02 ~遭遇~
GWに用事が入りすぎまして投稿が遅れてしまいました。
このままではマズイ!!
と、思いまして、これからは投稿のペースを
ひとつの話を投稿したら、3~5日のペースで投稿していきたいと思います。
すみませんでした。
それでは、02 ~遭遇~
ごゆっくりお読みください。
―――ソレディンキュー付近の街道―――
村を出て、サリアとの約束から2日後、スコールはエキドナ村からなんの問題も無く、後1日で目的地のソレディンキューに着くところまできていた。
「ふう、お腹すいたな、すこし休憩しよう。それにしても、ようやく此処までこれたな。
もう少しソレディンキューだ。そこで冒険者になるのか」
スコールは恐れと歓喜が混ぜ合わせたような口調でそう言うと村から出る前に持ってきた、携帯食料の入っていた袋の中をのぞくと
昨日見た光景と何一つ変わっておらず空っぽのままだった。
「…携帯食料を昨日の昼から切らしてたんだっけ、今日のご飯はどうするか…
流石に2日間も食料なしで歩くと、シェルパー先生がいっていたモンスターに遭遇したときに戦えないし…
モンスター出遭わないように注意しながら歩いていけば大丈夫かな?」
スコールは村での生活で1日何も食べないなんていうことはざらにあったので、
1日ぐらいなら食べなくても通常行動は出来るではあるが、
先に言ったとおりシェルパー先生からこの場所では最近モンスターが現れているという情報を得たのと、
もう2日間から何も食べていないので、流石のスコールも少しだけでも食べておく必要があると判断した。
しかし実際に食料がないので、
(件のモンスターに出遭わないように神に祈るか)
と思案していると向こうに影が見えた。
「ん…あれは?…人影だ!
丁度良かった、あの人から携帯食料をすこしだけ分けてもらおう」
偶然見つけた人影の方向に向かってスコールは出来るだけ速く歩き始めた。
―――数分後・ある商人の馬車―――
「すいませーん」
先程の人影が見えた場所に行くとその影が商人であることが馬車についている商業ギルドのマークから分かった。
(商人か…お金足りるよね?)
スコールの所持金はシェルパー先生からもらった2ペル30ギルある。
…コレだけの金があれば通常の価格なら十分に携帯食料が10日分は帰るくらいの量である。
…ちなみにこの世界の貨幣制度は、価値の高いものからシリル、ペル、ギル、リルである。
そして、ギルからリルへの両替は世界共通でリル1000枚になりそのほかシリルからペル、ペルからギルは100枚の価値がある
…すなわちスコールは現在はすこし大目の金は持っているのではあるが、商人との交渉術は村にいたときに
村に行商に来ていた友人である商人にすこし教えてもらっただけであるので心配だった。
…しかし、スコールの心配は杞憂だった。
なぜなら、
「なんだ?何か入用か、…だが残念だったなこれは全部エキドナ村に売りに行く商品なんだ。
他を当たってくれ」
馬車から出てきたのは褐色の肌で体が丁度良く引き締まっている美男子といわれる類の青年だ。
スコールは商人の声に心当たりが合った。
「エキドナ村って…まさかシートン?」
「?…なんで俺のこと…ってああ!スコールじゃねえか!」
この青年こそが、彼に交渉術をすこしだけ教えた、スコールが村にいたときの友達の一人である、
シートン=ボナパルタである。
彼は商業ギルドのギルド員で1ヶ月に一回の間隔でエキドナ村に行商に来て
村に来る他の商人よりは良心的な値段で商売をしていたので村からは優遇されていたのだが、
あるとき仕入れミスをしてしまい信用を失いかけたとき、唯一味方として彼を弁護したのが、スコールである。
…影から、彼をそのときから気にかけていたサリアも動いていたが…
なんとか村の民の信頼を取り戻したシートンはその日から今までは避けていた、
ランスロット家と親交を持つようになった。
勿論、シートンとスコール、個人での付き合いはとても仲良くなり、時々スコールはシートンに商人の心得を聞かされたりしていた。
そしていま…
「やっぱりシートンだ懐かしいな!3ヶ月ぶりくらいかな?」
「ああ!…あれ?そもそもなんでこんなところにお前がいるんだ?
オヤジさんはどうした?」
「…父さんはもう…死んだよ」
「え……そうか、あの人が…すまなかったスコール、知らなかったとはいえ」
「ううん…大丈夫だよ、父さんはきっと見守ってくれるはずさ」
「…スコール、…そうだな、きっと見ていてくれるはずさ」
「有難う、シートン」
しんみりとした空気が場を支配しかけたが、シートンがその空気を振り払うように話題を変えた。
「そういえば…なんでスコールがこんな場所にいるんだ?
もう少しでソレディンキューに着いちまうぞ」
「いいんだよ、僕は冒険者になる為にその町を目指しているんだ」
ぴくり、とシートンの眉が上がったことに気づかず、スコールは言葉を紡いでゆく。
「父さんの最期の言葉だし、なにより村を追い出されちゃったから」
「どういう事だ!!」
突然シートンが声を荒げてスコールに向かった
「シートン?ど、どうしたの?」
「どうしたの?…じゃねえ!
村を追い出されたってどういうことだって聞いているんだよ!
サリアはこのことを知ってんのか?」
「う、うん」
首を縦に振ると、シートンは独り言を呟き始めた。
「サリア…ことだ?……なったら…商…薦めるか」
「シートン?」
「スコール!」
「うわっ!
びっくりした、急に振り向かないでよ、どうしたの?」
「スコールに冒険者なんて危なすぎる!…そこで相談なんだが、スコールさ商人になってみないか?」
「商人?僕が?
無理だよ、僕にはそんな能力なんてないからさ、すぐに騙し取られておしまいだよ」
「いや、お前は呑み込みが早いからすぐに俺と同じぐらいの大商人になれるさ!!」
スコールはすこし言うのを躊躇っていたが、すぐに口を開き
「…それでも、僕は冒険者になるんだ…サリアと約束したし、
なにより僕自身がやってみたいんだ」
「だけど!」
「シートン、心配してくれて有難う。」
そういってスコールは感謝の気持ちを精一杯込めて笑った。
父が死んだとき、泣きながらも笑ったあの時と同じような笑みを
「っ!…はあ、わかった、もう何も言わん、しかし、冒険者を目指すからには約束しろ、
俺ももうすぐ必ず大商人になるからその時は、スコール、お前も高ランク冒険者になって
俺のお得意…いや専属になりやがれ!
コレだけは約束しろ!…良いな!」
シートンはそういってスコールの返事を待った。
スコールは最初は驚いていたが、すぐに
「ああ」
強く頷いた。
「それならいい、
しかしスコール気をつけろ最近このあたりでモンスターが出るらしい。
村人が集団で集まったら撃退できるレベルらしいが、それでもモンスターだ、攻撃を受けたら結構なダメージをくらうぞ。
武器があればスコールにあげたんだが、武器の納品が今回はなかったから、今は渡せん
すまん」
「いいんだ…けど」
「けど…?どうした?」
「…食料がほしい」
そのとき
く~~~
あたりに可愛らしい音が響いた。
「あう」
「っぷはははははははっ」
「笑わなくても、言いじゃんか」
「ごめん、ごめん」
「それにそんなに顔を赤らめるほど笑ってさ」
「っ!それはお前の顔が反則級に…」
「なんて?」
「なんでもない!…そんなことより今日は友の祝いの日だ!
存分に食料を振舞おう!」
「良いの?」
「かまわない!こんなときは盛大に祝おうじゃないか!!」
宴会の音は深夜まで続いた…
―――翌日―――
「なあ、スコールもう一度だけ言うが商人になる気は…」
「ごめん…」
「いいさ、じゃあ何も言わないさ…
また会おう」
「立派な商人になれよ」
「おおとも!」
シートンと別れてスコールはソレディンキューの町をひたすら歩いて、
半分程に差し掛かったときのことだった。
ガサガサッ
草むらから噂されていた、モンスターが出てきたのは…
ようやく、次回は初戦闘シーン突入です。
上手くかけるかは分かりませんが、楽しみにしてくれると幸いです。
では、最後までお読みくださって、ありがとうございました。
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