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ある冒険者の物語  作者: 丸歩堂
序章 ~冒険者の誕生~
5/6

03  ~戦闘~

お待たせしました。

03 ~戦闘~です

始めての戦闘描写ですが、異様に苦戦しました。

おかしな点もあると思いますが、ご容赦ください。

それでは、ごゆっくりどうぞ。

―――ソレディンキュー丘・近辺の道―――


スコールの目の前に突然現れたのは、体調が80~90センチほどで全身を毛で覆われた、

犬のような耳をしているモンスターだった。

モンスターは手に木の槌を持っている。

槌の形状は長さは普通の戦争で使われるオーソドックスな剣の長さと同じくらいで

重さは普通に斧くらいの重さらしい。

モンスターの名称だが、名前が冒険者でもないスコールにはは分からないので

スコールは便宜上、モンスターと呼ぶことにした。

モンスターはどうやら武器も持っていない、スコールを完璧に狩るべき得物と認めたようだ。先程からこっちを見ている。

後ろを見せたらどうなるかは分からないが、この状況で進んで背中を見せようとは思わない。

しかし、スコールが唯一使える戦闘力になるのは両の腕と、昨日シートンにもらった、

錆びついていて、刃こぼれもしている短剣1本のみだ。

シートンが納品する品物の中から使えそうなものを何とか選んでくれた結果だ。

感謝こそすれ、恨んだりすることはない。

それに

(例え逃げれたとしても、武器がないからなんて理由で

モンスターから逃げている奴に高ランク冒険者なんてなれるははずがない!!)

スコールはモンスターとこの武器だけで戦うことを決めた。

…スコールは生きるためにはどのようなものでも利用するタイプの人間で

強大な敵でも、格下の敵でも常に全力で行け!と父に教えられた。

事実ドリスはどのような敵でも全力で当たるようになった。

強大な敵ならば策を練って倒してきた。

格下の敵ならば全力で油断をせずに常に奇襲などに気をつけて戦ってきた

そのおかげでエキドナ村で生活していくことができたのである。

父ならばこの武器で倒すことは不可能でもその知恵と戦術で撃破もしくは撃退することは出来るだろう。

(父さんに出来るならば、僕も出来るはず!)

「さあ、来い!モンスター冒険者志望のスコールがお前を倒す!」

そうして構えるスコール。

モンスターは何故かコチラに攻め込まずに様子を伺っているだけだった。

(どういうことだ?)

確かに今のタイミングは絶好の機会のはずだったのに、何故攻撃してこない?

と、思っていたが、意識をモンスターに寄せた途端にモンスターも槌を構えて

こちらに向けて駆け出してきた。

走ってくるスピードは一般人からするとすこし速い、といったレベルだ。

(速度検証、終了)

そしてスコールがその場所で立ったままでいるとモンスターが槌を振り上げた。

「なっ!速い!?」

スコールは予想外に隙のない、その動きに驚きながら思い切り横に飛んだ。

モンスターの槌が地面に激突した瞬間――

ゴッッ

という音と共に当たった箇所の地面だけが弾け飛んだ。

どうやらモンスターの攻撃は一点集中型らしい、成る程当たったらダメージで良くて行動不能、最悪、即死だろう。

(攻撃状況、及び攻撃スピード、検証終了)

モンスターの槌を元の位置に戻す速さは大体1秒ほど掛かった。

(速効性、検証終了

 …あとは防御能力だけ!攻撃するチャンスは近接技しかない僕にはモンスターが槌を振り上げているときのみ、

 しかし、あいつに近づくとおそらく槌を横に振られてしまう。どうする?)

そのように思っている間にモンスターがもう一度向かってきた。

先程と同じ動きを繰り返す、スコールはそのとき有る場所にモンスターの致命的な弱点を発見した。

(弱点考査、検証終了、モンスターのあの場所から、ある仮定を推測

 立証に動くべきだと判断する。しかし、念のためあと少しばかり観察を続ける)

その後、3度ほどモンスターが変則的なスピードで走ってきたり、振り下ろすタイミングをわざと遅くしたりしてきたが、

やはりある一点においてだけ動きが同じであることがスコールは分かった。

それが罠なのか、どうかはもう検討がついていた。

ポイントは彼の体躯が一般人よりも小さくて、かつそれでいて腕の筋力の盛り上がり具合のみ

一般人では遥かに届かない域に達していたことがミソである。

他の部位の筋肉は一般人よりすこしだけ上達した筋力しかないことが分かった。

そのため、モンスターが走るときは一般人より少しだけはやかったのに、

攻撃の槌の振り上げに時のみ想像以上に早かったのである。

しかしそれならば何故、槌を戻すときはあれほど遅かったのだろうか?

その理由は簡単である、それは

「モンスターは、腕とその他の筋力とのバランスがとれていない!

 その為に槌を振り下ろした後に若干のタイムラグが出来た!

 それならば、お前の攻撃方法も限定される!!

 すなわちお前の攻撃法方は常に縦振りしかない!

 なぜなら、横に振ってしまったら、足で踏ん張ることが出来ずバランスが崩れてしまい

 自分自身で自滅してしまう!…それがお前の致命的な弱点だ!!」

スコールの言葉が通じなかったのか、もしくは、通じた上で無視したのかは定かではないが、

再度モンスターが突撃してきた。

振り上げのスピードを意図的に遅くしてスコールの隙を作ろうとしたのだが、

当然スコールはそんなものにひっかからない、やがてモンスターの腕に筋肉が盛り上がるのを見ると

最小限の動きで攻撃をよけて…一点集中型の攻撃なので直撃さえしなければ、なにもこわくない。

地面に衝突した瞬間、驚異的な防御力がある腕以外の…例えば下半身を攻撃すれば

「これで…どうだーーー!!」

モンスターの太ももに短剣を突き刺すと、

「ぎゃーーーーーーー!!」

…というおぞましい声と共にモンスターがのた打ち回った。

「無理もない今回は短剣を力任せにたださしたからね、常人をすこし越えるような筋力しかないから

 かなり痛いと思うよ…まだ、やるか?

 僕は何度でも君の筋力のないところを短剣その他で攻撃するよ」

それはハッタリだった。…スコールには武器がもう存在しないので、このまま戦い続ければ負けるのはスコールである可能性が高い。

暫しのにらみ合いの後

モンスターは今度こそ通じたのか短剣を右太ももに突き刺さったまま、槌をふりあげ警戒しながら去って行った。

「ふう、勝った!勝ったぞ!」

なんとか初勝利を飾ったスコールはそれは楽しそうに今の出来事反復した。

「おっと、喜んでばかりいられない、はやくソレディンキューを目指そう。

 僕は驕ってはいけない、それが数少ない父さんの教えだから」

なんとかモンスターを撃退することが出来たスコールは戦いで疲れた体を引きずりながらも

意気揚々とソレディンキューの道を進んでいった。


次回はようやくギルドのある町に着く予定ですが、まだ冒険者にはなりません。

説明などもあるので、おそらく後2~4話ほどかかる予定です。

最後までお付き合いありがとうございました。

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