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薬術剣士ミレイの医療白書  作者: 木原ゆう
診療録 様式第一号 薬師における責務および患者の治療について
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閑話 シルベリア聖典 第一章

〇ガン細胞/異常繁殖型オーバーグロウスモンスター

正常な細胞組織がガン化した細胞。別名『悪性腫瘍』。

遺伝子の変異により自制を失った細胞が自律的に増殖、転移を繰り返す。

発生要因は様々だが、生活習慣病が起因となるケースも多い。

進行度はステージで分類され、ステージゼロからステージⅣの五段階が存在する。

治療の際には武器による直接攻撃の後、コアと呼ばれる箇所を破壊しないと再生・修復し、再び増殖・転移を繰り返す。

ヘドロ状の中型モンスターで、他と融合することが可能。

身体中に目玉様物質が付いており、敏捷力は「極大」。

要駆逐モンスターに指定。


〇好中球/スライム型モンスター

免疫細胞の一種である顆粒球の中で最も数の多い細胞。

細菌などの異物が体内に侵入すると、それらを身体に取り込んで殺菌・分解する。

攻撃力はさほどではないが数が多く、囲まれると徐々に体力を奪われてしまう。

スライム型のモンスターで、体内のどこにでも現れる。

他に好酸球や好塩基球などの仲間がいるが、こちらは希少なスライム型モンスターである。

両者ともすばしっこく、倒すと何故か職業熟練値が急上昇する。


〇マクロファージ/大口型モンスター

免疫細胞の中では最も大きな細胞。別名『大食細胞』。

血管内では単球と呼ばれ、血管外組織に浸出するとマクロファージという名称に変わる。

その大きな身体の大部分が口で、近接戦闘特化型のモンスターである。攻撃力は「大」。

一度体内に取り込まれたら獲得免疫(=異物記憶)が発動。

二回目以降のリンクが難しくなるので注意が必要。


〇キラーT細胞/サムライ型モンスター

免疫細胞の一種であるリンパ球の中で最も攻撃性の高い細胞。攻撃力は「極大」。

自身の身体よりも大きな長刀を構え、容赦なく侵入者に攻撃を仕掛けてくる。

遠近両方の攻撃法を持ち、飛ぶ斬撃である《パーフォリン》、一刀両断技である《グランザイム》は厄介である。

要注意モンスターに指定。


〇ヘルパーT細胞/強化魔法型モンスター

免疫細胞の一種であるリンパ球の中で司令官的存在である魔法強化型モンスター。

強化魔法《サイトカイン》により他の免疫細胞を格段に強化させる。

リンク中にモンスターに囲まれたときは、まずこの司令官から叩かないと敗戦は濃厚。

もしくは亜種であるレギュラトリーT細胞を味方に引き入れ、弱体魔法である《リ・サイトカイン》を唱えさせ、活性化された細胞を抑制するしか方法がない。


〇肥満細胞/ミノタウロス型モンスター

免疫細胞の一種。別名『マスト細胞』。

頭に対となる大きな角を二本生やしたミノタウロス型の大型モンスター。

左右の角はIge抗体と呼ばれるもので、ここに抗原が付着すると体内に溜め込んだ魔力が暴走し、獄炎魔法である《ヒスタミン》を口から放射する。

ヒスタミンはアレルギーと関連性が強い物質であり、放射を抑えるには角に突き刺さった抗原を破壊しなければならない。

現状、体内にある全てのミノタウロスの角に突き刺さった抗原を破壊することは不可能。

治療は困難とされる。


〇B細胞/機械型モンスター

免疫細胞の一種であるリンパ球の中で遠距離攻撃を得意とする機械型モンスター。

通常は大人しい彼らだが、ヘルパーT細胞による《サイトカイン》で強化されると非常に厄介な敵となる。

遠距離から大量のミサイルを発射し、敵を拘束・破壊。ただし攻撃力は「小」。

問題なのは粘度の高いミサイルが対象の身体に付着した状態、いわゆる『オプソニン化』である。

これにより他の免疫細胞が強化され、四方八方の細胞壁から出現し対象を集中攻撃する。

こうなってしまっては治療継続は不可能といっても過言ではない。

脱出魔法イヴァキュエイトでの緊急離脱を推奨する。



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