第一話 始業式とAクラス
初投稿です!!
まだまだ未熟ですが、どうかお付き合いください。
《魔法》が日常化して、200年の歳月がたった。魔法使い達はここ日本でも、政治、警察・消防、医療、商業、軍部と次々に勢力を広めていった。
魔力の強さは血筋で決まる。特に魔力の強く、それぞれの属性を極めた家を
火の炎羅家
水の水羅家
木の木羅家
土の土羅家
風の風羅家
光の白羅家
闇の黒羅家
の七家合わせて七羅と呼ばれている。
***
「ここが魔法学校か。」
わたしは私立風羅学園と書かれた門を見上げた。久しぶりに都会に出たせいで迷ってしまったが、ようやくたどり着くことができたのだ。ここでわたしの新しい生活が始まるのだ。
「よし!頑張るぞ!!」
気合いをいれて、わたしは門の中に入っていった。
***
「転校生が来るって本当か、翔!!」
突然大声で呼ばれて振り向くと、和也が凄い勢いで教室に入ってくるところだった。
「落ちつけよ和也、今ちょうどその話をしていたところなんだ。」
「何ぃ!?俺がいないのにか!?おまえらひどぇあぐ」
相変わらず自己中な発言をした和也だが次の瞬間、頭上から降ってきた大量の水に潰された。
いつのまにか美月が魔法を発動していたのだ。
「朝っぱらから暑苦しいのよ。これだから炎羅家は・・・。」
「んだとぉ!?美月てめぇ!今日と言う今日は許さねぇぞ!!」
和也は頭を振るって水滴を落とすと、美月に向かって吠えた。
「やれるものならやってみなさいよ!」
「39010555・炎竜」
「52010555・水槍」
二人は同時に魔法を唱えた。このままでは教室が破壊されてしまうので、仕方なく俺も魔法を発動させる。
「83010888・風壁」
すると、今にも激突しようとしている二人の魔法の間に魔法陣が現れ、風の壁ができた。
壁にぶつかった炎と水は分散し、消えてしまった。
なんとか間に合ったようだ。
「二人とも落ち着け!」
『なんで邪魔すんだよ(のよ)!!翔!!』
二人は今にも噛みつかん勢いで突っかかってきた。取り敢えず落ち着かせなければ話もできない。
「お前らは教室を破壊する気か!まず落ち着け。話の途中だろ?」
呆れたように言うと二人はしぶしぶ席に着いた。すると、今まで傍観していた残りの二人も席に着いた。
「ふぅー。やっと終わったか。いつもいつも元気だね。」
「お前今すごく年寄りくさいぞ、理桜。」
「えー、ひどいよケイ。」
「お前らもたまには手伝えよ・・・。」
この二人が和也と美月が喧嘩になると、真っ先に逃げるので、俺だけがいつも貧乏くじをひいているのだ。
「やだよ。そんなめんどくさいこと。」
「俺らには関係ないしな。」
こいつら・・・。
とにかく、炎羅和也・水羅美月・白羅理桜・黒羅ケイそして俺、風羅翔の五人は幼馴染だ。
七羅の人間は魔力が強い。そのため俺たちは魔力によってクラス分けされるこの学校で、俺たちだけの特別クラスである、Aクラスに所属している。Aクラスは生徒会に入ることが決まっているので、生徒会も俺たちしかいない。担任も七羅が一つ、土羅家の人間だ。特別扱いもいい加減にしろと俺は言いたい。
閑話休題。
「話を戻すぞ。和也以外にはさっき話したが、今日は転校生が来る。名前は駿河麗女子だ。属性は火。クラスはB。普通なら昨日のうちから寮に入るのだが、けっこうな田舎に住んでいたようで道に迷って来られなかったらしい。以上だ。」
父さんから聞いた情報を伝えると、和也が嬉しそうな顔をした。
「火か・・・。Bクラスならけっこう強いよな。」
「あんたの頭の中には闘うことしかないの?」
呆れた。と呟く美月に同意したいところだが、今回はそうはいかない。
「残念だが駿河とはすぐに闘うことができてしまう。」
これを聞いて和也はさらに嬉しそうな顔をしたが、他の三人は怪訝な顔をした。
「どういうことかな?」
「駿河に関しての情報が足りない。もともと駿河の家は魔法使いの家系ではない。彼女は五歳のときに突然魔力を得た。こういうことはよくあることだからまだいいが、五歳のときに魔法に目覚めたならなぜ中等部から入ってこない?それに、Bクラスほどの魔力を持っているなら少しぐらい噂になってもいいだろう。だが駿河の噂を聞いたことがない。情報に関しては七羅一の風羅家が、彼女の情報を得られないんだ。必ずなにかがある。」
風羅家は情報収集に強い。この学園の理事であることもあるが、風の属性であるということもある。とにかくその風羅が何の情報も得られない。その重大さは同じ七羅である彼らは一番わかるのだろう。三人は難しい顔をして考え込んでしまった。だが和也は相変わらず闘いのことしか考えていない。
「とにかく闘ってみればなんか分かるかもしれないだろう!!今すぐいこうぜ!!」
俺たちは顔を見合わせてため息をついた。
「そうだな、取り敢えず駿河に会いに行こう。但し、始業式が終わった後にな。」
***
取り敢えず始業式に出るように言われて体育館にきたわたしは正直いって困っていた。Bクラスの席に行くと、いろんな人から声をかけられたのだ。一度にいろんなことを聞かれて混乱していると、見かねた一人の女の子が助けてくれた。
「ちょっとみんな!!駿河さんが困ってるじゃない。質問は後、ほら始業式始まるよ。」
彼女の言うとおりいつの間にか準備は整っていて、こちらが静かになったのを見て始業式が始まった。
「ありがとう、助かったよ。えっと・・・。」
「音無比佐よ。比佐って呼んでね、噂の転校生さん。」
比佐はからかうような笑みをうかべた。
う、噂って・・・。
「あははは・・・。あ、もう知ってるみたいだけどわたしは駿河麗。麗でいいよ。あの・・・ちなみに噂って?」
一体どんな噂がされているんだろうと、おそるおそる聞くと比佐はくすくすと笑った。
「そんなに心配しなくても大丈夫だって、途中編入なんて珍しいからどんな子だろうって噂してただけだよ。みんな中等部から一緒だからね。」
それを聞いてわたしは、ほっとした。確かに高等部からの入学は珍しいらしいし、気になるのも分かる。高一なんだから普通は入学生というところを転校生と言っているのもそれでかな?入学式も始業式だし。
一人で納得していると、後ろから肩をたたかれた。振り返ると、さっき質問してきた人たちの一人だった。
「俺は錦亮太だ。よろしく。さっきは質問攻めにして悪かったな。」
「駿河麗です。ううん、大丈夫だよ。よろしくね。」
その後先生に目でうるさいと怒られて、おとなしく始業式に集中することにした。
友達もできたし、この学園での生活は楽しくなりそうだ。
・・・・、生徒会長の話長いなぁ。
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一応いっておきますと、主人公は麗です。なぜか今回は出番少なめです。すみんません。