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一撃必殺!パイルバンカー!~スキルがなくて追放された俺はパイルバンカーで天下を取ってざまぁする~  作者: 喰寝丸太


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第7話 横流し事件

Side:タックル


 取引まで、あと50日ほど。

 その日が来れば、このゴミ溜めからおさらばだ。


 タックルという名前は偽名。

 地元で喧嘩して人を殺してしまった。

 殺してしまったことを別に後悔などしてない。

 殺される奴が悪い。


 弱い奴は、強い奴に文句を言う権利などない。

 世の中の常識だ。

 不味いのはお尋ね者になったことだ。

 名前を変えて、このゴミ溜めに流れてきた。


 ゴミ溜めに来たかったわけじゃない。

 このゴミ溜めに来る前に、でかい取引をしたのだ。

 それが、鉄鉱石の横流し計画。


 計画は簡単だ。

 鉱石の運搬を坑道の中で持ちかける。

 掘るだけをしたい奴とか、掘り過ぎて運ぶのがめんどくさい奴とかは話に乗ってくるだろう。

 俺の仲間が、掘った奴に偽木札を渡してから、秘密の保管場所に鉱石を運ぶ。

 秘密の保管場所と呼んでるが、秘密でも何でもない。

 鉱石を運び込むのを大勢が目撃してるからな。

 ただ、その保管場所から、街に運ぶための依頼が出ないことになっている。


 これだけだ。


 偽の木札がばれない限りは問題ないはずだ。

 俺が寝泊まりしてる宿泊所の部屋の床板を剥がす。

 木箱を中を見ると、偽木札の枚数が少ない。


 よし、仕入れてくるとしよう。

 ふもとの街道から少し離れた山の中の森に入り、人が見てないのを確認。

 手紙を運ぶ鳥を飛ばす。


 森の中でしばらく待つと、男がやってきた。

 ウータルフ商会の従業員だ。

 鉱石を入れる袋を3つ担いでる。

 腰には鳥の入った鳥かご。


「約束のぶつだ」


 鉱石袋を開けると、偽木札がぎっしりと詰まってた。


「おう、ありがとさん」

「鉱石の集まり具合はどうだ?」

「かなり集まってる。大体、2千袋ぐらいだな。取引の日までに目標達成はなんとかなりそうだ」


「鉱石を運び出す時には収納鞄に鉱石を入れて運び出す。その時に現場を押さえられたら、店にある全部の収納鞄が没収されるんだぞ。収納鞄は、ひとつ金貨1000枚以上もするから、超大赤字だ。店がかなり傾くぐらいのな」

「分かってるよ」


 鳥かごと鉱石袋を受け取って、山を登る。

 ウータルフ商会との繋がりと偽木札は部下に秘密だ。

 裏切りも考えないといけないからな。


「給料を支給する。並べ」


 部下に偽木札を給料として支払う。

 馬鹿な奴らだ。

 価値のない物をもらって、俺の言いなりなんだからな。

 もっとも、偽物だとばれなきゃ、ここでは偽木札は金と同じだ。


 現場の黒幕と会う。

 こいつは、ブルカスでギルドの幹部だ。


「タックル、誰にも見られてないな」

「そんなへまはしませんぜ」

「秘密の保管場所はギルドで指示してることになっているのは、俺のおかげなんだから感謝しろよ」

「取引が終わったら、ブルカスさんが危なくなりゃしませんか?」

「秘密の保管場所から、依頼で冒険者が街に運んだと細工する。その冒険者の一団が、鉱石を奪ってとんずらしたということにする」

「幽霊冒険者ですかい?」

「この日のために、コツコツと幽霊冒険者を作ってきたかいがあった」


「ええと、鉱石をちょろまかすのに、鉱夫達に偽木札を払っているのは何でですかね?」

「消えた鉱石で、ギルドに損が出る。俺が責任を取らせられるかも知れん。その時に消えた鉱石の捜査をして、偽木札の存在に俺が偶然気づく。俺の大手柄で、鉱石の件はチャラだ。偽木札は没収。偽木札を持っている鉱夫達は大損だな。ギルドの損が少なくなる。批判の声も収まる」

「どっちに転んでも、損しないというわけですか?」

「ふはははっ、そういうことだ」


 秘密の保管場所に行って部下の仕事を見る。

 仕事と言っても関係ない奴を近づけさせないだけの仕事。

 見張りというか門番だな。


 秘密の保管場所は廃坑だ。

 入口も鉄の扉で、厳重にしてある。

 鍵も付いてる。


「タックルさん、お疲れ様です」


 門番が鍵を開け、鉄の扉を開ける。


「どうぞ、お入り下さい」


 こいつらは取引の日に死んでもらう。

 鉱石を奪った奴の顔を証言されたら困るからな。


「【ライト】」


 光の魔法で灯りを点ける。

 中は、ひんやりとして少し湿っていた。

 独特な石の匂いがする。

 この匂いが大嫌いだ。


 先が見えない奥まで、鉱石の袋が並んでる。

 だが、鉄鉱石は安いから、金額にしたらウータルフ商会にとってはそれほどでもない。

 俺にしてみたら大金で、一生手にはできない金額だろう。


 この後、部下に数を確認させよう。

 なに大体の数がわかりゃいい。

 使えない奴だって数ぐらい数えられる。

 10ぐらいの数を間違っても、黒幕達は文句は言わない


 ちなみに、秘密の保管場所に鉱石を溜めているのは、秘密の保管場所の鉱石を一括でウータルフ商会が買うと予約してるからだ。

 鉱石が消えたら、ウータルフ商会はギルドから違約金を取ると思う。

 俺ならそうする。

 ハイエナだ。

 骨までしゃぶりつくす気だ。


 俺なんかケチな小悪党だ。

 きっと、偽木札を作ってる贋作師は、街にいるんだろうな。

 ウータルフ商会は顔と名前を知らせないで、仕事させているはず。

 事件が発覚したら、逮捕させて一件落着か。

 本当の黒幕は捕まらない。


 俺もトカゲの尻尾にされないように、気をつけないと。

 鉱石が消える日の取引で金をもらって、とんずらする計画。

 逃げ切れるはずだ。


 金を貰ったら、すぐに逃げれるように逃がし屋を手配してある。

 逃がし屋とウータルフ商会の接点はないと情報屋で確かめたから、いけるはずだ。


 問題は取引だ。

 金を貰う瞬間が危ない。

 なので、取引には部下を使う。


 取引での仕事は、秘密の保管場所の鉱石の確認と、金を貰うだけだ。

 どっちも俺でなくても良い。

 金を貰う奴は一番裏切りそうにない奴を選んである。


 多少のリスクは仕方ない。

 危ない橋なのは分かってる。


 金を手にして無事逃げられたら、しばらくは無法都市にでも潜伏しよう。

 あそこなら、金さえあれば安全だ。

 夢なんか、くだらない。

 金を手にして、豪遊すれば、憂さなど晴れる。

 実際の形ではない夢なんて、負け犬の妄想だ。

 俺は手にした金以外信じない。


 ふもとのギルド直営の食堂に行く。


「一番良いワインをくれ」

「木札100枚ね」


 偽木札を渡す。

 値段にして銀貨3枚のワインか。

 街なら高いワインは金貨でないと買えない。

 安酒だな。

 これぐらいの贅沢は構わないはずだ。


 偽木札がなくなれば、また仕入れれば良い。

 俺が苦労するわけでもない。


 偽木札は、木の板に焼き印しただけだからな。

 鉄の偽印があれば、量産するのはそんなに難しくない。

 冒険者ギルドも馬鹿だな。

 実際のお金を使っていれば、こんなことはできない。


 木札は金みたいな物だから、それを作りたい気持ちは分かる。

 俺だって、好きに金を作り出したいよ。

 貴族になったらできるのか。


 夢だな。

 糞な夢はみない。

 どうせ、叶いっこない。

 チャンスがあれば、絶対に飛びつく。

 流れていれば、いずれそんなこともあるかもな。


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