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一撃必殺!パイルバンカー!~スキルがなくて追放された俺はパイルバンカーで天下を取ってざまぁする~  作者: 喰寝丸太


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第49話 座学

Side:スルース


 座学の授業。

 魔力パイルバンカーを槍ながら、もといやりながら、聞き流した。

 槍というのはあながち間違ってはいないけど。

 いいね、これは杭。

 槍などではない。

 槍ほど長いパイルでも杭。

 譲れない一線なんだ。


「そこっ、スルース君。聞いていたのかな。立って、騎士の礼をやってみなさい」

「はい」


 軍隊式の敬礼なら知っている。


「イエッサー! 自分になにか御用ですか?」

「敬礼は良いが、その台詞は何だね?」

「軍隊ではこうすると教わりました」

「どこの軍隊だね?」


「目流気亜軍です」

「聞いたことがないな」


「軍曹でしたが、脱走しました」

「軍歴があるのだな。ふむ、よろしい。染みついた習慣は抜けない物だ。座ってよろしい」


 ちょろいぜ。

 次は兵士指揮。


「良いかね。重要なのは実際に戦場で起きていることと、司令部の認識は食い違いがあるということだ」


 そうだな。

 司令部のミスで全滅は多い。

 アニメや映画とかだとそうだ。


「しかし、スキルがあればそういうことも解消できる。いかに、伝達を正確にするかが、戦いを左右する」


 異世界はロマンがないな。

 無線妨害で、指揮系統が滅茶苦茶になって、単独で敵司令部を破壊とかがロマンなんだよ。

 パイルバンカーを動力炉にぶち込んで、爆発に巻き込まれながらも、なんとか生還。

 そして英雄になる。

 そんなのが盛り上がるんだよ。


 仲間が主人公の名前を叫ぶのがお約束。

 そして、炎の中から機体が飛び出す。

 バラバラになりながら、仲間の下に生還。

 みんな涙で迎え入れて、馬鹿野郎と背中を叩く。

 ハイタッチ。

 そして、ヒロインと見つめ合ってから、抱き合う。

 これでしょ。

 これが良いんだよ。


 結ばれたかどうかは重要じゃない。

 こんな奴と結婚したら不幸になるから、結ばれない方が良い。


 それか相打ちエンドも良いな。

 仲間の無茶しやがってみたいな台詞で終わる。

 実は生きていたみたいなのがちょろっと出てくるパターンもあるけど。

 酷いのになるとしれっと生き返ってきて、何も説明しない。

 いや別に良いんだけど、どうやって生き残ったか気になるじゃないか。


 漫画だと締め切りに追われるから、そういうのが無茶苦茶なのはある程度許せるけどな。


「スルース君、敵兵を見つけた報告の仕方をやってみなさい」

「はい、敵兵を見つけたので殲滅しました。以上です」


「はっ、何を聞いていたのかね。敵の人数とどこに向かっているかだとか、重要な情報があるだろう」

「鹵獲品と敵司令部の殲滅報告を忘れてました」


「君は敵兵を見つけたらそうするつもりなのか?」

「はい、皆殺しが基本です。要塞の心臓部をパイルバンカーで一撃、要塞が爆発する前に離脱です」


「他には?」

「速さです。把握や対処ができないスピードで接近。敵の激しい攻撃を翻弄して、要塞内部に侵入。そして、撃破です」


「敵兵発見がそういうことになるんだね。ふむ、馬鹿なのか天才なのか判らん」

「先生、スルースは馬鹿ですよ」


「たしかに成績は芳しくない。しかし、天才はなみんなこんな奴だ。頭のネジが何本か抜けている。私もただの馬鹿に見えるがね」


 笑いが講堂に満ちる。

 パイルバンカー馬鹿なのは自覚している。

 好きなんだから、しょうがないだろう。


「先生、敵兵を皆殺しにして、どうやって司令部を見つけるのですか?」

「スルース君、答えたまえ」


「イエッサー、長距離レーダーの強化パーツを使います。無い場合は何か他の手段を考えます」

「うむ、全然解らん、この中で理解した者がいるかね?」


 誰も声を上げない。

「はい」


 ウンクラが手を上げた。


「ウンクラ君、何だね?」

「詐欺師の戯言は天才の言葉に聞こえると言われております」


 そうだ、そうだの声が上がる。


「ふむ、では仮に詐欺師なら、その言葉の語源があるだろう。それに、スルース君、理屈を説明しなさい」

「イエッサー、レーダーとは電波を発射して、その反射を拾って識別する物です」

「解らん、私は普通の元軍人であって、技術士官などではない」


「音の反射でコウモリは位置を把握します。それを電波でやるだけです」

「聞いたかね。理解できた者はいるかね?」


「くっ、いつか……その化けの皮を剥いでやる……」


 次の座学は騎士道だ。

 退屈なので聞き流す。


「スールス! 騎士道を馬鹿にしているのか! 貴様、聞いてないだろう!」

「聞いてますよ」


「では一対一の戦いで、相手が剣を落としたらどうする?」

「パイルバンカーを撃ち込みます」


「騎士道に背いた行為だとは思わないのか。そもそもパイルバンカーとは何だ?」

「これです」


 木の杭を見せた。


「その、手首から肘ほどの長さの武器で戦うのか? ならば、騎士道に背いているとは言えないな。こてのパンチの方が強そうだ。それに距離を取れば、剣は拾えるだろう」

「先生、スルースは詐欺師なんですよ。誤魔化したに過ぎません」


 ウンクラは頑張っているな。


「なるほどな。スルース、相手が範囲攻撃のしかも遠距離スキル攻撃をしてきて、後ろに村人がいるとする。どうするか答えなさい?!」

「パイルバンカーで蹴散らして、そして接近。パイルバンカーを撃ち込みます」


「そんなことができるのか。ならばやってみろ。多弾火球」


 魔力パイルバンカー。

 蹴散らして、ついでに先生にも魔力パイルバンカーを撃ち込んだ。

 スキルの火球は魔法の火球と仕組みは一緒。

 規模と強さと魔力効率が違うだけだ。

 こんなの敵ではない。


「何だ? 何が起こった! くっ、何で鼻血が出ている? 接近されたのか? 攻撃された?」

「先生、奴の術中に嵌ったらいけません。こいつ詐欺師なので、手品の類を使ってます」


「どんな手であろうと見事だ。奸計や卑怯な手段でない以上、認めざるを得ない」

「何で誰も解ってくれない。劣等生だぞ。落ちこぼれだぞ」


 ウンクラは熱くなってるな。

 戦いは冷静な方が勝つ。

 熱くなるのはパイルバンカーを撃ち込む瞬間だけだ。


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