グランドセットアップ④
【第四部】秋風と遠雷編
夏休みも終わり、魔刃学園の新学期が始まる。
始業式では東雲スズカ、神楽リオン、明滅レオン、降神カナン、八神ライザと、定期試験での各学年一位が揃い踏みする。シオンは目の敵にされているとわかるが、彼女にとっての目標もはっきりする。
そして、夏休みの前からシオンに不刃流一式という危険な技を教えて近づいていた女、降神オリガが新しい教師として着任する。
彼女はただこう言う──本物を探しているのだと。
始まるは実習授業、救難実習。実習では尾瀬タイガ、最上アズキ、曽根セイレ、千原ロナンと癖の強い他寮の生徒とも協力をする。
中でも千原ロナンはシオンに対抗意識をバチバチに燃やし、初めから雰囲気は最悪であった。しかし、試験を通じて、互いの信念に触れ、分かり合ってゆく。
試験終盤、降神オリガが、順調に覚醒しつつあるシオンを起爆するために放ったのは、十三獣王が一柱、山羊座。
内側にある空白が重なる因果で満たされた時、それは魔王となる。聖櫃という原初の特異点を操作するに必要な力だが、この時のシオンはそれを得ることはできなかった。
試験が終わり、オリガは告げる。もうすぐ全ての欺瞞が暴かれるのだと。
翌日、それは語られる。牡羊座の十三獣王、幻想守護聖こと幼女学長は語り始めた。魔刃学園とは、十三獣王の中でもっとも強大な王、獅子座を封印するために作られたものなのだと。
そして、模擬学生も消える。
名前を持つ、本物の生徒たちだけの、本当の魔刃学園が、明かされる。
そしてその理由は簡単だ。戦争がもう、起こってしまったからだった。
ROOT-1999に近接する世界ROOT-0001のロサンゼルスで、黎明旅団とシンジケートの戦争が勃発した。それがこの世界、ROOT-1999に波及し、ロサンゼルスに十三獣王の眷属が現れたのだ。
総ては聖櫃があるとされている、理想郷を巡って。
生徒たちに暗雲が立ち込める。だが、魔剣師を志した彼女らの覚悟はもう決まっている。生徒は戦争の準備を始めた。
そして立ちはだかるは次期剣聖と目されている降神カナン。シオンは戦い、そして、千里行黒龍に手を貸してもらい、魔王の力を借りることになる。
魔王、否、《冷帝》ラウラ・アイゼンバーグの力を。
各々が、もう取り返しのつかない道に進んでいることを理解する。だからこそ、シオンは想いを伝え、アレンは強くなるために眠りにつく。
喪失と破壊の物語は、情報開示の、第五部・厳冬と戦争編へと進む──。
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