01 another ~決意~
遅れてしまいました!
申し訳ありません!!
とりあえずは前回も書いたとおりサリア視点です。
ごゆっくりどうぞ。
―――エキドナ村・ドリスの家―――
今この場所では私の親友であるスコールの父であるドリスさんの葬式が行われている最中だ。
なぜ私がここに来ているかというと、1つは生前ドリスさんにはいろいろなことを教えてもらったから、
そして二つ目はドリスさんが私の親友のスコールの父であるからだ。
最も葬式に来ているのは私と流民の患者にも全力で治そうとするので村人からは変人と称されているシェルパー先生と
生前ドリスさんが生前面倒を見ていた村の男たち―――名前は覚えてないが―――3人だ。
最初は、あいつらにもちゃんと義理の心はあるのだな、
と思っていたが始まってまもなく、急に喋り始めてこちらを見てきた、と思ったら
その男たちが寄ってきて私に話しかけてきた。
「シャルロースちゃんも来てたの?
偉いねえ、たかが流民の為にそうまでして、このおっさんには過ぎた行為だと思うぜ?
いくらシャルロースちゃんがみんなと分け隔てなく接しているからって、相手は選んだほうがいいぜ?」
「全くだ、もう十分あいつの葬式に参加したからさ、俺らと一緒に戻ろうぜ?
一秒だってこんなところに居たくねえや」
「賛成! そうと決まれば行こうぜシャル?
後のことは、あのガキとジジイに任せてたら大丈夫だぜ。
むしろシャルの為なら嬉々として働くさ」
「違えねえ!!」
「「「ハハハハハッ」」」
一瞬でもこいつらに感心した自分を心の中で嫌悪する。
本当にこいつらはドリスさんに教えられたことへの感謝を一片も持っていないらしい。
正直耳障りだ。この雑音を発するもの達をどうしてしまおうか?ドリスさんを侮辱しただけでなく、
スコールまで侮辱したこいつらを。
私の心の中でこいつらを陰惨に殺す方法を100通りほど思い浮かべたところで我に帰った。
まあいい、こいつ等のことなんて考えている暇があったら、今はドリスさんの死を悲しもう。
彼らはめいめいにこの私とどこに行くかを話し合っていたが、
1人が私が話を聞いていないことに気づいて再度雑音を放ってきた。
「聞いてるのかい?シャル?
まだあの野郎の死を悲しんでいるのかい?
何をそんなに真剣になってるんだ、あの流民ごときに」
続いてもう1人が
「そうだぜえ、なんだって今までこの村に住まわさせてやったのに結局やった事は
俺らに剣の振りかたに対する小言だけだ。
一回だけ俺らに勝てただけなのに師匠ぶるんだぜ?
シャルロースちゃんもかなり言われてただろう?
本ッ当に屑なやつだったよ」
無視する。なぜこいつらは負けたことを認めない?
本当に屑なのはお前らだ。
頼むからもう二度と喋るな、殺してしまいそうだ。
そんな殺気を必死に抑えている私の耳に聞き捨てならない情報が聞こえてきた。
「そういえば、村長から聞いた話なんだが、あのガキこの村から追い出されるらしいぜ。
やっと我がエキドナ村が平和になるよな。
だからさ、シャルロースもうあんな屑を心配すること無いさ。
後はアイツを罵倒してやれよ、クックック
お前ら見とけよシャルロースが今からアイツを絶望のふちに落とすからよ」
「いったれシャルロースちゃん!!」
「あのガキを泣かせてきてくれよシャル」
何……だと?
今あの屑なんて言った?スコールがこの村から追い出される?
ハハッ、冗談にしては面白い、ああ屑がまた口を開く。
愚かなやつだ、そんなにに私に殺されたいのか?
殺意をどのようにしてスコールに気取られず噴出するか考えていると
屑の口からは決して聞こえてはならない単語が聞こえてきた。
「……ア…リア…サリア!聞いてるのかい?」
ブチッ
ああ駄目だ、屑の口からその言葉が出ては駄目だ。
もう許せない、許す気も無い。
せめてスコールにはこんな醜い姿を見せないようにしないと。
横目でスコールのほうを見ると彼は何かを悲しんでいるようだ。
おそらく、この屑のドリスさんへの姿勢を見た所為だろう。
安心しろこいつらに悲しんでもらってもドリスさんは浮かばれないさ、私がそのことを教えてあげるよ。
「サリア聞いていr「黙れ」…は?」
「黙れと言っている二度も言わせるな、それと私をサリアと呼んだことは許してやろう。
私に感謝しろ3人とも父にこのことを言えば生きていないからな。
だがしかし、スコールを侮辱したことは許さない。
ここは葬式中の神聖な場であるから何もしないが、これが終わったあとは覚えておけ、
親友を馬鹿にした罪と親友がこの村から追い出されるという妄言を吐いた罪を悔いながら逝け」
「な…なに言っているんだ!なんであんなガキを」
「あたりまえだろ私の唯一無二の親友なのだから
それと黙れと言っている失せろ!」
「「「ひいっ」」」
そう悲鳴をあげてようやく屑どもが私の視界から消えてくれた。
あの屑どものことはどうでもいい今はスコールを慰めることが私のすることだ。
私は先ほど見たときから少しも動いていないスコールの後ろに立って彼の名を呼んだ。
「スコール」
スコールは振り向くと私の名前を呼ぶ、家族以外に彼だけが呼べる私の名を。
「サリア?どうしたの?」
「いや、ドリスさんが死んでしまって大変だったな。
でも、ドリスさんはきっと、そんな世界に絶望したような顔で見送られるよりも
笑顔で見送られるのを望んでいると思うぞ?」
絶対そのほうがいいさスコール私もお前の笑顔と行動で救われたのだから。
だが彼は自分の魅力に気づかないからきっと、自分を卑下するだろうな。
「…そんなこと無いさ、きっと父さんは僕の笑顔より沢山の人たちの笑顔のほうが
父さんは喜ぶよ。」
…やっぱり分かっていない、ここは私がしっかり教えてあげないとな親友である私がな。
「それは無いよスコール。私はドリスさんからあなたの話を良く聞かされていたんだぜ。
本当に生まれてきてよかったって、何度も何度もそれこそ耳にたこが出来るくらい
私に言ってくるんだ。だから…笑ってあげて?
あんな怒っているような顔よりも…な?
私も一緒に笑って見送るからさ」
私はスコールが安心するように自分が出来る精一杯の笑みを浮かべて言うと
ほんの刹那の間戸惑っていたかと思うとすぐに
「…そうだね、ありがとうサリア」
と泣きながら、そして、微笑を浮かべながら言ってくるから私もそのまま泣いてしまい
しばらくの間、二人で泣いていた。
―――スコール旅立ちの日・エキドナ村・近くの街道―――
私は葬式が終わった次の日のことをスコールを待ちながら
回想していた。
あの葬式のあと屑どもの暴言を父に言った後に父の口から信じられないことを聞いた。
曰く、スコールは本当に村を追放されるのだと。
あり得ないと叫んだ、しかし父ですらスコールを追い出すことには賛成らしい。
もうスコールに会えない、そう悲嘆にくれていると父からスコールは冒険者になって上位ランクを目指していることを聞いた。
父は笑っていたが、私はそのとき決めた。
待っているだけでは会えないなら、こちらから会いに行ってやれば良い。
残念ながら魔法はまだ覚えていないがそんなことは今から覚えていけばよい。
しばらくは父が許してくれないだろうが、すぐに許可してくれるだろう。
なんせ貴族の大半が冒険者ギルドに一応入っているのだから。
しかし私はなぜここまでスコールに固執するのだろう?
親友だから?いや、違う気がする。
まあいいとりあえずは剣の鍛錬を始めねば、私はスコールの旅立ちの日を父から聞いて
剣の鍛錬をするために外へ出た。
私が回想から回帰するとちょうど目の前にスコールの姿が確認できた。
彼はこちらを視認すると驚いた表情をした。
可愛いやつめ
「サリア!」
「よう、見送り出来なくてすまん。どうしても父が許可してくれなくてな
ちょっと無理やりだがさきにここに来ていたぜ」
「そうなんだ、僕はてっきりサリアに嫌われたかと…」
「そ、そんなわけ無いだろう!
全く何考えているんだ、私がスコールを嫌う?あり得ないね」
「そ、そうかな?」
「そうだよ君はは全くそういうところがあるのがいけないだからこのm」
「ごめん!許してくれって」
そういって謝ってくるスコール、フンまあ許してやろう、
私は寛大だからな感謝するといい。心の中でそういいながら私はスコールに
本題を話すことにした。
「ム、分かったならいいだろう。
それよりも本題だ、君は冒険者になるのだろう?」
「うん、父さんにも言われたしね」
「うむ、それならいい…実はな私も冒険者になろうと思うんだ」
「サリアも?」
「ああ、父がまだ認めてくれないが今日から剣技を鍛えていこうと思う
だからもし、万が一にも冒険者になったら一緒に依頼を受けないか?」
「本当に!分かった約束だな」
「ああ、だからスコールも絶対に冒険者になって私が冒険者になる前に
やられたりするなよ?」
「分かった。じゃあまた会う日まで!」
「そっちもな!」
そうだスコール今は別々の道を行こう。
君と次に会ったときまでに私がなぜ君に固執するのかその理由を突き止めて
私と君で上位ランクを目指そうじゃないか。
とりあえずはその日まで、さよならスコール。
遅れました理由は…予約投稿をミスったからです。
…すいません!!!次回からは直接投稿で行きたいと思います。
では、最後まで読んでくださってありがとうございました。
ご意見ご感想お待ちしております。