『獣』たちの蹂躙-①
今回は一部の『獣』たちによる被害を描きました
あるレストランでは……
「いらっしゃいませー」
そこには自販機のような体に影のような黒い半透明の手がいっぱい生えた『獣』が居た、その自販機はドリンクではなくポーズ確認用の人形のような髪も、顔もない人形がいっぱい売られている、
「イヤァァ!!」
店員は全力で逃げようとしたが『獣』に追いつかれ、自販機でいう取り出し口から人間の手のようなものが4、5本出てきて店員を引きずり込んだ、その瞬間自販機の一番左上の部分が売り切れと表示されて、そこの人形が今さっきの店員そっくりの玉関節人形に変わった。
数分後レストランから出てきたその獣は全ての商品が売り切れとなっていた、
レストランには誰も居ない、客も店員も誰も誰も
あるデパートでは……
キャー、キャー
悲鳴をあげ逃げる客、
そこには黒い三日月のような口をもつ白い仮面をつけたタキシードの男が居た、この男は3mはあろう身長の持ち主で手足が異常に長い、この見た目を表現するとすればスレンダーマンという都市伝説だろう、そしてその後ろには顔のない絵本を持った少年が居た、
突如、その男は灰のようになり消えた、そして少年は逃げていた客に話しかけた
「ねぇ?」
「なんだ……うわぁ!化け物!」
「失礼だね、僕たちは『獣』、ところで君の好きな都市伝説を教えて?」
彼が驚くのも無理はない、何故なら、少年ではなく、持っていた本が喋ったのだから
「あれ?喋んない?だったら無理矢理聞き出すか」
そう言うと少年は本を開き男の顔に貼り付けた
「ゔぁぁ!ゔゔゔゔゔ!」
男は顔からどんどん黒くなって行き、全身が黒くなると、少年は本を離し本を見る、
「ふぅん?『八尺様』かぁ」
そう言うと男は姿が変わり、白いワンピースの240センチくらいの女性となった、それはまさに掲示板で流行った八尺様の様に、
ある遊園地では
「ピエロさーん、風船ちょうだーい」
子供がピエロに近づく
ピエロは赤い風船を渡し、子供は喜ぶ、
普通の遊園地、
「ピエロさん、風船ちょうだい?」
今度はピエロに12歳近くの少女が可愛らしく近寄って赤い風船をもらう
「ありがとう」
少女は嬉しそうに帰って行く、
刹那、ピエロは指を鳴らす、
すると風船は膨らみ先程の子供を飲み込んだ、少女も同じである、飲み込んだ風船は膨らみ、割れた、
中からうさぎや猫の着ぐるみが出てきた、
「あれ?ひろとー?」
先程の子供の親が探しにきたようだ、ピエロは近づき、青い風船を目の前で割る、
すると風船の破片は親にまとわりつき、親はこの遊園地のスタッフのような服になった、
「いらっしゃいませー」
何ということだろうか、親は店員のように振る舞い出したのだ
もう、この遊園地には元々居たスタッフはいない
あるライブ会場では
「みんなー!今日は来てくれてありがとー!」
人気のアイドルがライブをしている
曲に応えるようにサイリウムを振るファン
歌うアイドルは思った
(何かおかしい、サイリウムがどんどん明るくなっている……ファンの子たちは気づいてないし……見間違い?)
アイドルは気にせず歌い続けた2時間、3時間、4時間、
もう曲を聞くものはいない、
ファンも、スタッフも、ボディーガードも、そして
歌う……アイドルさえも、
ただ曲は流れ続ける、アイドルが失明しようとファンの鼓膜が破れようと、アイドルの喉が潰れようと、
その『獣』は変わらない声で歌い続ける
前回宣戦布告してなかった?この蹂躙は2体目のデパートの『獣』以外は宣戦布告前に攻めています。
2体目以外ではそもそも『獣』の情報があまり拡散されておらず信じる者も少なかったので被害が甚大になってるわけです