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一撃必殺!パイルバンカー!~スキルがなくて追放された俺はパイルバンカーで天下を取ってざまぁする~  作者: 喰寝丸太


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第16話 悪女

Side:エローラ


 私はエローラ。

 下級貴族で貧乏貴族の娘。


 憧れというか、こんなことができれば、最高ですと思わせる存在がいる。

 キュラリー叔母様だ。

 貧乏貴族の娘から、伯爵家の正妻になった。


 汚い手を使ってのし上がったのは知っている。

 初めて会った時に、同類だと思った。

 目的のためには手段を選ばない。

 そういう匂いがする。


 もし、キュラリー叔母様が従姉妹で、年齢が近かったら、物凄い戦いになったでしょうね。

 幸いにも、これだけ歳が離れていれば、同じ男を取り合うこともない。

 私はキュラリー叔母様に色々な手管を教わった。


 キュラリー叔母様も歳が離れていて、問題ないと思ったのでしょうね。

 ただ、ガセインへの接近は禁じられた。

 キュラリー叔母様との戦いは避けたいから、その約束は破るつもりはない。

 戦いになったら、負ける想像しかできないから。

 さすがに、歴戦の悪女のキュラリー叔母様には勝てる気がしない。


 叔母様のアドバイスによれば、男は何人いてもいい。

 男なんて失脚するのが当たり前。

 特に下級貴族は、厳しい。


 上級貴族から言われたことを出来ないと、上級貴族が機嫌をそこねて没落なんてことはままある。

 裕福な貴族なら、貴族界で仲間外れにされても問題ない。

 ひとりでやっていけるから。

 下級貴族は仲間外れにされたら、終わり。


 失脚する可能性があるなら保険を掛けないと。

 それに、魅力的な男に乗り換えるためにも、駒は必要。

 だから、何人も男を手に入れないといけない。


 下級貴族は貧乏。

 なぜなら、下級貴族に裕福な領地など割り当てられない。

 税金が圧し掛かって、ギリギリの生活。

 平民より、ご飯が質素だったなんて話もある。


 金の生る木を見つけようものなら、その領地は奪われる。

 派閥が守ってくれない限り。

 ただ、派閥は無料では動いてくれない。

 対価が必要になる。

 だから、どうあがいても、下級貴族からは抜け出せない。


 美貌や、使えるスキルがあれば、話はちょっとは違うけど。

 とにかく、汚い手を使わないとどうにもならない。


 アルという同年代の下級貴族の息子に私は目を付けた。

 アルの婚約者は明るい子で、社交的。

 でも、私に言わせたら隙だらけ。

 幼馴染の男友達とたまに会っているの。


 私のスキルはふたつ。

 ひとつは念話。

 離れた場所の人に思念の声を伝える。


 もうひとつのスキルは認識疎外。

 これを使うと、どこへでも気づかずに忍び込める。

 悪事にはもってこい。


「婚約者が、男と密会してる」


 私は、念話のスキルでアルにそのことを告げ口した。

 婚約者が幼馴染の少年と会っている現場に、アルが踏み込む。


「僕に隠れて、他の男と会っていたのか」

「何言ってるの。この人は幼馴染よ。小さい頃は仲良く遊んだわ。兄弟みたいなものよ」

「言い訳なんか聞きたくない!」


 とうぜん、喧嘩になる。

 その様子を近くで見ていた。

 ざまぁ、楽しい。


 去ったアルが、帰り道で立ち止まって、放心してる。

 チャンス。


「あの、悲しそうなお顔。よろしければ、私に話してみませんか。人に話を聞いてもらっただけで楽になりますよ」

「婚約者に裏切られた」

「まあ、お可哀想。もしかして、あなたは騎士団に稽古に来ていませんでしたか?」

「ええ、毎日のように稽古をつけてもらってます」

「この間、偶然、通り掛かったのですが、見習い騎士から一本取ってましたよね。凄いです。まだ若いのに、それだけできる人はいないのでは」

「僕も、剣術はできる自信があるんだ」

「天才ですね。でも、毎日努力なさっているので、その成果でしょうね。将来は剣聖様かしら」

「僕はまだまだだよ」

「剣術の話を聞かせて下さい」

「ええ、喜んで」


 ふふふ、引っ掛かった。

 こいつは剣術に夢中。

 その話を振れば、仲良くなれる。

 認識疎外を使って、色々な情報は取得済み。

 1時間ほど、剣術の話を聞いた。


「君と話していると、婚約者のことなんかどうでも良くなった」

「誤解かもしれませんから、もう一度婚約者さんと話し合ってみては」

「君が言うならそうしよう」


 別れろとか言うと返って反発する。

 仲直りはできるでしょうけど、溝はできる。

 婚約者は幼馴染との縁を切ったりはしないでしょうから。


 念話でたまにそのことを突いてやればいい。

 愚痴を聞いてやって、得意なことを褒めてやればいちころよ。


 アルはもう手の平の中よ。

 同じ様な手口で、イーライ、ウーロン、エディ、オーリオ少年を物にした。


 イーライから、良く当たる占い師がいると聞いたので、私はひとりで会いに行った。


「そなたは悪行の報いを受けるであろう。そして、処刑される。引き金を引く者の名は、リリアンヌ・エングレイ。かはっ……」


 処刑という言葉が出たので、おもわず殺してしまった。

 リリアンヌ・エングレイは知っている。

 お茶会で、見たことがあった。

 伯爵家だから、妬ましいと思った記憶がある。

 美貌でも、スキルの格でも、全てで負けていたから。


 リリアンヌ・エングレイを殺さないと私が死ぬのね。

 占い師を殺したのは指輪に仕込んだ毒。

 宝石を外して息を吹きかけると、毒が相手の口から入って死ぬ。

 護身用に作らせたの。

 初めて使ったけど、かなり使えそう。


 ウーロンから、領地で最近オークが増えていると聞いた。

 その場所は、エングレイの領地に通ずる道に近い。


 このオークをどうにかできないかしら。

 ウーロンにはオークの討伐隊を待ってもらうように言う。

 私は、エディから領地から運んだ食料の一部が、カビたり、色が変わったり、ちょっと腐ったりしたという話を聞いた。

 その食べ物をただで譲ってもらう。

 処分するのにも、人件費掛かるから、ありがたがられた。


 それをオークに食わせようと思ったの。

 私の家の農民が、王都に食料を運び込んだ時に、もらったクズ食料を載せて、オークのいる場所にばら撒いた。


 リリアンヌが魔法家庭科学園に行くのは知っている。

 私と同じ年度の入学試験を受けて、合格したから。


 オークの縄張りの前の街で待ち受ける。

 そして、リリアンヌが乗る馬車にオークが好む匂いを付けた。

 このオークが好む匂いの液体は、指輪の毒を仕入れた店で買った。

 キュラリー叔母様から紹介された店なの。

 さすが叔母様、人脈も広い。


 認識疎外を使って、オークが襲撃するであろう場所で待つ。


 そして、戦いが始まった。

 リリアンヌがオークに凌辱されて、死ぬのが見れるのね。

 あと少し。


 だが、変な奴が現れて、オークを退治し始める。

 オークキングまでやられた。

 失敗ね。


 次の機会を待つしかない

 魔法家庭科学園で殺しましょう。

 同級生ならチャンスはあるはず。


 散って行くザコオークの1匹が立ち止まって鼻をひくひくさせた。

 そして、私の方を向く。

 えっ、スキルを発動してるのに。

 匂いでばれた?

 不味い!


 私はオークに捕らえられて、言葉にはできない目に遭った。


「認識疎外」


 オーク達が満足して寝たので、そっと抜け出す。

 オーク達は私がいないのに気づいて、追いかけてきたが、自慢の鼻が利かないようね。

 ああ、私がオークの匂いに染まったから。

 あれだけされれば、そうなるわよね。

 思い出したくないけど。


 下らない失敗で純潔を失ってしまった。

 これから、オーク肉は食べられない。

 オークという名前を聞いただけで、あの屈辱の場面が記憶に蘇る気がする。

 この悔しさは、リリアンヌで晴らしましょう。


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