことになった。

 どちらの意見にも、マーティは賛成できる部分がある。ミューリのいうとおり、以前買い込んだ刺激玉はまだ残っているので、それを使えば逃走の手助けになるだろう。

 ただ、学園の迷宮のモンスターならば確実に逃げられるだろうが、ストームベアに対しても同じかどうかは試してみないと分からない。

 ベアトリスの案は、確実に命を拾えるという最大のメリットがある。確かにあのモンスターがストームベアなら、すでに最低限の責任は果たしているといえる。後は輝石騎士団を件のモンスターの前に案内するだけだ。

 だがその場合、討伐することで得られるランクアップの報酬を逃すことになる。危険は大きいが、やはりランクアップというメリットは危険を鑑みても捨て難い。マーティはもちろん、ランクは上がればあがるほど上がりにくくなるので、ランクが高い探索者ほど無条件でランクアップしてもらえる恩恵は大きい。輝石騎士団のメンバーなどは特にそうだろう。その報酬のために討伐を引き受けたと思っても、そう間違ってはいないはずだ。

 どちらかといえば、マーティはミューリの意見に傾いていた。万年Fクラスのマーティにとって、Fクラスから脱出することはずっと夢だった。ミューリと同じDクラスとはいわない。でもせめて、Eクラスに昇格したかった。

 確認することに前向きになってきているマーティとミューリを雰囲気から察したのか、ベアトリスはため息をつく。

 普段無感動な顔に怜悧な表情を浮かべ、すらすらと言葉を述べる。


「二人とも気付いていなさそうなので言っておきますが。輝石騎士団に与えられた私たちの役割は、あくまで露払いです。索敵はついででしかありません。この件について報告を上げれば、後の確認は輝石騎士団が行うでしょう。彼らを出し抜いてまで戦う理由があるのですか? 戦うならまだしも、まかり間違って倒しでもしてしまったら、恨まれてもおかしくありませんよ。何しろ、ランクアップが掛かってるのは、彼らも同じなんですから」


 よどみなく紡がれた言葉は、マーティの痛いところを突いた。

 もし戦って倒してしまったら、あの『小剣姫』にも嫌われてしまうのだろうか。彼女がそんな狭量の持ち主とは思えないが、マーティは付き合いがあるわけではないから、ベティの人となりを表面的にしか知らない。憧れているマーティとしては、ベティに嫌われるのは避けたかった。

 意見を聞いて考え直したのか、ミューリが前言を翻す。


「まあ、ベアトリスの心配も最もだね。有名どころに睨まれるのはわたしも避けたいし、そこまでして強行する必要もないか。ランクアップなら、わたしたちみたいな低ランクなら今回は無理でもこつこつ探索すればそのうち上がるんだし。パーティ組んでるんだから、マーティのランクもそんなに時間が掛からずに上がるだろうしね」


「あ……」


 盲点を突かれ、マーティは目から鱗が落ちる思いだった。

 今までろくにランクが上がらなかったのは、ソロで潜って上層で力尽きていたからだ。これからは三人でパーティを組んで迷宮に挑めるのだから、今までとは違ってもっと深くまで潜ることができる。ランクだって、上げることは不可能ではない。


「そっか。ぼくたち、パーティ組んでたんだっけ」


「……まさかとは思うけど、忘れてたの?」


 ジト目で見てくるミューリに、マーティは慌てて弁解した。


「いや、覚えてたよ。ただ、実感が沸いてなかった。そうだよね。パーティ組んでるんだよね。びくびくしながらソロで潜る必要は、もう無いんだ」


 ようやく、マーティにもパーティを組んだ感慨が沸いてきた。口元が緩むのを押さえ切れない。


「にやにやしてて気持ち悪いです」


「ひどい!」


 ベアトリスに暴言を吐かれても、マーティは今なら許せそうだった。


「二人の言うとおり、輝石騎士団に報告して、後は任せよう」


「あ、でも戦闘は見たいかな。輝石騎士団の戦闘を生で見るなんて初めてだし。わたしたちが学べるところはいっぱいあるはず」


「いいかもしれませんね。パーティプレイの参考にもなるでしょうし、私も高ランク探索者が唱える魔法には興味があります」


 意見を聞いて決めた方針を述べたマーティは、ミューリとベアトリスの提案に頷く。


「そうだね。どうせならそうしようか」


 三人で輝石騎士団の下へ報告しに戻ろうとする、まさにその時だった。

 ずっとマーティの様子を窺っていたモンスターが、凄まじい勢いで近付いてきているのを、聞き耳を展開していたマーティは急激に大きくはっきりと聞こえてくる足音で察した。


「そんな……! 速すぎる!」


 半ば悲鳴交じりの声を上げて驚愕している間にも、モンスターは速度を落とさない。しかも洞窟の中だというのに、何か風が吹き荒れる音まで聞こえてくる。

 まだ気付かないミューリとベアトリスがぎょっとした顔でマーティを見た。


「どうしたのよ、急に」


「何かあったのですか?」


「……ミューリ、魔法の鞄をこっちに!」


 振り返ったマーティの顔は焦燥に満ちている。

 訳が分からないミューリはそれでも反射的に言われた通り魔法の鞄をマーティに手渡した。


「説明くらい、してくださってもいいのはないですか?」


 不満と不安が入り混じった表情のベアトリスに、マーティは早口で説明する。


「やたら足の速いモンスターが向かってきてる。たぶん、例のモンスターだ。だから──」


 マーティは台詞を最後まで言い切ることができなかった。


「危ない! 『タウント』!」


 驚くべきことに、追い縋るモンスターは途中でさらに加速し、彼我の距離を一瞬で零にしてみせた。

 巨体が初めて目の前に現れる。

 煌くエメラレルドグリーンの毛皮に身を包み、風を渦巻かせる熊の魔獣。

 学園迷宮地下二十階以上相当のモンスターであるストームベアが、マーティ目掛けて豪腕を振るおうとし、寸前で割って入ったミューリ目掛け、その腕を振り下ろした。

 青銅製の大盾がひしゃげ、真っ二つに割れるのを、スローモーションになった視界でマーティは見た。

 咄嗟に使い物にならなくなった盾を捨て、ミューリはその場から飛び退って回避しようとする。しかし、その動きはストームベアの攻撃から逃れるには、あまりに遅かった。当然だ。ミューリは重武装をしている。もちろん、機敏に動けるような重量ではない。

 回避しようとしたミューリの腕が、ストームベアの腕から伸びる凶悪な大きさの鉤爪と接触する。

 つけていた青銅製のガントレットなど、慰めにもならない。

 それはまるで、溶けかけたバターにナイフを入れたかのような、水風船が落ちて割れたかのような、抵抗というものを感じさせない異様な光景だった。

 視界が元に戻り、耳を劈かんばかりの悲鳴が上がった。


「ミューリ! 腕が……!」


 狼狽するベアトリスが見つめる先で、ミューリはストームベアに切り裂かれ、皮一枚で辛うじて繋がっている状態の左腕を押さえて絶叫している。傷口からは、どくどくと血が流れて出ていた。ショックで過呼吸のような発作を起こしたミューリの顔から、ぽたぽたと血と汗と涙が混じった雫が落ちた。

 魔法の鞄から刺激玉を一つ抜き取ると、マーティはストームベアに投げつけた。

 反射的に腕を振るって迎撃したストームベアの頭上で刺激玉が割れ、中の刺激物を浴びせかける。

 ストームベアが怯んだ隙に、マーティはミューリに肩を貸し、立ち上がらせる。


「今のうちに逃げるよ! 早くどこか安全な場所で、ミューリの治療をしないと!」


「はっ、はい! 分かりました!」


 茫然自失としていたベアトリスが我に返り、頷く。

 怒りに満ちたストームベアの咆哮を背に、マーティとベアトリスは大怪我を負ったミューリを庇いながらその場から逃げ出した。


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