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一撃必殺!パイルバンカー!~スキルがなくて追放された俺はパイルバンカーで天下を取ってざまぁする~  作者: 喰寝丸太


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第40話 俺のパイルバンカーの活躍はこれからだ

Side:スルース


 さあ、金も十分貯まったし、マネーパイルバンカーをするぞ。

 リリアンヌが集めた情報によると、実家の領地の冒険者の狩場が移ったらしい。

 それで、景気が悪くなった。

 もともと、そんなに裕福ではない。


 実家のエクスカベイト家は金に困って、ミスリル相場に手を出したらしい。

 ギャンブルみたいな相場に手を出すなんて、馬鹿過ぎる。

 俺ならそんなことはしない。

 地道に特産品でも開発する。


 ミスリルの値下がりを見越して空売りしたのなら良いが実際は逆。

 ミスリルを買い込んだ。

 ミスリル鉱山の効率はさらに良くなるのにな。


 リリアンヌにミスリルを放出するように言って、ミスリルの値段を下げさせた。

 実家はしばらく耐えていたが、たまらずミスリルを売った。

 売ったところを俺が大量に買い込む。

 リリアンヌの家はミスリルの放出をやめる。

 ミスリルの値段が上がる。


 実家は、損を取り戻そうと買いに掛かる。

 俺は買った分を、リリアンヌの家は鉱山からミスリルを放出。

 ミスリルの値段は下がり実家はまたもや大損。

 インサイダー取引がない異世界がとっても良い。


 実家は借金を始めた。

 俺はその債権を少し高い値で買いまくる。

 相場で儲けた金を使ってだ。

 さあ、マネーパイルバンカーを撃ち込もう。


「当主に取り次いでもらいたい」


 俺はエクスカベイト邸で門番にそう言った。


「約束のない方はお取次ぎできません」

「紹介状ならある」


 リリアンヌに書いて貰った紹介状を出した


「しばらくお待ちを」


 門番が確認に行く。

 しばらく経って。


「お会いになるそうです」

「そうか」

「勝手に入られては困ります。ご案内します」

「案内など要らない。家の間取りは覚えている。玄関を入って、廊下を真っ直ぐ進み。右手の2番目の扉が執務室だな。そこにいるんだな」

「なぜそれを」

「決まっている。前に来たことがあるからだ」


 ずんずんと進み、ノックもなしに扉を開けた。


「久しぶりだな」

「誰だお前は?」


 糞親父はいぶかし気に俺を見る。

 息子の顔を忘れたか。


「俺はスルースだよ、糞親父」

「お前、生きていたのか?」

「死なないよ、最強のパイルバンカーがついているからな」

「なんの用だ?」

「勘当を取り消せ」


「できるわけなかろう」

「これを見ても言えるかな」


 俺は債権を見せた。

 マネーパイルバンカー炸裂。

 どうだ経済的に貫かれただろう。


「これは我が家の債権。お前が買ったのか?」


 糞親父の顔色が変わった。


「ああ、買ったさ。そうだ、糞親父。隠居しろ。後は俺が継いでやる」

「何だって」

「驚くほどのことじゃないだろう。当主は一番強い奴がなる」

「そんな理屈はない。我が家は、武家でも騎士家でもないんだからな」


「そうか、借金の返済時期が楽しみだな。言っておくがミスリル相場では儲けられないぞ。うちはミスリル鉱山を所有している。価格操作などお手の物だ」

「嵌めたのか?」

「ああ、強化パーツを手に入れるために、必要だったからな」

「強化パーツ?」

「リリアンヌ嬢だ。婚約してスキルを俺が自由に使わせてもらう。パイルバンカーの更なる発展のためにな」

「言っていることが分からん」

「分からなくても良い。隠居しろ」

「エングレイ家がバックについているのだな。仕方ない。わしももうろくしたようだ。これも時の流れか」


「最後に聞きたいが、母エリーゼの死には関わってないだろうな?」

「当たり前だ」

「なら良い」


 嘘を言ってる顔ではない。

 ノックもせずにガセインが飛び込んで来た。


「ノックもしないとはな。何様のつもりだ。新しい当主の前で無礼だぞ」


「父上、隠居するって本当ですか?! そして、こいつに跡を継がせるって! 血迷ったのですか!」

「すまん、相場で失敗して、領の一年分ぐらいの損失を出した。もう、スルースに明け渡すしかない」

「スルースと名乗ってるこいつは偽者です。エングレイ家が用意した偽者です。裏の者のスキルなら、顔を変えられます」

「誰がそんなことを言った?」


 ガセインが飛び込んできたのが早過ぎる。

 情報収集系のスキルだとは思うが、こいつのスキルはそうなのか。


「知り合いの女の子だ。エングレイ家の企みを全て話してくれた。このスルースは、エングレイ家の子女のリリアンアンヌと親しい。だが、表に現れたのは最近。顔を変えた偽者の証拠だ。どう調べようが、過去が出て来ない」


 ミスリル鉱山で9年近くこもってたからな。

 知っているのはヤーマルさんだけだ。

 ヤーマルさんが、俺のことを話すはずはない。

 裁判になったら、ヤーマルさんに証明してもらおう。


「まあ、どう思おうが良いがな。好きにしろ。お前が借金を返すのか?」


「お家簒奪は犯罪だ。いつか化けの皮を剥いでやる。罪人なら、追い出せるからな」

「好きにしろ」


 そう言って、俺はその場を後にした。

 一度も会ったことのない貴族が、リリアンヌの婚約の仲介人。

 エングレイ家のお茶会で、リリアンヌとは見知った間柄なのに、仲介人がふたりの自己紹介をする。


「初めまして、エクスカベイト家、当主のスルースです」

「初めまして、エングレイ家3女、リリアンヌですわ」


 俺達は挨拶した。

 ふたりともその後は喋らない。

 微笑みながら、見つめ合うだけ。

 俺は強化パーツが手に入って、祝杯を挙げるぐらい嬉しい。

 なんでかは分からないが、リリアンヌも嬉しそうだ。


 俺がリリアンヌだったら、ここまでに私とパイルバンカーのどちらが好きなのと詰め寄っているところだ。

 仕事中毒の奴が、妻や恋人に愛想を尽かされるパターンだな。

 それぐらい俺はパイルバンカー中毒だ。

 そばにいるリリアンヌが分かってないはずはないんだがな。

 不思議だ。

 女の考えは分からん。


 顔合わせは終わった。


 そして、俺は仲介人に婚約したい旨の手紙を出す。

 仲介人がリリアンヌに返答を聞いて、両者オッケーなら、婚約文書に署名して、終わりだ。


 無事、婚約は整った。

 強化パーツが手に入った。


 試し撃ちしたい。

 その場所は既に確保してある。


 山をひとつ買ってあるのだ。

 金属成分分析魔力パイルバンカーで、地下にミスリル鉱石があるのが分かっている。


「では、リリアンヌ。やってくれ」

「【魔法増幅】、完了です。いつでもどうぞ」

「耳栓装備!」

「装備完了ですわ」

「たぎるぜ! 強化全力パイルバンカー!」


 ジャキンという微かな音と、雷鳴の何倍もの大きさの爆発音。

 耳栓してこれだ。

 黒いアダマンタイトの杭が、山に穴を開けて洞窟を作る。

 耳栓を外した。

 プシュー音がして、終わり。


 このパイルバンカーは結界で、反動が来ないように、完全に固定してある。

 この反動はいくら俺でも味わえない。

 何キロも吹っ飛んだら、さすがに死ぬ。


 二人で作った洞窟に入る。

 しばらく歩いていたら、壁の色が変わったのが分かった。

 ここからはミスリル鉱石らしい。

 サンプルを採って、終わり。


 あとはエングレイ家に任す。

 鉱山の管理など、俺の仕事ではない。

 エクスカベイト領は現在、リリアンヌが連れて来た代官が全て取り仕切っている。

 めんどくさい仕事は丸投げだ。

 裏切られても痛くない。

 パイルバンカーさえあれば、他は何も要らない。

 強化パーツのリリアンヌは絶対に手放さないけどな。


「とりあえず、次は何をしようかな」

「騎士学園に入学されたらいかがですか? 貴族なら、よっぽどの理由がない限り、王国立の学園を卒業するものです」

「うん、騎士学園か。試験とかあるの?」

「そこはマネーパイルバンカーですわ」

「リリアンヌ、分かってるね。いいね、盛大にぶっぱなそう」


 裏口入学でも気にしない。

 パイルバンカーに学力は関係ないからな。

 騎士学園で強敵に出会えるといいな。

 それを期待する。

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