聖女と勇者の事情
魔王の死因「内臓爆発」。
男女の喧嘩等において「内臓破裂」で男が死んでる場合は、キンタマつぶしが原因です。
それが爆発なんて、痛すぎてショック死したんでしょうねぇ(遠い目)。
それと、少し離れた2つの物体が爆発すると、その間では爆発の衝撃波が重なり合って、とんでもない破壊が発生します。
つまりね、タマとタマは少し離れてて、その間に竿があるワケですから。その激痛ときたら、怖いですね、恐ろしいですね。
小屋の中で、俺達は話を続けた。
「そうか、魔王は昨日死んだのか。それじゃぁ、俺は聖女探しに集中しようかな」
「せやねん。でも、魔王だけ死んだ状態で魔王軍は健在やし、聖女&勇者パーティーに倒してもらいたいと、みんな思ってるんとちゃうか?」
少し前まで聖女&勇者パーティーとして活動してきた俺だが、民衆の身勝手さには嫌気がさしていた。
「勝手な言い分だなぁ。聖女や俺達のこと、ボロクソに言ってた連中の為に戦えと。お前がやればいいじゃねぇか?魔王でも即死させられるんだし」
「それなぁ、敵全員にキンタマついてたらスキル使って簡単なんやけど……」
ふるふると彼女は首を振った。
「なるほど、スケルトンにはタマが無いものな」
「せやねん。20個くらいあったタマのストックも使い切ってしもてなぁ。タマ切れの時に、スケルトンの集団と出くわしたから、タマったもんやないわ」
っつったく、会話の中にタマが多すぎる。若い女性が、なんてはしたないwww。
「タマのストック……?」
「ゴブリンとかオーガのタマや。いつもはそのタマを投げて、爆発させたり、電撃化したり、毒撒いたりして戦うねん。昨日の夜みたいに、短剣で戦うことなんて、まぁなかったわ」
「なに、この人、コワイ」
オスの本能として、股間をおさえて震えあがった。いわゆるタマヒュンである。
「それで、まぁ、ハゲ勇者のアンタに助けられたんやけど?名前くらい聞いてええ?一応、ハジメテの相手やし」
「そうだったな。あの時は、名乗る余裕もなかった。阿玉梭薙だ。おっとコチラでは姓が後だから、ヒカル・アダマだ」
「ぷぅ~クスクス。アタマ・ヒカルwww。名前の通りやん」
「そうだともよ。『頭皮聖光ッ』」
俺は頭を光らせた。スケルトンを倒した光だ。
「怒らんと、のってきたで、このハゲwww」
異世界転移前からも散々いわれて、もう怒る気すらないんだよなぁ。
「で、君の名前は?」
「あ~、せやったせやった。ウチは、セィソ・イタブールっちゅうねん。ピチピチの二十歳やで」
「精巣甚振る、だと。恐ろしい名だ」
「せやから男は寄り付かん。男目当ての女も寄り付かん」
「……苦労してんだな」
「せやなぁ、それなりにはなぁ。それで、クセの強い女が集まってた聖女&勇者パーティーに入れてもらおうかと、思っててんけど。なんで今はアンタ一人なん?」
それは、あまり聞かれたくない内容だった。しかし、ここの悩みは女性の意見が必要と思う。相談するには丁度いいか。俺は、重たい唇を開いた。
「ああ、俺と女性3人のパーティだったのは知ってそうだな。
で、話した通り聖女は離脱して失踪。残りの二人は妊娠中で産休だよ」
「……え?あの二人を、孕ませたん?アンタが?」
「そうだ」
「よくもまぁ……凄いやん?勇気あるわぁ。
一人は悪役令嬢の魔法使いやろ?筋肉ムッキムキの?
もう一人は婚約破棄で追放王女のタンク役やろ?贅肉だるんだるんの?」
「……そ、そうだ」
「アンタ……マッチョもデブもいけるクチかいな」
「一緒に寝泊まりしてたら……つい」
「へぇえええ、マッチョとデブに挟まれてねぇ」
「固い感触と柔らかい感触を交互に……こう」
おっと、これ以上書くと存在を消されると神の声が聞こえた。
「ところで悪役令嬢と追放王女のどっち最初に抱いたん?」
「いや、最初に抱いたのは聖女だ」
しまった、ポロっと言わなくていいことを。
「……聖女って今14歳くらいやんな?このロリコン死ね。えっなんや?少女を抱く勇気とでも言いたいんか?あぁん?」
「ちがう俺はロリコンじゃないっ。最初は聖女と俺の二人旅だったんだよ。アイツ毎晩のように服脱いで迫ってくるから、もぅ我慢できなくなって。わかるだろ当時13歳の娘でも色仕掛けで迫られたら、カラダは未成長でも、めっちゃ可愛かったし」
「あ~あ。ウチの竿姉妹多いわ。まぁええけどな。んで?聖女が出て行った理由ってのはなんなん?」
「自分だけ、子供できてないから。一番長く一緒にいて一番沢山抱かれたのにって、多分だけど」
「……聖女ちゃん当時13歳やろ?遅い子だと初潮がまだなんじゃ?もうアカン。おっさん、アンタはギルティや、エロハゲ勇者。命の恩人じゃなかったらウチが成敗してるわ」
「そ、そうか。そうだよなぁ。まぁでも、今までで一番理想に近い娘に成敗されるなら、仕方ないかなぁ」
「って、ウチかいぃい。口説ぃとるんかぃいいい」
「いや、ややスレンダーでも出るとこは出て巨乳だし。顔も、すっごいキレイ系で俺好み」
「ウチを正妻にするんやったらええで。こんな『タマ潰し女』、相手見つからんしなぁ」
彼女は、俺の目をジっと見つめてきた。
「だめだぁあああ。聖女を俺の正妻から外すと、彼女は世界を滅ぼすかもしれない」
「はぁああああああ?」
セィソの素っ頓狂な声が響いた。
「固い感触と柔らかい感触を交互に」
いうなれば、ポテトチップ(塩味)とチョコレート(甘味)って
交互に食べると、より一層止まらなくなる感じでしょうか?