第52話 邪神復活
Side:ガセイン
エローラめ、使えない奴だ。
切り捨てる予定ではあったが、これはまずい。
俺に捜査の手が伸びるのも時間の問題。
口封じしないと。
酒場で考える。
「浮かない顔ですね」
あの支援者の男だ。
事情を話す。
「ではこれを使ってください」
差し出されたのは4つの玉のネックレス。
「これは?」
「エローラ嬢の首に掛ければ、証拠はなくなります」
「牢までどうやって行く?」
「我々が手配します」
「よし任せた」
男に言われた通りの時間に王城の牢に忍び込む。
見張りも牢番もいない。
どうやったのかは知らないが、使える奴だ。
「エローラ、助けに来てやったぞ」
「ガセイン様。愛しております」
「この古代魔道具のネックレスを掛けると、脱出できる」
「はい」
馬鹿な女だ。
エローラがネックレスを掛けると玉が弾けて、骸骨と悪魔とオークキングと堕天使が現れた。
「復活したな。聖者に倒されたが、こんな汚れた者がいるとは僥倖だ」
「まさしく」
「ブギッ」
「そうですね」
エローラは干からびて塵になって散った。
骸骨の手のひと振りで、牢の鉄格子が錆びて砂になる。
こいつら、スルースの関係者か?
こんな手を使ってくるとは。
逆らわなければ、良かった。
見事過ぎて、敵う気がしない。
完敗だ。
「寄るな! 俺はガゼイン・エクスカベイトだ!」
「この男を邪神様の依り代にしようと思うが、どうだ?」
「良いだろう」
「ブギッブギッ!」
「ここまで汚れた魂なら不足なしですね」
やめろ。
俺の意識は途絶えた。
Side:スルース
夜中に強烈な揺れ。
地震か?
日本からの転生者である俺は慌てない。
救助しないと、ゴーレムの出番だな。
王都の外にある基地でゴレームに乗り込み、崩れた城壁から王都に入る。
そして、夜明けまで救助活動。
パイルバンカーを使う出番がなかったのが残念。
がれきの下の人を助けるのにパイルバンカーで吹っ飛ばすようなことはしない。
元聖なる杭、ナノマシン杭のナノが暴れ出す。
「おいおい、どうした?」
「4魔王と邪神が復活した。どうなってんの。こんな無茶苦茶。想定してない」
「ふーん、そいつら、でかくて硬いのか?」
「それはね。ペットの従魔なんて、街ぐらいの大きさよ」
おお。滾る展開。
胸熱だな、こういう展開を待ってた。
「よし、行くぞ! 皆殺しだ!」
「ええっ、4魔王と邪神なのよ」
「来い、強化パーツ」
俺はある仕草をした。
しばらくすると、リリアンヌが現れる。
「スルース様、お呼びですか?」
「ああ、早朝に済まない。世界の危機らしい。手伝ってくれるよな?」
「はい、喜んで」
リリアンヌをおぶって、出撃。
ロケット加速。
見えて来た。
でかいとは言われてたが、凄いな。
地中と地上と空か?
「ひとつ足りないな」
「足りないのは異空間モンスターよ」
へえ、このでか物はモンスターか。
まずは空の奴からかな。
形は空飛ぶクジラ。
金属光沢があるから、宇宙船みたいだ。
鹵獲して、改造したい。
だよな。
サイボーグにできないかな。
できたら、もう宇宙船と言っても良いな。
とりあえず鹵獲を目標にしよう。
クジラの背に着陸。
レーダーないのかよ。
がっかりも良い所だ。
ミサイルとレーザーの雨を踊るように潜り抜けて、一撃が恰好良いのに。
普通にパイルバンカーを撃っても駄目だよな。
その時、クジラが口から黒い光線のブレスを吐いた。
森が一瞬で黒くなったのが解った。
「そんなに出したいなら、出させてやる。むっ」
ナノが光を発し始めた。
「ナノどうした?」
「人々が神に祈ってます。その力です」
「オッケー」
いっちょやるか。
クジラの尻尾に行って下に回る。
あそこだ。
「あれって、ちょっとあれに私をぶち込むつもり」
「まあな。やるぞ。【アラーム、バインド、バリヤー、エクスプロージョン、クールウォーター、パヒューム】、浣腸パイルバンカー」
「いやぁぁぁぁぁ!」
光が吸い込まれるように入っていく。
とっさに避けた。
肛門から、モンスターが大量に吹き出す。
ほとんどは地面に落ちて死んだ。
生き残ったのは飛ぶ奴だけだ。
あれが大将か。
黒い翼の天使だな。
そして、クジラがなぜか空中のモンスターに白いブレスを浴びせた。
モンスター達は白い何かになって落ちて行く。
大将だけが残った。
敵の大将が喚いているが、そんなの聞いても仕方ない。
「問答無用。【バリヤー、エクスプロージョン】、ロケット加速。【アラーム、バインド、バリヤー、エクスプロージョン、クールウォーター、パヒューム】、パイルバンカー!」
堕天使野郎は体に風穴を開けて、落ちて行った。
楽勝だ。
お次は地上。
でかい黒い骨でできたイモムシ。
クジラが白い光線でイモムシを攻撃。
当たった場所が白くなる。
「俺の出番を取るなよ」
さて、虫野郎はどうするかな。
「また、あそこは嫌ぁぁぁぁ!」
虫の肛門はどこなのか知らない。
穴みたいなのがいくつもある。
「もしかして、こいつアンデッドじゃないか。ナノ頑張れ」
「そういうことなら任せて。いま力が有り余っているから」
「【バリヤー、エクスプロージョン】、落下メテオ。【アラーム、バインド、バリヤー、エクスプロージョン、クールウォーター、パヒューム】、メテオ浄化パイルバンカー!」
イモムシは一瞬で白くなり、黒い骸骨を吐き出した。
そして、イモムシが白い糸を吐いて、骸骨を拘束。
クジラが白い光線を浴びせると、骸骨の動きは止まった。
「【バリヤー、エクスプロージョン】、ロケット加速。【アラーム、バインド、バリヤー、エクスプロージョン、クールウォーター、パヒューム】、浄化パイルバンカー!」
骸骨は消え去った。
ちょろいぜ。




