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一撃必殺!パイルバンカー!~スキルがなくて追放された俺はパイルバンカーで天下を取ってざまぁする~  作者: 喰寝丸太


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第24話 ローラースケート

Side:スルース


 金も貯まったので、道楽の道具を作る。

 ローラースケートだ。

 やっぱりパイルバンカーとセットになっているのはローラーだよな。

 空を飛ぶよりローラースケートの方が簡単だ。

 落ちる危険性もないからな。


 フロートの魔法も良いけど、あれは飛んでいるようなものだからな。

 ホバーなら許せる。

 足にホバーの魔道具を装着するのも良いかもな。


 ローラースケートにはベアリングを搭載。

 ベアリングのアイデアはリリアンヌに売った。

 そのうち馬車に応用されるんだろうな。


 問題はでこぼこ。

 街道は整備されているとはいえ、アスファルトの道路と比べたら話にならないレベルだ。

 そこで、登場するのが、スロープの魔法。

 段差を緩やかな板みたいな力場を付けて、滑らかにする。

 これで、街道ぐらいなら問題はないはずだ。


 エンジンをローラースケートに組み込みたいが、それは開発を待たなければいけない。

 回転を起こすロールの魔法を、エンジン代わりに使うのも考えた。

 やってみるか。


「【ロール】。くそっ、色々と駄目だ。難しい」


 ローラーが、空回りしてしまった。

 ローラーを歯車みたいにしないと無理か。

 地面をしっかり噛まないと。


 ローラースケートはローラーの数が多い。

 全てを制御するのは難しい。

 今まで通り、爆発で背中して押すとしよう。

 そのうち、ロールの魔法も再挑戦するけどな。


 エンジンについて考えた。

 ガソリンがなくとも魔道具で爆発は起こせる。

 エンジンの簡単な仕組みは知っている。


「魔力エンジンですか」

「おう」


 設計図を書いてリリアンヌに渡した。


「複雑ですね。ですが、馬なしで馬車が走るのなら、画期的です」

「ゆっくりでいいよ。パイルバンカーの機構には関係ないから」


 魔力エンジンはそのうちにできるだろう。

 ただ最初は車のエンジンぐらいの大きさだと思う。

 ローラースケートの大きさに作るのは、さらに待たなければならない。


 試運転だ。

 スロープの魔法が効いてはいるが、段差があるとアップダウンが激しくなる。

 酔いそうだな。


 慣れが必要か。

 だが、転がったりはしない。

 加速して、スピードを段々と速くしていく。


 風を切り、気持ちよく街道を走る。

 背中に装甲を着けてだ。

 背中で爆発して押される。

 前は背中の装甲は結界魔法でやっていた。

 物理で出来ることは物理でやろう。


 ロボットも作りたいが、それはかなり先になるな。

 一歩ずつだ。


 おっと、考え事してたら人に当たりそうになった。

 ローラーを横にしてブレーキを掛ける。

 アダマンタイトのローラーが石を砕いて、火花を散らす。


 うん、止まり方も恰好良い。


「びっくりしたぁ」


 当たりそうになった人が腰を抜かしている。


「済まなかった。ちょっと考え事をしてたんだ」

「その靴は便利そう」

「街道はでこぼこなんで、乗り心地は最悪だけどな。サスペンションの開発が急がれる」


「それがあれば、俺にもオーガを倒せるのに」

「オーガの被害に困っているのか」


 俺がミスリルワームを狩ったせいかな。


「ああ、街道が封鎖されて物が何も入ってこない。俺は辛うじて街道を通れた。馬車なら無理だっただろう。買い出しに行く途中だ」

「ここもミスリル鉱山に近いな。飛んですぐだ。俺のせいだな。よし退治してやろう」

「いいのか。あんたのせいではないと思うが」

「ああ、俺のせいだからな」


 収納鞄からローラースケートの予備を出して男に履かせる。

 手を引くと背中で起こる爆発に巻き込まれる。

 うん、上手くないな。


 男を前にして抱き付く方式で行くことにした。


「【バリヤー、エクスプロージョン】。ひゃっほう」

「うわぁ、風景が線みたいに流れていく。風が気持ちいい」


 うん、この男にもパイルバンカーを布教しよう。

 しばらく進み、野営地があるので休憩する。


「俺はオーガにも負けない攻撃方法があるんだ」

「素早く近づいて、一撃して離脱すると思ってた」


「もちろん、素早く近づくさ。だが、必ず殺す。離れるのはメカが爆発してからだ。その攻撃は【アラーム、バインド、バリヤー、エクスプロージョン、クールウォーター】、これだ」


 ジャキンと音がして爆発。

 杭が素早く突き出された。


「それじゃかなり近づかないと」

「高速機動でフェイントを織り交ぜて近づく。そしてズドン、一撃必殺だ。関節を狙うかも知らないが、そんな感じだ。どうだパイルバンカーを覚えたくないか?」

「ローラースケートで素早く動いて、体当たりみたいな感じで、槍を突き刺すんじゃ駄目なのか?」

「それじゃ槍を持った騎兵の突撃と変わりない」

「駄目なのか。良いと思うんだが」


「一撃必殺じゃない。駄目だ」

「ええっ、ゴブリン程度なら十分一撃必殺だよ」

「森でローラースケートは使えないぞ」

「浮いて滑るように進めば」

「そういう作品もある。ホバーだな。魔法ならフロートだ」


 フロートも良いけど。

 浮遊の魔法は、人間の体を持ち上げるには出力不足だ。


 魔道具で作るなら、Sランクの魔石がないと難しいだろう。

 バリヤーとエクスプロージョンのロケットだって、連続起動している。

 大体1詠唱で100発だ。


 浮遊の魔法も連続起動すれば行けるのかな。

 ローラースケートは森では少し厳しい。

 スロープの魔法は万能ではない。

 浮遊魔法を使った技も開発してみるか。


 この男はやはり移動に興味があるようだ。


「フロートをやってみてよ」

「【フロート、バリヤー、エクスプロージョン】。やっぱり、これもありだな」

「俺もやりたい」

「フロートの魔法は風で物を持ち上げるイメージだ。それを連続起動だ」

「【フロート】。連続起動が難しいな」


 男は浮遊の魔法を練習し始めた。

 だがすぐに魔力切れになってしまった。


 食事を摂って考えた。

 そして、俺は愚痴を言いはじめた。


「パイルバンカーは何でこんなに人気がないかな。風を切るより爽快なのに。たかが移動方法に負けたのか。至高の攻撃方法が」

「パイルバンカーも良かったよ。だけどあれはもっと飛ばせられないのか。飛ばしたら強いと思うんだが」

「そんなのはパイルバンカーと呼べない。それじゃ、パイルキャノンだ」

「パイルキャノン良いじゃないか。恰好良いと思うぞ」

「駄目だ」


「【バインド、バリヤー、エクスプロージョン】、こうか」


 男の手からナイフが飛んで樹に刺さった。

 この男、魔法の筋が良いな。

 だが。


「邪道だ」

「いや強いし、恰好良い」


 邪道は駄目だ。

 こんなのパイルバンカーじゃない。


 惜しい男を亡くした。

 邪道に染まってしまった。

 暗黒面に落ちたら救いようがない。

 なんて無力なんだ。


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