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4,魔王?の模擬戦

レンさん活躍回です

 「あっ、あの、あなたはいったい何者なのですか」


 彼の圧力にみうが気圧されている。彼女を後ろにかばいながら彼と対峙する。彼の圧力に彼女がおされてしまっている。


 「俺は国で起こる異変に対処するかわりに食料や寝床をだしてもらう、っていう契約を陛下と結んだ。そのひとつ目が、闘技会で優勝し新しい巫女を他の者に渡さない、ということだそうだ」


 だから、と彼が一歩前に踏み出す。

 「あんたが俺と一緒にこの国を守るお役目を受けるってことだ。安心しろ。俺は強い」


 「確かに強そうですけど、この子を怖がらせるような方を私は信用できません。それに誰なんですか?」

 

 「まあ、どのみち俺が優勝して、その後出てくるダンジョンを攻略するところまでがこの国の預言者の預言、だそうだ。諦めろ」


 預言者さま、私がここに連れてこられたのも私が巫女になることを予知したからだと聞いています。

 「そうですか。ですがそれならまずはこちらに向ける圧力を抑えてほしいのですが」


 「圧力?ああ、すまない。どうにも気持ちが高ぶってな。巫女の力というのは大したものだ。そこのものをほとんど別の存在に変えてしまったではないか」


 「何のことですか?私はただ彼女に名前を付けただけですが」


 「そうか、お前もまだここまでは視えていないのだな。そこの娘は――」

 

 

 「ここにいましたか、レン殿。探しましたよ」

 レンさんが何かを言おうとしたとき、騎士団長さんがやってきました。


 「すでに私の部下達が準備を整えています。行きましょう。巫女さまもよろしければいらして下さい。彼の実力がみられますよ」

 「わかった。では行こうか。あんたたちも来るだろう?」

 すでに同行は決まったことのようです。


 「では皆さん、私に触れてください」

 騎士団長さんにみんなが触れたことを見計らって

 「[移動]演習場へ」

 騎士団長さんの鞘の石が光りました。

 

 ~・~・~・~・~

 

 「わあ。白い部屋、ですね」

 騎士団長さんの力で飛ばされた部屋は一面が白く光っている石でできた部屋でした。

 

 「この部屋は普段騎士団の模擬戦を行っている施設です。大きさ・機能共に闘技場と同じものになっています」

 私の、機能?という視線に気づいたのでしょうか。

 「戦闘不能と判断された者がこの床や壁から出される光の網で保護される機能があります。いわゆる安全装置というものです」

 と丁寧に教えてくださいました。そんな中レンさんはあくびをしています。ちゃんと聞いていますか、レンさん。


 「すまんな、お前のさやの石壊してしまって」

 「いえ、問題ありません。陛下から替えもいただきましたし。あなたが能力を把握できたのならそれが大きな収穫だ、とおっしゃっていました。あなたもそれは聞いているはずでは?」

 「それでも本人に謝罪はしておくべきだろう?」

 「そうですね。確かに受け取りました」

 

 いったい何の話をしているのですか?私たちが戸惑っていると騎士団長さんが説明して下さいます。

 「彼は今しがた私が使った[移動]の能力が使えます。どうやら私の杖の石から抜き取ったようなのです」


 抜き取った?道具から能力を?ますます魔王みたいです。

 「俺もあの一件で知れたからな。で、俺はここで何をすればいい?」


 「私の部下二人と二対一で模擬戦を模擬戦を行ってもらいます。彼らは騎士団でもことチームワークにおいては最も強い二人組です。あなたの実力を見せてもらうので[移動]は使わずにお願いします。闘技会でもできればそのようにお願いしますね」

 「わかった。攻撃は受けたほうがいいのか?」

 「いいえ、構いません。全力で来てくださって結構です」


 騎士団長さんがそう宣言する。2人の部下の方もやる気が伝わってきます。

 「お二人はとても強いと聞いたことがありますが、私にはそうみえません。なんででしょう?」みうが首をかしげる。


 「では、模擬戦開始」騎士団長さんの宣言が白い部屋に響きます。



 ~・~・~・~・~

 

 「こいつらでは相手にならん。お前とあの2人、3人で全力でかかってこい」


 レンさんがいいます。そうなんです。あの後騎士団長さんのお強いはずの部下2人はレンさんの攻撃数発ずつで倒れてしまったのです。

 続いて騎士団長さんが呼んだ訓練中の騎士団員も全員で挑んだにもかかわらすそちらは近づくことすらできずに吹き飛ばされてしまいました。

 やっぱりレンさんは、魔王とかなのでは?それとも騎士団が弱い?

 

 「少々お待ちください。レン殿少しよろしいでしょうか?」

 騎士団長さんは懐から指輪を取り出しながらレンさんに近づき、指輪をつけた手を頭にのせます。


 「それか。いいぞ。その指輪を使うやつもさっきされたからな」

 これから起こることはじぶんもできる、と得意げな視線です。

 

 「[才能選択]」

 

 団長さんの声で指輪が光ります。

 「これはいったい……」

 「俺はそういうものらしい。だから三人でこい」

 彼はあきれたように言います。そういうもの?


 「通常個人が使用できるのは自身が開花させている職の適正のうち1つだけ、なのですが彼はそのすべてが同時に使用できるのです」

 なんだかよくわかりませんが、レンさんがせかすので模擬戦再開です。


 

 結局3人で挑んでも数秒と持たずに床に伏せてしまいました。みうも困惑しているようです。もしかして騎士団弱すぎなのでは?

不真面目そうに見えて実はよく考えている人、かっこいいと思うんですよね。

きめのセリフが良いとなおしびれます。

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