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生徒会活動記録(仮)  作者: ミレイ(要塞)
2/3

一話

入学2日目

朝の教室に1人の生徒が自分の席に座って静かに本を読んでいた。

静寂が流れる教室に入り口のドアが開く音が響く。


「おはよう!」


「、、、、、、おはようございます」


少年は困惑していた。

自分の記憶力に自信があるわけではないが、今入ってきた人物の顔をこの教室で見た記憶はなかった。

入り口に立っていた人物は少年のもとに近づいてくる。


「おはよう!」


「、、、おはようございます」


「さて、この学校にはもう慣れたかな?」


「早いわ。この学校2日目だぞ」


突然の見知らぬ人物からのボケ。少年は困惑した。


「あぁそうだったね。すまないすまない」


「はぁ、えっとそれですごく申し訳ないんですが、、、どちら様でしょう」


「おや、分からないのかい?仕方ないなぁ、私は誰か考える時間をあげよう。一年一組七番の影山黒斗君?」


「は?」


少年いや影山黒斗は脳みそをフル回転させていた

『誰だこいつ、というかなんで俺の名前知ってるんだ怖、、、俺と面識あるのか?いや記憶にないな』

『でもなんか見たことある気がするんだよなぁどこでだ?』


「ふーむ、本当にわからないのか?」


「あ、すいません」


「仕方ない、、、私の名前を教えてあげよう。それなら分かるだろうからね」


そう言うと男は少年に背を向け黒板におそらく男の名前であろう文字を書いていく。

そうして男が彼の方を向いた時、黒板には横棒が2本書かれているだけであった。


「えっと…これが名前、ですか」


「あぁ」


「一一?えっと」


「あぁ、読み方がわからないのか」


「あ、はい、、、すいません」


「いや大丈夫さ、慣れているからね私の名前は“(にのまえ)(はじめ)“だよ」


(にのまえ)(はじめ)、、、あ〜なんか聞いたことあるような気がするな、すげぇ直近で。いつだっけ」


「昨日だね」


「昨日?あー昨日な気がするな確かに昨日だから入学式の、、、、、、あ!」


「ようやく思い出したかい?そう」


「入試一位か!」「生徒会長だな!」


「え?あぁそっちなの?」


「そうに決まってるだろう。上履きをちゃんと見ないか」


「え?」


黒斗は一の上履きを見る。確かに自分の物と違うことに気づく。


「あぁ、先輩だったんすね」


「そう、私こそ!この学校の生徒会長である一だ」


「すげーメタいけどめっちゃわかりにくい名前ですね」


「メタいな、、、まぁそれはいいんだよ。影山黒斗君、私がなぜここに来たのか分かるかい?」


「え、わかんないですけど」


「少しは考えるそぶりを見せたらどうだい?」


「えぇ、、、」


黒斗は考え出す。

『この学校の生徒会長様が入学二日目の新入生のところに来る理由?分かるわけないだろそんなもん』

『そもそもこの人のこと見たって言うのも入学式で挨拶してるのを流し聞してただけだし』

『年度頭に生徒会長が一年生のもとに来る理由なんて、、、あ』

『いやでも、そうだとしたらなんで俺なんだ?この人と話したことなんて今の今までなかったし』

『聞いて確かめてみるか』


「一先輩」


「お、分かったかな?」


「予想はつきました。ただ、俺である理由がわからない」


「、、、その感じだとちゃんと分かってそうだね。君である理由か、、、単純だよ」


「なんですか」


「新入生の中で一番早く来てたから。それだけ」


「はぁ?、、、えっと冗談はやめてくださいなんで俺なんですか」


「だから言ってるだろう?君が一番早く来たからだって」


黒斗は絶句した。ありえない、と。なぜこんな人物が生徒会長なのかと。この高校に入ったことを後悔し始めていた。


「新入生の中で一番学校へのやる気があるのは誰かを測るのは難しい。テストでは無理だし、体力測定なんかでも無理だ。じゃあどうやって測ればいい。簡単な話だ、一番早く学校に来るってことは一番やる気があるってことにならないかい?」


「ほぼというか完全に暴論では?」


「そんなこと言わないでくれ、この説明で副会長は納得してくれたよ?」


「バカしかいないんですか、生徒会って」


「なんてことを言うんだ」


「いや、バカでしょ。これって生徒会役員を勧誘してるってことですよね?この方法で行けると思ってたんだとしたらバカでしょ」


「ふむ、どうやらこの方法はお気に召さなかったようだね。わかった、まずは一旦引こう。ただ、我々生徒会は君のことを歓迎するとだけ伝えておこう」


「そうですか、わかったんで帰ってください」


「了解した。あぁ、あと」


次の瞬間生徒会長の口から発された言葉が黒斗の頭の中に1日残り続けることになる


「君を選んだ理由だけど、さっき言ったのもあるけど

“ちゃんとした理由はあるからね?“

それじゃ放課後、生徒会室にて待ってるよ」


「は?他にあるんすか、っておーい。、、、気になること言って帰んなよクソが。」

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