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一撃必殺!パイルバンカー!~スキルがなくて追放された俺はパイルバンカーで天下を取ってざまぁする~  作者: 喰寝丸太


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第8話 鉱山での日々

Side:スルース


 岩の壁を糞野郎のタックルだと思って、思いっ切りパイルバンカーをぶちかまそう。


 俺は鉄の杭と袋を持って、失敗した場所に行った。

 うん、確かに俺が掘った跡がある。

 今度は上手くやるぞ。


「【バインド、バリヤー、エクスプロージョン、クールウォーター】。タックル、死ね! パイルバンカーを悪く言う奴は敵だ! ひゃっはー、ざまぁみろ! 粉々だ!」


 鉄の杭が空中に固定され、その後ろに結界が出来、結界の中が爆発。

 杭が岩に叩きつけられた。

 ガインと音がした。

 実に良い音だ。

 がらがらと鉱石が崩れる音。


 湯気が立っているがイメージには程遠い。

 もっと立ち込めるみたいに蒸気が出ないと。


 それと、土埃みたいなのが凄い。

 いや砂埃か。

 服は既に全身灰色だ。


 山のふもとの宿泊所には洗濯夫がいる。

 男だ。

 男しかいない。

 だが、風紀は保たれていると聞いている。

 それだけは安心だ。

 何の風紀かは言及しない。


 パイルバンカーは良いんだが、袋を運び出すのが地味に大変だ。

 こういう時の解決方も聞いている。

 ふもとの冒険者ギルド出張所で依頼を出せば良い。

 一日冒険者を雇うのには、銀貨を3枚は貯めないと。

 ええと、100袋運ぶのか。

 苦行だな。


 効率的に悪い。

 トロッコがあるのは知ってる。

 でも、そういう場所は既に占領されていた。


 生活が懸かってるから、みんな必死だよな。

 俺の肩にはパイルバンカーが懸かってる。


「パイルバンカーの為ならえんやこら。一撃必殺のためならえんやこら」


 担ぐのは重いので、引きずる。


「ありゃ、袋に穴が開いた」


 ロケット加速で吹っ飛ばすか。

 袋が破れて大惨事になりそうだな。

 うーむ。


「【フロート】、何で最初にこれを思いつかなかったんだ」


 魔力なら腐るほどある。

 鉱石袋を一日中浮かしても平気だ。

 平民なら使えない手だな。


 貴族の血も悪くない。

 でも浮いている鉱石袋を押して、坑道の中を歩くだけでも、かなり体力を使う。


 くそっ、5袋も運んだら眠くなった。

 子供の体力のなさを舐めんなよ。


 腹も減っているので、札一枚で軽食を買う。

 栄養バーみたいなのだが、わりあいに美味い。

 腹が一杯になって、救護所のベッドで寝る。

 沈み込む感覚。

 そして、飛び起きた。


 寝てから起きるまでが一瞬だ。

 夢すらみない。


 隣に聞くと2時間ぐらい寝てたらしい。

 さて、またパイルバンカー撃ちまくるぞ。


「【バインド、バリヤー、エクスプロージョン、クールウォーター】。おー、今回も大漁、大漁。大漁旗を振りたい気分」

「音が聞こえたので来てみたが、凄いな。坊主がひとりでやったのか」

「まあね」

「俺は坑道の外に鉱石を運ぶ仕事をしてる。一袋、鉄貨2枚だ。坊主の儲けは一袋、鉄貨8枚。どうする?」


 安いな。

 効率が良いと見た。

 これは頼むっきゃない。


「お願いします」

「袋が8個だから、木札6枚と鉄貨4枚だな」


 木札と鉄貨を貰った。


「合ってるよ。ここで貰っていいの?」

「ああ、ここで払わないと持ち逃げされたりするだろ」

「まあそうだよね。今日はここで掘ってるから、また頼む」


 運ぶ必要がないので、パイルバンカーで掘りまくる。

 運搬役がやってきて、驚いた。


「こりゃ、俺だけじゃ無理だな。仲間に声を掛けて来る」


 俺はかなり金持ちになった。


 採掘の仕事はちょろすぎ。

 いいや、パイルバンカーが偉大なんだ。

 さすがパイルバンカー。

 さすパ、万歳。

 いよっ、お大尽様。


 でも、金なんか要らない。

 欲しいのは、パイルバンカーの上達。

 パイルバンカーに慣れてはきてるが、歩みは遅い。


 頭打ちになっているような感じではないから、これで良いと思うのだけど。

 ザコ汎用機ゴブリンでもできる魔法による宇宙戦艦をパイルバンカーで撃ち抜くためのレッスンとかいう本が手元にあったらな。

 そんな本なら金貨1万枚でも買うのに。


「【クリーン】」


 洗濯も風呂も要らない。

 魔法で綺麗さっぱりだ。

 口の中に入った砂が、うっとうしい。


「【マウスウォッシュ】」


 これで、解決。

 綺麗になった。

 歯磨きの魔法も役に立つ。

 ほんと、魔法は便利だよな。

 家電扱いだけどね。

 物によっては、現代製品をりょうがしてる。


 魔法の地位がもっと高くても良いんだけどね。

 そういえば、他の人の掘っているところを見たことがない。


 ラークさんは、俺の近くで掘ってる。

 ちょっと、見学してみよう。


 邪魔にならないように、ラークさんから少し離れた地面に座った。


「武器強化」


 ラークさんの、つるはしが光を帯びる。

 そして、つるはしが振り下ろされ、岩壁が崩れる。

 やるじゃん。


 スキルもかなり強いな。

 俺のパイルバンカーはまだまだだ。

 全力でパイルバンカーを放って、ラークさんの一撃と同じぐらいかな。

 ちょっとずつ強くはなっているとは思うんだけどね。

 1日ぐらいでは、進歩は見えない。


 杭をセットする手際が早くなって、目標の場所も外さなくなって、詠唱も早くなった。

 こういうことの進歩はかなりみえてはいる。

 こういうのも大事。

 起動までのスピードが生死を分ける場合もあるからね。


 ラークさんは、砕かれた鉱石を袋に入れ始める。

 そして、運ぼうとして俺に気づいた。


「よう、元気にやってるか?」

「うん、絶好調。でも不満はあるけど」

「完璧なんて物はない。ベストを尽くすだけだ。ベストを尽くしていれば、完璧に近づく」

「そうなんだけどね」


 もどかしいんだよ。

 理想が遠すぎてね。


 ベストを尽くせか。

 名言だな。


 じゃあ、ベストを尽くしますか。


「【バインド、バリヤー、エクスプロージョン、クールウォーター】。ひゃっはー。何度やっても、たぎるぜ」


 だって、日本じゃパイルバンカーは打てない。

 火薬とかの免許を取れば別だけど。

 サラリーマンをしてて、パイルバンカーを自作してなんて、やってたら、逮捕されるかも知れん。

 武器だからね。

 銃ではないけど、火薬を使った武器は不味いだろう。


 前世で調べてみたけど、アウトみたいだった。

 鉱山とか、工事現場とか、何かそういう目的ならセーフかも知れないけどね。


 異世界は良いな。

 パイルバンカーが免許や法律の枷なく打てる。


 幸せという以外にない。

 ロボを作って、パイルバンカーで戦いたい。

 異世界なら可能だ。


 理想の遠さにおののいている場合じゃない。

 まだ子供だけど、人生は短い。

 一度、人生を終えたから知ってる。


 一秒も無駄にできない。

 睡眠と食事の時間以外は、パイルバンカーだ。


 撃ちまくるしか進歩しない。

 俺は天才ではないから、この道しかない。


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