はじめてのチュウ
「あ~オモロ、聖女&勇者パーティのこと、わかったわ」
それにしても、あっけらかんとした関西弁女である。異世界でもここまでシモネタが通じるものなのだろうか。
「そいつはどうも……それにしても、俺の股間をペシペシしたり。手慣れたもんだねぇ。ホントに昨日の夜が初めてだったのか?」
「せやで。ウチには男が寄り付かへんねん『金玉衝撃』」
「ぐはぁ……いてぇ」
蹴られたような痛みが、俺の股間を襲う。
タマタマを両手で押さえて、うずくまった。
「こんなんもあるで『金玉帯電』」
「ぎゃぁああああ」
痛むタマタマに電流が走った。
「お願い、やめて」
「なんや?それが人にモノ頼む態度かいな?」
「お願いします。やめてください」
「しゃーないな」
あっという間に、俺は躾けられた。
「なるほど……恐怖が先走って、口説こうなんて思わないな」
俺は、股間のタマタマをほぐしながら話した。
「せやろ。今ので最弱の威力やねん。冒険者ギルドで男共に絡まれた時は、もうちょいキツイのかましたったけどな」
「気の毒すぎる」
「白目むいて、口から泡ふいとったわ」
「だろうな……」
そういやこの人、タマタマを爆発させて魔王を殺した人だった。
俺は股間をおさえて震えている。
「せやからな。二十歳にもなってキスもまだやってん……」
少し顔を赤らめて、彼女は話した。でも怖い。
「そういや、昨日の夜はしてないぞ。治療に必死だったから。ぐぉおおお」
なんだ、タマタマが重たく……イテェ
「『金玉重力』や。股間から手ぇ離したら、袋突き破って地面に落ちるでぇええええ」
手に押し付けられてるタマタマの重力でイテェ。金的などは、下から上の痛みだが、上から下への痛みが俺を襲う。
「ファーストキスが未経験のまま、純潔を散らされた、ウチの八つ当たりや」
「許してくださいませ。ご主人様は瀕死だったのです」
「まぁ、しゃぁないな。ホレ三回まわってワン」
背に腹は代えられない。俺は三回まわってワンをした。
「っちゅことで、ウチにチューして……」
彼女は目を閉じた
「あのさ、そんな風に俺を躾けしなくても、プロポーション抜群の巨乳でキレイな顔立ちなんだから、俺は普通に付き合ってキスしたいけど」
ドンッ。っと両手で突き飛ばされた。
「ほ、ほ、ほなら。今のは無しや」
このへんは、すごいウブなんだよなぁ。
「へいへい。今度ムードのある時にでも」
「そなえさせてもら……」
ちゅ♪
俺は意表をついて唇を重ねた。
ん~、んちゅ♪
彼女は驚きながらも受け入れきたので舌を絡める。
ぷはぁ♪
「順番があべこべで悪りぃな……」
「う、うん。ええんよ別に。ウチには一生ないと思てたし」
余韻に浸るように俺達は抱き合っていた。
「にしても、アンタ上手いな」
「コッチの世界に来る前にもそれなりにしてきたし、コッチに来てからも結構な人数と経験があるんだよ、あっ昨日の夜に一人増えたか」
そういえば、足し合わせると、そこそこの経験人数かなぁ。両手の指じゃ足りない。
「なんやろなぁ『ウチの男にならんと金玉潰す』ってのとは、ちょっと違うわなあ」
「……物騒なこと言わないでもらえるか」
「まぁええわ。アンタへの金玉スキルはできるだけ使わんとくわ」
「まったく使わないでほしいなぁ……」
「それは、アンタ次第やで」
こわっ。マジ、こわっ。何よこの娘、地雷?
そうして、彼女は俺を抱きしめていた腕をほどいた
「それで、話を戻すんだけど、なんだか男の股間のモノに慣れてたように思ったんだ?」
「そりゃそうやろ。『金玉瞬間移動』を習得するまで、ゴブリンとかオーガのタマタマ集める時、邪魔な部分は、引きちぎったり破ったりしてたさかい」
邪魔な部分……竿と袋だろうな。あぁ痛そう。
「そ、そっか。それで慣れてたんだね」
「アタリマエや。人間の男の見るのなんて、初めてやったし。オーガとかゴブリンと同じだったから安心しただけやし……」
なにこの子、かわいい。
モジモジしてる彼女の頭をポンポンと撫でてやった。
金玉魔法、募集中。
アイデアがあれば教えてください。
作品に使うかどうかは不明です。